「人生は着替えられる。誰もが何度でも。自分自身が変わる勇気をもらえます。」人生の着替えかた なのさんの映画レビュー(感想・評価)
人生は着替えられる。誰もが何度でも。自分自身が変わる勇気をもらえます。
3つの短編からなる映画で、それぞれ全く雰囲気が違い最後まで全く飽きることなく楽しめました。3作品全ての主役を務められる秋沢健太朗さんの演技にも本当に引き込まれました。
1本目に上映される「MISSING」。
指名手配犯の弟が主人公で、加害者家族としての苦悩やその兄との繋がりなどが重く描かれており、どうしようもない現実とうまくいかない人間関係、そんな兄への想い。家族という深く時には枷にもなるような強い縁がなんだか愛おしくも感じました。
また主役を演じる秋沢健太朗さんから滲み出る、もがき苦しんでいるような雰囲気や暗い瞳の中に渦巻く鬱憤と指名手配犯の兄を演じる中村優一さんの溢れだす激情と弟への愛情の二面性が本当に素晴らしくて、この映画の魅力を何十倍にも引き上げてると感じました
3本の短編の中でも私はこれが一番好きです。
2本目の「ミスりんご」
終わった後は不思議な清涼感がありなんだかすっごく前向きになれました!思わず笑っちゃうような展開と主人公二人の息の合ったやり取りはとっても心地よく最後まで周りを巻き込みながら駆け抜ける台風のような楽しくもちょい怖(?)要素アリな作品です。
3本目の「お茶をつぐ」
聴力障害を持つ主人公がお茶を通して成長し人と繋がり殻を破る物語で、これは特に秋沢さんの演技に引き込まれました。
手話と表情と動き、そして瞳で全身で感情が伝わってくるんです。お話自体もとっても温かく少しほろ苦くもあり、最後には思わず涙が溢れました。。そして絶対見終わった後は日本茶が飲みたくなると思います。(笑)
どの作品も主人公が前を向き古い殻を捨て未来に歩み出すその瞬間が映されていて、人生は新しくできる。着替えられるんだと勇気をもらえる作品だと思いました。