ナイブズ・アウト グラス・オニオンのレビュー・感想・評価
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謎解きとリゾートの魅力が拮抗
前作に続き、探偵ブノワ・ブランが限られた空間に集まった人々の中から、巧みに仕組まれた殺人事件の犯人を見つけ出す、という内容だが、雰囲気は激変。今回は陽光が眩しいギリシャのプライベートアイランドを舞台に、主催者の億万長者と彼に恨みを持つゲストたちの知られざる過去が、紫外線を浴びて徐々に炙り出されていく。
監督・脚本のライアン・ジョンソンはロックダウン中に海外旅行への憧れをモチベーションに、この物語を書き上げたとか。だからか、映画には夏の旅の楽しさが充満している。物語の途中で明かされる、観客も想定外の人物的背景がもたらす急カーブは確かに快感だが、ジョンソンが脚本執筆の上で意識したという、アガサ・クリスティの『地中海殺人事件』や『シーラ号の謎』(豪華ヨット内での殺人事件を描いた密室ミステリーの傑作)を確かに彷彿とさせる、謎解きとリゾートの醍醐味が50/50で拮抗しているところが本作のミソだ。
各自、思い思いのリゾートファッションで島に降り立つが、中でもブランを演じるダニエル・クレイグが着るハイスエストのサファリスーツ、細く結んで首元にねじ込まれたスカーフの扱いは、この人物の研ぎ澄まされたセンスを象徴している。それは、少なくともファッションに於いて、クレイグがジェームズ・ボンドに続く当たり役を確かなものにした瞬間でもある。
そして、キラ星の如く登場するカメオ出演者たちの顔ぶれにも驚き、うっとりし、弔意を捧げる時間も用意されているので、集中力は最後まで途切れさせないよう願いたい。
前作以上にアイディアと趣向に満ちた快作
ジョンソン監督、お見事!そう声をかけずにいられないくらい、趣向がいっぱい詰まったエンタテインメントの幕の内弁当だった。序盤、ロックダウンの暮らしを描くくだりから、ちょっとした感情の起伏や宅配便を受け取るのにマスクを忘れて慌てて口元を覆う様子に思わず笑ってしまう。みんな日常に飢えている。名探偵でさえバスタブにPCを持ち込んで「Among Us」やっちゃうほど事件に飢えている。この映画はそんな共感から幕を開け、かと思えば、あれよあれよと言う間に前回同様、アガサ・クリスティ風の推理ドラマへと雪崩れ込む。しかしこの映画の本質は何かといえば、やはり「既存の型を踏襲しているようでそれを見事に突き崩している」ところにあるのだろう。随所で豪快俳優や有名人のカメオ出演に驚き、007とは異なるダニエル・クレイグの愉快な演技に笑みが止まらない。謎解き以上に魅せる大胆不敵な筋書きとケレン味に胸がスッとする快作だ。
馬鹿ども狂宴とモナリザの焼失
『007シリーズ』でジェイムス・ボンド役でお馴染みのダニエル・クレイグが、風変りな名探偵・ブノワ・ブランに扮して事件を解決する、ミステリー・シリーズ『ナイブズ・アウト』の第2弾。今回の事件現場は、ギリシアのエーゲ海に浮かぶ孤島が舞台。こうしたクローズド・サークル・ミステリーでは鉄板となる、曰く付きの個性豊かなメンバー・通称『馬鹿ども』が、ミステリー・ツアーと称してその島に集う。そこで起きた殺人事件の真相に、ブランが挑む物語。
IT企業を立ち上げ大富豪となったマイルズは、自分の別荘のあるプライベート・アイランドで、ミステリー・ツアーを開催しようと、嘗ての友人を招いた。その島には、タイトルともなっているガラス張りで玉ねぎの形をした、マイルズ自慢のグラス・オニオンが光り輝く豪邸が聳え立っていた。
招かれた友人というのは、州知事、科学者、ファッション編集長とその付人、インフルエンサーとその恋人、等、若い頃から共にそれぞれの夢を目指して歩んできた仲間。しかし、その招待客の中に招かれざる客として、探偵のブランと共に、マイルズと共に起業したが、マイルズに裏切られて会社を追放されたアンディーも含まれていた。何故この2人は、現れたのか…、最初の謎が浮かび上がる。
当初は、華やかな中に、和気藹々としたバカンスを楽しんでいたが、パーティーの飲み物を飲んだ後、マッチョマンのインフルエンサーが殺されてしまう。そして、その殺人事件のゴタゴタの中、第2の殺人事件が発生する。果たして、これらの連続殺人の犯人は…という第2の謎に、ブランの名推理が冴えわたる。実は、今回の事件は、数日前に起きたある女性の自殺事件に関わりのあり、ブランとアンディーが島を訪れた理由も明らかになって行く。
本作の物語の特徴は、前半部分では、事件に関わる様々に布石が散りばめられ、正直、それだけ観ていると辻褄が合わなかったり、良く展開が呑み込めなかったりして『?』が浮かんでくる。しかし、後半部分の謎解きシーンとなって、それまでの物語に隠されていた裏のシーンが映されて、全ての布石を回収していくと、「なるほど、そういうことか」と納得させていく演出が、ミステリーとしての面白さを高めていく。
出演者も、主演のダニエル・クレイグの脇を固める『馬鹿ども』役は、『インクレディブル・ハルク』のエドワード・ノートン、『ムーンライト』のジャネール・モネイ、テレビシリーズ『GOT』に出演したジェシカ・ヘンウィック、『ガーディアン・オブ・ギャラクシー』のデイブ・バウティスタ等に加え、チョイ役でイーサン・ホークやヒュー・グラント、テニスプレイヤーのセリーナ・ウィリアムズも顔を出しているのでお見逃しなく。
お金はかかっていたけど種明かしがシンプルだった
2回目視聴。やはり面白い。 ミステリー好きには、こんなのミステリー...
ある程度下調べしてから観た方が楽しめるかも…
名女優ジャネール・モネイが良く引き受けたなという印象の探偵映画。 ...
虚構の権威をぶっ壊せ
名探偵ブノワシリーズ第2弾。
富豪に群がるエセセレブたちの、密室系サスペンス。
果たして誰が犯人なのかを、二つ目の視点で時をなぞりなおしながら
突き止めて行く。
ただし予定調和はない。
人間関係のパワーバランスを読み解きながら、
明かされてゆく事実にどんでん返しが小気味よく、
そういえば犯人は単純明快なのに引きずり回されて二時間あまり、
誰が、どうなる? で楽しめた。
ラストは悪を倒して正義が勝つ、とも言い難い展開となるわけだが、
コロナ禍で世の中がモンモンとしていたせいか、
今回も最後は弱者が勝つ路線だからか、
徹底した「破壊者」ぶりにスカッとした。
それもこれもタイトルの「グラスオニオン」の破壊、
素晴らしいが空虚な物の破壊であるなら、
確かに世の中、虚構の権威はあふれているわけで、
スッキリするわな、とも思ってみる。
古き良きミステリーを現代風に。
座長ブノワ氏の出過ぎず、引っ込み過ぎずが完璧なエンタメ作品だった。
タバスコつけて泣くブノワ氏がなんだか可愛く、とんでもなく笑う。
冒頭から心を暴れた!
キューブの謎解きは、誰かここで殺されるのでなないかと、ドキドキしたよ。
ナイブズ・アウト2作目とあり、ダニエル・クレイグの名探偵ぶりが板に付いてきた。訛りの強いイギリス英語も味があって良いね。
昔からの仲間である8人が、ギリシャの豪邸に集まり、殺人の犯人探しゲームを行うという。一見、華やかで楽しそうなゲームの裏腹に、いろいろな確執が潜んでいる。途中、事件が起こり、そこから真実の回想が始まる。ここからが、伏線を回収するため、食い入るように見てしまった。
エドワード・ノートンやケイト・ハドソンなど豪華な俳優たちが出演している。他にも友情出演なのか、有名人が出てきてびっくり!
テンポよい展開で、見る者を飽きさせない。素晴らしいサスペンスドラマだ。
こういうミステリー作品とっても大好き
ノートンのムンクの叫び
遥かに楽しい!!①よりは・・・
名探偵再登場
グラス・オニオンは食えない
イーサンホークがほんのちょっとだけ出ていて、注意して見ていないとわ...
イーサンホークがほんのちょっとだけ出ていて、注意して見ていないとわかんない。マスクして消毒してとかも2040年とかに観たら、こんな時代もあったねぇなんて、懐かしむのかね。
舞台は最新なのにお話はミステリーの古いやつみたいで、それが良かった、わかりやすかった。
撃たれたあたり、だいぶ怪しくて、そんな風に古典的なのが来るとは思わなかったけど、死んでねぇだろなとは思ったよ。ラストはド派手。
最高の娯楽映画
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