エッフェル塔 創造者の愛 : 特集
恋人が理由を告げずにいなくなった。数年後、再会した
彼女は結婚していた…「博士と彼女のセオリー」「タイ
タニック」好きは絶対ハマる、エッフェル塔誕生の
背景にあった【究極の逆境ラブストーリー】
この物語の魅力に気づいてしまったら、もう目が離せなくなる――。
3月3日から公開される「エッフェル塔 創造者の愛」は、良作を探し求める人々に強くおすすめしたい一本です。
映画.com編集部が実際に鑑賞し、「ユーザーの皆様に映画館で鑑賞してほしい」と感じた今作。その理由は、大きくわけて3つでした。
①:かつての恋人と再会…心つかまれる“逆境のラブストーリー”
②:「博士と彼女のセオリー」「タイタニック」を彷彿させる鑑賞後感
③:未来の“大スター”女優と、海外の絶賛
あのエッフェル塔(フランス・パリ)が誕生した背景には、知られざる“愛する人への想い”があった――?
美しく、切なく、感動的で、そして気づきに満ちた映画体験。本記事ではそんな「エッフェル塔 創造者の愛」の魅力に迫ります。読めばきっと、映画館へ行きたくなる。
【ただのラブストーリーじゃない】究極の“逆境”展開
映画ファンに観てほしい理由は[物語・意外性・学び]
今作最大の特徴は、ただのラブストーリーではなく、“究極の逆境ラブストーリー”である点です。主人公は、エッフェル塔を設計したギュスターヴ・エッフェルです。
●[逆境の恋愛物語]
主人公は恋人と引き裂かれる 数年後、彼女は結婚していた
エッフェル塔だけが見ていた、運命に引き裂かれた恋の結末――。
アメリカの自由の女神像の完成に協力したことで名声を得たギュスターヴ・エッフェル(演:ロマン・デュリス)は、「パリ万国博覧会」のシンボルとなる塔の制作を政府から依頼される。
だが、塔の倒壊を恐れる住民や、景観破壊を主張する芸術家たちが反対運動を巻き起こし、建造は中止になってしまう。
栄光の頂点から絶望へと突き落とされたエッフェルの前に、かつて激しい恋の果てに彼の元を去ったアドリエンヌ(エマ・マッキー)が現れる。しかも彼女は、エッフェルの友人と結婚していた……。
●[意外性に満ちた事実]
あのエッフェル塔誕生の背景に、愛する人への想いがあった
誰もが知るエッフェル塔ですが、その誕生の背景にこんな物語があった(かもしれない)という意外性が非常に興味深いです。
パリで再会したエッフェルとアドリエンヌ。エッフェルは、幸福だった過去のボルドーでの恋を回想します。これ以上愛せないというほど愛したあの日々……。
瞬時に、回想は現実に引き戻されます。エッフェルは塔の図面と格闘していたことに気がつきます。アドリエンヌへの断ち切れぬ未練。思い出は人の身体を内側から温めてくれますが、同時に身体を内側から激しく切り裂いていくのです。
だからこそ、エッフェルは塔の完成に執念を燃やします。アドリエンヌという引力から逃れるように……そして、未練は彼女も同じでした。
手を出してはいけない恋。エッフェル塔建設の逆風。世間からのバッシング……数々の逆境と意外な展開が重なり、観客に豊かな映画体験を与えてくれるのです。
実際に観て、優れたロマンスが全体を貫いており、切なく感動的で満足度は極めて高かったです。鑑賞してよかったと、強く思えた一作です。
●[学びにあふれた描写]
エッフェル塔の建設方法が興味深い…パリの印象がガラリと変わる!?
“エッフェル塔の建設方法”にも驚きがあり、学びにもつながって……ロマンスもとてもよかったのに、それ以外でも期待を超えてきて、非常に満足度が高かったのです。
そもそも、「どうやってエッフェル塔を建てたのか?」など考えたこともありませんでしたが、これが映画を通じて観ると「嘘でしょそんな手法で!?」とびっくり。
そして建設に猛バッシングがあったことも初めて知りましたし、周囲が塔の建設に「ノートルダム大聖堂より高い建物は宗教的に論外」と反対していたなど、「なるほど~!」と知的好奇心を満たしてくれる瞬間も多々ありました。
まるで「半沢直樹」「下町ロケット」などの池井戸潤作品のような、ビジネスにおける逆境と、プロフェッショナルたちのアツい生き様がスクリーンに焼き付けられています。これに上述の逆境ラブストーリーが重なることで、ほかにはない感情を呼び起こしてくれるのです。
また、エッフェル塔が建設された“意味”にも触れ、胸を熱くするような事実を教えてくれます。エッフェル塔はただの塔ではないのです。フランスはここまで素晴らしいものを造ることができる……そう誇示し、戦争で深く傷ついた国民に勇気と活力を与える、国家的なプロジェクトだったという事実が、物語により複雑な面白さを付与していきます。
まさに、今作を観ればエッフェル塔への印象はもちろん、パリという街、フランスという国への見方も大きく変わることでしょう。既存の価値観を覆してくれる――それは優れた映画の条件でもあるのです。
【こんな人に強くおすすめ】「博士と彼女のセオリー」
「タイタニック」好きは絶対に楽しめる!
もっと今作の魅力をわかりやすくイメージしてもらうために、“鑑賞して得られる感情”がよく似ている作品をご紹介していきます。
ここで何がいいたいかというと、「これらの映画がどれかが好きなら、今作も高い確率で気にいるはず」ということ。観てみようか迷っている人は、ぜひ参考にしてください!
●「博士と彼女のセオリー」
演出と画作りがよく似ていて、主役2人の演技で作品の格が一段も二段も引き上げられている、という点で共通。物語の展開は鏡合わせ(逆パターン)のようでもあります。
物理学の天才スティーブン・ホーキングは、詩を学ぶ女性ジェーンと出会い、恋に落ちる。しかし、直後にスティーブンはALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症。それでもジェーンはスティーブンと生きると決め、難病に立ち向かっていく。
●「タイタニック」
こちらも演出と画作り、演技と物語展開に共通点が多くあります。「タイタニック」の物語やキャストはもはや説明不要でしょう。ジャックとローズの恋愛を目にした人ならば、今作「エッフェル塔 創造者の愛」もきっと楽しめるでしょう。
●「華麗なるギャツビー」(1974、2013)
物語に共通点があります。かつての最愛の人と再会した主人公。彼女はもう結婚している。再び惹かれ合うのを“夫”の存在が阻む――この展開にグッときたなら、ぜひ鑑賞を!
ダコタの農家に生まれたギャツビーは、第1次世界大戦中にデイジーという女性と出会い恋に落ちる。しかしギャツビーがフランス戦線へ送られた後、デイジーはシカゴの富豪と結婚。帰国したギャツビーはその事実を知り苦しむが……。
●「ミッドナイト・イン・パリ」
パリが舞台の作品に心惹かれる、という人は無条件におすすめ。舞台は19世紀後半と20世紀と、やや隔たりはありますが“かつてのパリ”を描くという点でムードが非常に似ています。
売れっ子脚本家の主人公ギルは、パリへの出張中に不思議な空間に迷い込む。そこは、あこがれていた作家ヘミングウェイや、画家ピカソらが生きていた“1920年代のパリ”だった……。
【すでに絶賛の嵐】「他に例のない格別の作品!」
“未来の大スター”エマ・マッキーの輝きも圧倒的!
最後に、映画.com以外のメディアの評判を紹介し、さらに“絶対に注目したほうがいい俳優”について激推しし、特集を締めくくっていきましょう!
●[抜群の品質]海外メディア絶賛「眩暈がするような人間叙事詩」
芸術の国であるフランス。なかでも映画を観る目が肥えているメディアは、今作をどのように評価しているでしょうか?
「眩暈がするような人間叙事詩」「驚くべきラブストーリー」――GALA
「息を呑むようなラブストーリー」――マダム・フィガロ
「稀有な野心に満ちた素晴らしい商業映画」「他に例のない格別の作品」――プレミア
魂が震えた様子がとてもよく伝わるコメントの数々!
また、辛口で知られる映画批評サイト「Rotten Tomatoes」では、観客評価で89%支持と非常に高水準! つまり絶賛が集中しているということなので、鑑賞してきっと損はないはずです。
●[キャストの輝き]ロマン・デュリス×エマ・マッキー
“未来のメリル・ストリープ”の才能開眼! 大スクリーンで堪能して
エッフェル役で主演したのは、「真夜中のピアニスト」でリュミエール賞の最優秀男優賞を受賞したロマン・デュリス。労働者階級出身の男が、自らの努力で人生を切り開いていく姿を情熱的に演じています。
さらにアドリエンヌ役を演じたエマ・マッキーは、特に注目したほうがよいでしょう! Netflix「セックス・エデュケーション」のメイヴ役で世界的な注目を浴び、「ナイル殺人事件」のキーパーソン、ジャクリーン役でも存在感をみせた新星です。
マッキーの演技、そして強い意志をたたえた深い眼差しを通じて、彼女らはなぜ別れなければならなかったのか、何が再会を阻んだのか、悲恋の謎を紐解いていきます。
「エマ・マッキーが光輝いている」――ELLE
「ロマン・デュリスとエマ・マッキーは粋で華やかなカップルを披露」――マリ・クレール
「エマ・マッキーは文字通り極めて刺激的」――プレミア
今作プロデューサーのバネッサ・ファン・ザイレンは、エマ・マッキーについて「未来のメリル・ストリープが見えた」と太鼓判。ロマン・デュリスも「エマはすべてを備えた演技をする」と激賞しています。
現在、すでに人気が高いマッキーですが、今後トップスターになることは約束されたようなもの。その才能が開眼する瞬間が今作には焼き付けられています。
その意味で、今しかないこの輝きを大スクリーンで堪能できる=今、映画館で観るべき作品でもあるのです。