「医療業界の隠蔽体質と人材不足が背景にある」グッド・ナース 清藤秀人さんの映画レビュー(感想・評価)
医療業界の隠蔽体質と人材不足が背景にある
アメリカで実際に起きた事件を基にした医療サスペンス。病院内で相次ぐ意図的な薬物投与による死亡事故の真相を、ジェシカ・チャステイン演じる看護師のエイミー自らが炙り出すことになる。なぜなら、本来は事件の捜査に積極的に協力すべきすべき病院側が、噂の拡散を恐れて協力を断って来たからだ。ただでさえ、重い病いを抱え、厳しいシフトに耐え抜いているエイミーにそこまでやらせるのか?という疑問が湧いてくる。
医療業界の隠蔽体質、常態化している人材不足。それはアメリカもこの日本も同じみたいだ。何より、劇中で事件の容疑者である看護師、チャーリーが呟くある言葉に、そのことが色濃く反映されている。
看護師目線で描く病院が舞台のサスペンスドラマは、チャーリー役にエディ・レッドメインを得たことでサイコパス的ムードを纏っている。これまで役選びの幅を広く設定して来たレッドメインにとっても、チャーリー役はかつてないほどチャレンジングなものだっただろうし、その成果は評価されていいと思う。
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