劇場公開日 2022年3月25日

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「元軍人の弟とカリスマ的犯罪者である兄の行く末をあなたの目で確かめてほしい」アンビュランス 山田晶子さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5元軍人の弟とカリスマ的犯罪者である兄の行く末をあなたの目で確かめてほしい

2022年3月24日
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鑑賞方法:試写会

見終わった後、想像以上に感動してしまい、しばらく呆然。余韻に包まれゆっくり帰る途中、地味に見えていた本作のポスターの前で立ち止まった。改めてポスターをよく見ると、ビルが立ち並ぶところで、ヘリやパトカーが救急車を追っている。そう、逃走車は救急車なのだ。
なんと、本作の舞台は現代のロサンゼルス。しかも、銀行強盗を決行するという信じ難い展開。しかし、銀行強盗に至るまでの理由と状況が具体的に示されているため、リアルな心理合戦に引き込まれていく。
元軍人の弟ウィリアムは、現場に同行すれば、簡単に終わると聞かされていた銀行強盗。ところが、あるトラブルをきっかけに追われる側になる。そこからアクションにギアが入り、急速に画面からスピード感が出てくる。
見る側も常にスピードについていくのがやっとで、迫力に圧倒されっぱなし。
ただ、臨場感満載のアクションだけではない。アクションと人間の心理描写が同じスピードで同時に進行していくところも本作の醍醐味である。逃走中でも、音楽を効果的に使い、兄弟のやり取りが回想されるシーンは印象的だった。
スピード感があり、一瞬さえ見逃せない映画という点では『 TENET
テネット』を思い浮かべるが、本作は見終わった後のモヤモヤ感がほとんどないくらいわかりやすく描かれているところも高評価に繋がった。
結末も見逃せない感動が待ち受けているので、是非とも劇場で!

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山田晶子