「【”あの世と、この世。島に遺された様々な恨みと哀しみ。そして、村八分になっていた孤独な老人が働いていた場所・・。”突っ込み処は多数あれど、民間伝承と絡めた土着ホラーは怖いです。】」忌怪島 きかいじま NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”あの世と、この世。島に遺された様々な恨みと哀しみ。そして、村八分になっていた孤独な老人が働いていた場所・・。”突っ込み処は多数あれど、民間伝承と絡めた土着ホラーは怖いです。】
ー 序盤は、ある島(登場人物達の言葉から、沖縄諸島と推察)でVR研究をしていた”新しい世界”にある並外れたヴァーチャル技術を持つ青年(西畑大吾)がやって来るところから始まる。
イキナリ、”新しい世界”の女性リーダー(伊藤歩)が、島で孤独に暮らしていた実験の協力者の男と共に、殺される辺りは”相変わらず、粗いなあ・・。”と思いながら観賞続行。-
◆感想
・物語の設定は、VR研究をしていた”新しい世界”(あの世)に居た、且つて金持の家で働いていた使用人(奴隷みたいな感じ)”イマジョ”(島の人々に酷い目に遭わされ、最後は紅い鳥居に鎖で磔刑のように息絶えた。で、島内で怪死が相次ぐ。)が、VR研究をしていた若者達の実験に乗じ、この世にやって来る・・というお話。
ー もう、これだけで怖い。-
・そして、VR研究でひっそりと働いていた村八分になっていたお爺さん(笹野高史)を只一人、こっそりと陰ながら助ける娘。
ー お爺さんの狂ったように男漁りを始めた、母親の事を語る年老いた老女の巫女(シャーマン)のシーンの辺りから、海水がひたひたと満ちてくるように怖くなる。お爺さんが”新しい世界”で雑用係を務めていた理由も明らかになる。-
■そろそろやめて欲しい、ホラーあるある。
・”ドーン”とかイキナリ音(雷とか)で驚かすシーン。
(ビクッとするじゃない!前の席、蹴りそうになるじゃない!)
・遠くの方で微かに笑う人。
・殺される人の順番が何となく分かっちゃう・・。(今作で言うと、才能に劣る”新しい世界”メンバー(水石亜飛夢:頑張って欲しい人。))
なんていうシーンもあるが、そこは寛容に観たいモノである。
・”人と関わらない仕事を・・。”と言っていた青年が、”イマジョ”に水に引き込まれた仲間を助けるために、VR世界に乗り込んでいくシーンも、ハラハラしながら観賞。良い奴じゃん!
ー 哀しきウンディーネ・・。-
<今作は、哀しくも忌まわしき民間伝承とVR世界を上手く結びつけた作品であると思う。
再後半、村八分に遭っていたお爺さんを密かに助けていた女子(當真あみ)が、海の中の紅い鳥居に向かって哀し気に三線を弾きながら歌い、海の中に入水するシーン。
成程、彼女は”イマジョ”と関係(酷い目に遭った際に出来た水子とか・・。)があったのだろうなあ・・。>