ザ・ホエールのレビュー・感想・評価
全244件中、21~40件目を表示
人間は過ちを犯す…
普通に考えたら、勝手に娘を捨て恋人の所へ立ち去った親として最低な行為をしておきながら、死期が近づいたら、娘と会いたくなり、教育に口を出したり、幸せを願うなんてことには全く共感できない。しかし、恋人の死を守れなかった自責の念、妻子を捨ててしまったことへの自責の念、それらが積もり積もって、助からないほど肥満症になってしまった、ある意味哀れな男の最期の望み、自分が悪いことは重々分かっている、後悔してもしきれないが、人生にうまくいっていない娘を案じ、元気付けたい、娘に大丈夫だよと伝えたい、という理屈ではない親の愛を感じた。彼を支え続けたリズが最期を看取れないことが一番可哀想だと思う。
確かにアカデミー賞受賞の部門的には頷けるが…
本作は個人的にはあまり好みではなさそうだったので敬遠してきたが、第95 回アカデミー賞3部門ノミネートで主演男優賞とメイクアップ&ヘアスタイリング賞受賞との高評価を受けたということで鑑賞。
高評価とは失礼ながら少々意外だなと思いつつもちょっと期待して観てみると、ファーストインプレッションとほぼ変わらず残念な印象。重いテーマを安共同住宅の一室内でほぼ会話のみで展開しているため、とにかく観ていて気が沈む。皆の闇がこの一室に吹き溜まる感じがして、観るにつれ苦しさ募る一方だ。
もちろんアカデミー賞受賞受賞の部門的には何となく頷けるものの、どこか釈然としない。
この陰鬱さがウリなのかも知れないが、いずれにしても映像や音楽等で、もう少し凝った創りにできなかったものだろうか。どうにも観ていて救われない。
何に焦点があたってるの、、?
鯨
エッセイ
宗教
ゲイ
肥満
ピザの配達員
死
窓目の鳥
10年ぶりくらいに会う娘
離婚以来に会う元嫁
まー色々バラバラすぎて、、、、、
退屈すぎた
正直、演技が下手すぎ、、、
間のとりかたとか目玉の動かし方とか演技初心者?ってかんじ。雑だし大袈裟すぎだし初心者の演技にありがちなオーバーな仕草だったり。
うまくいえないけどアフターサンのようなゆるい中でも芯のある表情、とかできないのかな。
扉から出ようとする人が呼びかけたら止まってくれたり、演技もありきたりだし
ムスメの顔に似合わず宗教のトーマスに対してばりばり無茶な下ネタぶっこむし、しかも全部「冗談よ」とか言って。。言動とか一見不良そうにみえるけど、大麻吸ったりレイプだのなんだのぶっこんでくるけど、見た目はちゃんと不良になりきれてないフツーの女の子。
不良役が似合わない。
不良にするんならもっとちゃらちゃらした悪そうな外見にしてあげてー
不明点↓
???という点
罪と罰とセルフネグレクト
どこかでドストエフスキーの「罪と罰」につながっているような気がしてならない。
自罰感情、セルフネグレクトと思しきいきさつにより主人公は
ひどく健康を害している。
許すも許さないも、救うも罰を与えるも、
犯した自らの間違いをどう解釈しなおすかにかかっている。
だがとうてい正当化することは出来ず、
他者を拒み、許されぬなら神もまた存在せず、事態は悪化の一途をたどる。
この、自らして許しがたき罪と、際限ないセルフネグレクトという罰。
近所のばあさんを殺め、あれやこれやと神経をすり減らせ、
思案にあけくれたラスコリーニコフをどこか連想させてならなかった。
そうしてもう後戻れない底なしの沼の中を死に向かって溺れ行く中、
主人公の一縷の希望となったのは娘であり、その娘がもたらした偽宗教家の顛末だった。
だからしてすでにセルフネグレクトの傾向がある娘へ、必死に肯定的な言葉を投げかけ立ち直らせようとするが、
これを最後まで身勝手、自己満足と取るのか、
出来る限り最大の優しさと取るのか、
とても複雑だと感じている。
苦悩のまま終わりを遂げる。
一部始終に付き合い、見せつけられる方も容易ではない。
ならどうすればよかったのか。
自罰感情から当人も周りも救うこと。
それは神などではなく、それでも互いが許し合うことの難しさを考えさせられた。
これも重い
今夜(2024/11/02)観ました。
ダーレン・アロノフスキー監督らしさを全面に感じさせる哀しい作品です。
極少数のキャストはいずれも精鋭で、このキャスト以外にはこの作品の大成は成し得なかったと思います。
主演のブレンダン・フレイザーの演技力は、細かな目配せを始め、絞り出す様な声の出し方、本当に苦しそうな息遣いや咳き込み方など、どこを観てもケチの付け所がありません。
娘のエリーを演じたセイディ・シンクは思春期反抗期丸出しの生意気な小娘を見事に演じ、本作の暗い雰囲気に、良くも悪くも明るさや色味を与えてくれています。
義理の娘のリズ、チャーリーの元妻のメアリー、宣教師のトーマス、ピザ屋さんのダンはちょい役でしたが、誰もが魅せ場があって、少しだけ長く感じましたが目が離せませんでした。
アロノフスキー監督らしい辛くて痛くて苦しくて悲しい映画ですが、惹きつける魅力を備えている作品で、スマホも弄らずに集中して観る事ができました。回想シーンに頼らない観せ方に脱帽しました。
重いコンセプトですが価値ある作品です。頭から尻尾まで没頭して観てください!
想像していたものと違った
傲慢
あの子は邪悪
罪と罰と贖罪と救済‼️
ちょっと難解なイメージのあるダーレン・アロノフスキー監督作にしては、大変わかりやすい罪と罰と贖罪と救済の物語‼️妻子を捨て、ボーイフレンドのアランとの生活を選んだチャーリー。しかしアランは亡くなり、そのショックで過食と引きこもりで健康を損ない、体重は272キロへ。自身の死期が近いことを知ったチャーリーは、死ぬ前に娘エリーと和解しようとするが・・・‼️妻と娘を捨て、愛する人は亡くなり、健康を損ね、娘と和解、思い残す事なく昇天‼️自らの全てをさらけ出し、娘のもとへ一歩、また一歩と一生懸命歩くチャーリー‼️そして光に包まれて昇天していく姿はなかなか感動的‼️やはりブレンダン・フレイザーの狂気がかった演技は素晴らしいの一言‼️そして容赦なく父親をなじるエリーとチャーリーの関係を、「白鯨」のエイハブ船長とモビーディックに例えた着眼も素晴らしい‼️そして宣教師の若者の罪と罰と贖罪と救済の物語でもあります‼️人は誰でも罪を犯し、罰を受け、償い、許しを得る‼️ちょっと宗教的ではありますが、考えさせられるテーマですよね‼️
人は誰かを救えない
A24、こうきたか。
救いはある。
もう食べないで
まさに、体張ってオスカー受賞。
ブレンダン・フレイザーの演技すごい。
リズ役のホン・チャウもよかったな。
でもなんだか、つらい映画。。
誰かをものすごく愛することは素敵なことなんだけど
白鯨の感想文を書いたの恋人だと思ってたよ。
まさか娘だったとは。。
天才か。
ここはめっちゃ泣いた
過ちと救い
ちょっと難しい映画なのかもしれませんね、これ。私も拾いきれてないですが、凄く良かったです。
ブレンダン・フレイザー。誰?と思ったらハムナプトラの人だったんですね!(映画に疎くて本当にすみません…)本作でアカデミー主演男優賞を獲得した彼も他の役者さんも、全員が素晴らしかった!セリフ一つ一つの重みを感じながら、迫真の演技に目が離せませんでした。
それにしてもこの主人公、チャーリーを取り巻く憎しみや嫌悪感には、若干吐き気すら覚えるほどおぞましいものがあります。自身の行動が招いた結果だとしても、観てて辛くなります。かと言ってチャーリーに感情移入出来るかと言われると…うーん。どうやらこの映画、そういう見せ方はしていないのかも。あえて主人公を観客から突き放しているようにも思えます。
宣教師が現れ「救済」を訴えますが、これをチャーリーは拒みます。この「救済」を拒むチャーリーの姿勢は一貫しており、それは病院へ行かないことも同様で耳を貸しません。自身が救済に値しない人間であることを自覚しているかの様な振る舞い。娘に渡すお金を貯めるためでもあるのでしょうが、私はそれ以上の意味を感じました。
人生でたった一つだけ正しいことをしたと信じたい。しかし、その願いすら叶わないとしたらどれほどの絶望でしょうか。徐々に彼の精神は崩壊していきますが、最後の最後で救われるのです。
最後のシーンは本当に素晴らしいです!今まで暗く重苦しかった部屋に光が差し込み、エリーがエッセイを読み、歩けなかったチャーリーが歩き出し、エリーが一瞬だけ見せた笑顔を見て昇天するチャーリー…この一連の流れ。お見事としか言いようがありません。
さて、エリーのエッセイの題材は「白鯨」ですが、私は「鯨すげー船長すげー」くらいしか覚えてません(笑)なのでチャーリーに「白鯨」を投影しているのか?チャーリーとの共通点は?などはよくわかりませんでした。
暗い部屋での対話がメインの映画ですが、素晴らしい演技に引き込まれました。「白鯨」を読んで人生を考えることはありませんでしたが(笑)この作品には考えさせられました。
キモすぎる
神とは?
偽宣教師としてやってきた彼、原作ではニューライフではなくモルモン教だとのことですが、宗教の果たす役割や必然性も考えさせられる作品でした。
世界で一般的に言うところの宗教は、日本人には馴染みのないものなので、ストンと理解はできないですが、もし正しい宗教があるとしても、それを信じ広める人の言動、捉え方、欲望や時代に依って、いくらでも変貌していくものなのでしょうね。
過ちや嘘だらけの人生。残酷で不確かなものだらけの世の中です。だからこそ「絶対だ」と確信できる神仏を信じ、すがるのでしょうか。
自分自身の人生を振り返ってみると、主人公と同じように「人生でたった一つだけ正しいことをした」と言えるものを心の何処かで欲している気がします。それによって安心したい、穏やかになりたい、安らかに死んでいきたいと……。
これが脚本家の体験を元にした作品だと知った時は、驚きとともに妙に納得した部分もあります。脚本家は、主人公と違って過食症を乗り越えたと知って安心しました。
宣教師が神に導かれてやってきたのと同様、ブレンダン・フレイザーが主役として抜擢されたのも、神に導かれたのかも知れません。主役を誰にするか悩みに悩んだそうですし、彼がこの役のおかげで役者として復活できたそうですしね。
色んな意味でこれがアカデミー賞を取ったのは良かったです。取れるだけの素晴らしい演技でもありました。4時間もかけての特殊メイクや重たい肥満スーツの着用だけでも大変ですが、あのまま歩き、シャワーを浴び、物を拾い、演技する。想像を絶します。ぎっくり腰になって観た作品なので余計にその辛さが伝わってきました。
同じ監督の作品「レスラー」も是非観たくなりました。
情が湧き起こってくる
器具が無いと立ち上がれないほどの極度肥満のチャーリーを、友人で看護師のリズが面倒をみている。8年前に彼はリズの兄アランと一緒になるために、妻子と別れていた。しかしアランの死が原因で、今の体になってしまっていた。もう先が長くないチャーリーのもとに、8歳で別れた娘エリーがやってきて。
同性愛のために妻子の元を去ったチャーリーに対し、エリーの許せない気持ちはわかります。ストレスのために、ここまで太ってしまったことも共感できない。しかし物語の終盤まで来ると、チャーリーに対する憐憫の情が湧き起こってくるのが不思議でした。そして大事にしていた「白鯨」の感想文で、「人生でたった一つ正しいこと」とチャーリーはまさしく浮かばれる。アメリカでも、浮かばれると言うのか。
特殊メイク前を見るとブレンダン・フレイザーは、ずいぶん肥えたんだな。
なんとも言えない終わり方
一言でいうと巨体のおとこの死ぬまでの1週間の映画だ。
まず,舞台は主人公の男の部屋のみ。
登場人物も,ごく少ない人数に絞られている。
正直,ここまで太る理由が,恋人の死だけだと言うのもあまり納得できない。彼が原因の一つならまだわかるが、そういう話ではなかったと思う。
恋人が死んでからは、捨てた娘のために貯金して医者に行くことも拒否したと言うけれど、娘や元妻が望んでいたことはなんだったのだろう。そういう相手の思いがあまり表現されてない。
娘が恨み事を言うためか,彼の元に通ってくる。
その噛み合わない会話も痛々しい。
結局落第しちゃったのかな。
最後に,タイトルのクジラの如く,苦しみに耐えながら立ち上がり,娘のところに歩いてくる。この役者の演技は,迫力と悲壮感に溢れていて圧倒されたが、ストーリー的にはあまり入り込めなかった。
全244件中、21~40件目を表示