「隠蔽体質の闇」グッド・ナース カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
隠蔽体質の闇
病院で不審な死亡例が増えて、それが病院を転々としてきた男性看護師の仕業だったという実際に起きた事件に基づくNetflix映画。
「リリーのすべて」で世界初の男性から女性への性転換手術を受けた芸術家を演じた中性的なエディ・レッドメイン。奥二重で窪んだ目に色白の顔は不気味でもあります。ジェシカ・チャスティンの目も窪んでいて、お互い自然に親しみを感じたであろうと思わせられる絶妙のキャスティング。自主製作のアクション映画にみずから主演することが続いていたジェシカ姐さんがまさかエディ・レッドメインと共演するなんて思いもしませんでした。
Netflixさすがですね。
日本でも看護師が旦那にインシュリンを注射して事故と見せかけて殺し、次々に保険金をせしめた事件がありました。
ごく最近(平成27年)になって医療法が改正され、医療事故調査制度が制定されました。病院内での予期せぬ患者死亡例について、国が定めた第三者機関(医療事故調査・支援センター)への届け出が義務化されましたが、故意に患者を殺める者をあぶり出すことを目的としたものではなく、医療機関の安全管理の強化を目的としたものです。しかし、届けなかったことに対する罰則規定はないので、本当に公表出来ない事故は遺族にうやむやにして、裁判沙汰にならないように隠蔽される可能性があります。速やかに届け出ることとされていますが、院内調査が長引いたとすれば、おのずと届け出は遅くなります。検視(検死)・解剖の強制力もありません。それでも、以前に比べれば進歩です。この映画の病院の管理責任者は事件から7週間も経ってから報告します。警察も介入しますが、すでに火葬された後で、担当刑事は半ば諦めていましたが、そこへ更に新たな事故が起きます。
こんなにしおらしいジェシカ姐さんを観たのは初めてだったので、意外でした。
二人の娘がいるシングルマザー。
拡張型心筋症で移植が必要なのに、医療保険が使えるには勤務期間が足りないため、不調を秘密にして仕事を続けます。
患者の急変時の蘇生も体力が必要で、エミーにとってはすごい負担です。
チャーリーとエイミーは互いに協力関係にあったため、疑問を抱いてしまったエイミーのつらい苦しみが前面に描かれます。
心臓が悪くなければ、いつものジェシカ姐さんなら鉄拳制裁していたかも。
死後処置を施した老婆の顔に自分の顔を近づけるチャールズは何を思ってそうしたのか? 彼の母親も医療過誤で亡くなったのではと思われる述懐あり。社会への復讐なのか?
しかし、不気味で怖いエディ・レッドメイン。
最近は男性看護師が増えています。
私は尿管結石で何度か入院していますが、最初の入院の時は女性看護師でした。結石破砕術の後の痛み止めの坐薬を入れてもらうのが恥ずかしくて、遠慮してしまいましたが、今度入院したときは我慢せずに何個でも入れて貰おうと心に誓いました。しかし、次の入院の時は担当は男性看護師で、親切で感じの良い人でしたが、とてもガッカリ⤵️
いったいわたしはなにを期待していたのでしょう。
それは秘密です。完全黙秘。
男性看護師には人に言えないコンプレックスもいろいろあるでしょうし、インシュリンや筋弛緩剤が自由に扱えるとなると、ストレスから魔が差して、やらかしてしまう病的な人もいるかもしれないと思うとやっぱり怖いですね。