劇場公開日 2023年6月16日

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「あっちとこっち」忌怪島 きかいじま kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0 あっちとこっち

2025年10月19日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 ついに清水崇ホラーワールドはVRの世界へ。などと、『呪怨』シリーズから『村』シリーズ、そして『ウタ』シリーズへとチャレンジ精神旺盛な監督の精力的な一面を感じる。駄作が生まれようが決してそれは失敗ではなくて、ホラーというジャンルに果敢に挑んでいる面白さというものじゃなかろうか。

 呪怨にしても時空を超えた霊の存在を見事に描いていたし、こっちの世界の人間とあっちの世界の悪霊を量子力学ホラーともいうべき形で展開させた。そして、時空を超える霊の存在を今回はVRという最新のモチーフで描いた作品だったのだ。元々ホラー作品は過去の事件を暴いたりして、時代や空間を交錯させるものが多いけど、SFっぽくはないんですよね。

 沖縄県と鹿児島県で活躍する「ユタ」という霊媒師。島全体をVR化しようとする「シンセカイ」のメンバーたちだったが、チーフの井出が不可解な死を遂げたり、バグが起こったりした事件の後に、天才脳科学者・片岡友彦が島にやってくる。何か足りないと気づいたときに、ユタの森トキばあさんの脳波をデータ化にチャレンジする。やがて、世話係をしていたジャミセン弾きのシゲルじいさん(笹野高史)も絡んできて・・・という展開だ

 結局は「イマジョ」のタタリをメインにしたムラ社会をも風刺した作品にはなっていましたが、どうも結末が曖昧。この余韻を残したのはいい効果だったと思うのですが、いくらでもシリーズ化できる内容でした。そのうち、全国の怪しいムラの伝承が壮大にリンクして、悪霊大戦争みたいな清水崇ホラーワールドが炸裂することを期待して、今日は寝ることにします。

kossy
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