「特に前情報なしで観に行きました」人生の着替えかた pずさんの映画レビュー(感想・評価)
特に前情報なしで観に行きました
三部作それぞれ趣向の違うストーリーですが、それぞれの作品の個性が喧嘩することなく楽しむことができました。どれか一本見るだけでも料金の元が取れる感覚かも。
「MISSING」漂う陰鬱さが見応えになってる作品です。主演の秋沢さんってかなり演技のうまい方だと思いました。感情が高ぶって言葉が出ない、みたいなシーンのうまさが凄まじい。頭で理解する前に涙が流れる。"しない"ことがうまいというか、派手じゃない演技がすごくうまいです。一歩間違えば陳腐になってしまうかも、というストーリーが演技の魅力を引き出していました。
「ミスりんご」は一番好き。観てて気持ちのいいコメディ。"気持ちがいい"というのはテンポの良さというのもありますが、なにより情報の魅せ方と取捨選択が巧みで、脚本と監督の手のひらで気持ちよく転がされている感覚。安心して身を任せて大笑いできた。
深夜の単発ドラマとして放送されたりするとかなりウケるんじゃないかと思います。
「お茶をつぐ」
ベタな人情ドラマかと思いきや少し個性が強めな男(漫画やアニメ的なキャラ付け)が出てきた。それでも違和感を与えさせない、人物の描写のバランス感覚がうまかった。短編という限られた時間の中で人生を描くのがうまい。登場人物それぞれの思惑や関係の変化が、明確に描写されてないのに確実に伝わる。映画の感想としては失礼かもしれないけど、この脚本家と監督で連続ドラマを作ったらどうなるんだろう、かなり良い作品が出来るんじゃないか、と思った。
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