エッフェル塔 創造者の愛のレビュー・感想・評価
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2本のストーリーラインを積み上げて頂点に導く、塔建造の映画にふさわしい様式美
ギュスターブ・エッフェルはパーティー会場で友人のレスタックから妻アドリエンヌを紹介される。2人は驚いたように見つめ合い、しばらく言葉を失う。初対面を装うが、ほどなく2人には過去に何かあったことがわかりやすくほのめかされる。
ギュスターブがパリに300メートルの鉄塔を造ると宣言してから、幾多の苦難を乗り越えて遂に完成させるまでが第1の筋。そして、ギュスターブとアドリエンヌの過去の出会いから2人の恋愛の行方を時系列にそって回想するのが第2の筋。この2本のストーリーラインを交互に積み上げ、やがて合体させてピークに至る物語構成は、塔建造の映画にふさわしい様式美と言えるだろう。
アドリエンヌ役のエマ・マッキーの意志の強さを思わせるシャープな顔立ちと、アドリエンヌの娘クレールを演じた柔和な雰囲気のアルマンド・ブーランジェ、2人の女優の好対照もいい。クレールとその夫の話がもう少し語られてもよかった気がする。
塔建造の経緯や背景を紐解く”きっかけ”として面白い
あのフランスのシンボルとも言うべき鉄塔はいかにして建造されたのか。そんな主題を紐解くだけでも「プロジェクトX」のようで知的好奇心が掻き立てられる。しかしタイトルに「愛」の一文字が浮かんでいることから分かる通り、硬派なヒューマンドラマを期待するとしっぺ返しをくらう。あくまで秘められた恋をめぐるラブストーリーとしての観点から映画が綴られていくので、エッフェル本人の夢とか希望に打ち震える感動の展開ではなく、意外と物語がこじんまりとまとまってしまう部分はあらかじめ覚悟しておきたいところ。ただ、階級の差であるとか、資本家と労働者、技術的な革新、戦争からの復興などの様々な”橋渡し”的使命を持って、このシンボルが足元の地盤から強固に形作られていく映像は非常にダイナミックだし、この国の近代史を投影した意味合いも多分に読み取れる。本作をあくまで”入口”として、自分なりの興味関心を深めていきたいところである。
「エッフェル」が創造者の名前であることを初めて知った。 市民の反対...
「エッフェル」が創造者の名前であることを初めて知った。
市民の反対や資金難を乗り越えてフランスを象徴する建造物が出来上がった過程には見入ってしまった。
その裏には様々な事情で仲を引き裂かれてしまった男女の物語があったと。
関係ないが、1800年代のフランスに椅子取りゲームがあったのだな。
エッフェルとエッフェル塔
天才的な技術者というだけでなく、
ピンチの時や大事な時の決断力と行動力、
他人の命を大切にする思いやりの心を持ち、
みんなを納得させてやる気にさせて
物事をやり遂げるリーダーシップ。
これが本当なら、
エッフェル、人間として憧れます。
今やパリのランドマークで
世界の人が知っている
エッフェル塔ですが
その完成までには数々の困難があり、
エッフェルの屈服しない強い気持ちがあったからこそ
現在がある。
いつかのぼる機会があれば、
この映画のいくつかの場面を思い出すことでしょう。
エッフェルさんが造った塔がエッフェル塔!
今まで知りませんでした。ワッフルとかの仲間か何かだと思ってましたね。。
エッフェル氏の恋愛が半分、塔の建築が半分といった内容かな。
元恋人で両親の反対で破局した女優さんがすごい美人で、恋愛パートもなんとなく見れるんですが、建築技術がすごくて、砂を使って高さの調節したり、地下の基礎工事で溜まった雨水を空気圧で押し出すとか、人が命綱なしでぶら下がって作業してたり、エッフェル塔建設の過程が面白かったです。
ラストは悲しい別れがあるんですが、仕事が上手くいき、子供もたくさんいて、これ以上の幸福はいらんでしょって思いましたね。
あれだけのものをほぼ人力で作り上げたことが凄い
19世紀半ば、日本では大日本帝国憲法制定直前。ギュスターフ・エッフェルと結婚には至らなかったがお互い愛し合ってたアドリアンヌとの悲恋を交えながら描く。ブルドーザーもクレーンもなくようやく馬車に毛が生えたような自動車が走り出した頃、ほとんどを人力と馬の力で作り上げていくシーンは圧巻であった。願わくばもう少し建設中や完成した瞬間のシーンが欲しかった。
桜の下には死体が ―というが、エッフェル塔の下には愛が埋まっている。
大作映画「タイタニック」で、
ローズ(ケイト・ウィンスレット)は
「男たちって大きい物が好き」。
「大きな客船や戦艦を造ることに夢中になるのよねー」と冷ややかに言い放っていたっけね。
技師アレクサンドル・ギュスターヴ・エッフェル。
彼は恋人アドリエンヌと、そのアドリエンヌを奪った夫(=新聞記者アントワーヌ)を前にして、虚勢を張って、
「世界一高い300mの塔を建ててやる」と、男の常=見栄で 宣言してしまったという物語。
パリ万博のシンボルとして建てられたエッフェル塔。
これは散々なる非難と中傷に見舞われた塔なのだ。
フランス中の文筆家・芸術家たちは錚々たる連名で、新聞ル・タン紙で抗議文を掲げ、
モーパッサンのこんな辛辣な嫌味さえ残っている
「ここ(=塔の1Fのレストラン)がパリの中で、いまいましいエッフェル塔を見なくてすむ唯一の場所だ」と。
建築費の4分の3はジャン・エッフェルが私財を投げ打ち、借金をして竣工にこぎつけたのだそうだ。苦労の結晶だ。
フランス政府に移管されるまではその名の通りこの塔はエッフェル氏本人の なかば私物であり、彼は入場料収入を借財の返済に当てていた。
叶わぬ恋でありながら、アドリエンヌを想うエッフェルの昼の、夜の、そして朝の横顔が美しい。
仕事に全てを賭ける男と、訪ねてきた女の、足場の上での逢瀬が美しい。
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思い出が、
エッフェル塔には、僕には思い出がある。
痛い思い出だ。
身重の妻を国に置いて、仕事に失敗していた僕はフランスに遊びに行ったのだ。
「気晴らしと療養のためにちょっと旅に出てきなさいよ」と僕を送り出したのは妻だった。
塔の展望台で日本への絵葉書を書き、七月の風に吹かれながら やおら手すりから下を見下ろすと、はるか下界の緑の原に、若者たちが座ったり寝そべったりして夏の陽光に当たっているのが点のように見える。
芝生に大きな「字」が見えた
JE T'AIME MARIE
どこかの若者が爪先で芝生を削って、夜のうちに字を作り、
翌日ガールフレンドを伴って、胸を高鳴らせながらここに登ったことは間違いない。
旅に出してくれたことの礼と、この JE T'AIME MARIE のこともハガキには書いた。
「A」型に、オーバルに裾を広げるエッフェル塔の優雅な塔脚。
この塔脚の繊細な鉄骨の中を斜めに昇ってゆく不思議なリフト。
入場券売り場でチケットを買った。
リフトを待つ列が進むと係員がそのチケットを客から回収してしまうのが見える。
おっと!もったいない。
Souvenir OK?と訊いたら、ニコリともせずに紙に破り目を入れて返してくれた。
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この映画は史実を土台にして、建築作業の進行と、塔の立ち上がりと共に燃え上がってゆく三人の愛の物語を、同時に重ねて撮られている。
そして塔は完成したけれど、親友の人妻になってしまったかつての婚約者=アドリエンヌとの再会が、とても哀しいのだ。
今日の映画館、塩尻市の東座は、暗い館内にフレグランスが甘く香っていた。ジャドール辺りだろうか。
思い出が甦ってしまう。
フランスのラブロマンスは胸が刺されるから耐まらない。
いつもは映写室からすぐに出てきてくれる合木さんも何故かきょうは顔を見せてくれなかった。
時が経ち、
僕は あのパリ土産のチケット片はどこかに紛失(なく)してしまったけれど
その後再婚したかつての妻。そして独りの僕。映画のようにばったりと出会ったりすることって あるのだろうか・・。僕は彼女の御夫君の前で、J・エッフェルのように強がりのひとつも言える虚勢と、そして何かをやり遂げる意地とか実力を持っているだろうか。
「MARIE」は、偶然だがあの人のニックネームだった・・
パリのエッフェル塔の存在は、僕にとっては残念な男の、
遥かに遠くて、残念な男の、
記念の碑 (いしぶみ)なのです。
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19世紀の建築技術に驚愕
よく考えたら世界の超有名ランドマークで建築家の名前が付いてるのはエッフェル塔くらいじゃないか。(私ゃ塔の立ってる場所の地名かと思ってたよ)。改めて、19世紀に東京タワーに匹敵する高層建築をぶっ立てたことに驚きを禁じえない。砂や人力を使った微調整で基礎の繋ぎ目を合わせるのだからスゴイ!19世紀の欧州人はモノリスでも触ったのか…。アドリエンヌとの逸話は史実なのか分からないが。できれば建築秘話にもっと時間を割いて欲しかったかな。多くの芸術家がパリの美観を損なうと猛反対した下りなども含め。親の反対は身分の違いによるものだったのだろうか。だとしてもそのために住み慣れた土地を捨てたりするものか?またその後娘を勘当してしまう辺りも良く理解できない。恋愛パートは少し消化不良気味。
美しい終わり
いくつかの「愛」を感じる映画です。
100年以上前という設定で、ヒロインが自分で決めたこと、主張するシーンは好感をもてました。
この映画の良さは恋愛シーンより主人公のリーダーシップかと思いました。
男らしさを感じるシーンは多いけれどちょっとロマンチックなシーンに違和感を感じざるを得なかったかな…
下町ロケットのような泥くささ、阿部寛が浮かんできます。(主人公の顔が濃いからかな)
女優さんが可愛い
大人になってから
エッフェル塔大好き❤になり今回の映画
大満足。パンフも購入!
学生の頃、凱旋門見たから
エッフェル塔は、
東京タワーと同じだからと
パスしてたことが悔やまれます
何事も、初めの一歩した人が苦労山積みなんですね!
Aの塔
フランスはパリのシンボル、エッフェル等を建てた人物と、それまでの苦難や恋模様を描いた作品。
世界的に有名な建築物に関してもあまり詳しくないワタクシですが、なんとエッフェル氏、自由の女神の建造にも関わっていたんですね。
そんな事実にも驚かされつつ、その実績から万博のコンクール出場を提案され、高さ300m前代未聞の塔を建てると言い放った男の物語が始まっていく。
どこまでが史実かわかりませんが、エッフェル塔完成までの道程にロマンスを織り交ぜた展開になっていますね。労働者の為に地下鉄を‼…と立派なことを言っていたのに、あの一言で見事な方向転換って、結果オーライだがちょっとなぁ(笑)ここも史実なのかな?
そして、塔完成までには莫大な資金や労働力、そしてアンチも沢山でてくるわけで。。やはり大きなことを遂げるというのは本当に大変なんだなぁ。基礎の話や漏水等々、ワタクシの仕事にも多少なりとも関わる所があるので改めて思う所がありましたね。
恋愛模様との織り交ぜも秀逸。最後の決断はなかなかグッと来させられる。只でさえ問題は山積みなのに、最後の最後でもっとも大事なことを秤にかけ…その決断たるやいかに‼
とは言え、アントワーヌの立場になってみればなぁ…。彼は何も悪い事してませんからね。
んで、アドリエンヌさん滅茶苦茶美しいですね。
それこそエッフェル塔にも負けていませんよ。今年のベストヒロイン暫定1位です‼
そんなこんなで、ストーリー的にはちょっとアレって思う部分がなくも無いし、もうちょっと建設にひと悶着でてくるかと思ったら後半割とアッサリだったし、と思いつつ、終始テンポは良いし分かり易いし、シンプルに感動できる良作だった。
でも、「Aに見える…」は、どうなのだろうか?オシャレな例えですけどね。
思ったよりも・・・
エッフェル塔の秘話・裏話などが出てくると期待していたのですが、映像の多くがエッフェル氏のラブストーリーに割かれていた。
また、最近の流行なのか、過去と現在を交互に出してくる映像に着いていけなかった。
ややわかりにくい点はあるが、それでも好印象(高度恐怖症の方、やや要注意!)
今年74本目(合計726本目/今月(2023年3月度)9本目)。
最初に「史実をもとにして自由につくった作品」という字幕が出ますが、大枠の部分においては史実と変わっていないので、個々の個別の描写等、現在では補え切れない部分に関して「こうだったのだろう」などという扱いになっているのだと思います(したがって、その「こうだったのだろう」という点も常識的な範囲で、支離滅裂ではない)。
この映画自体はフランス映画で、フランス映画といえば独特な余韻を残す展開が好まれますが、エッフェル塔の建設の開始からできるまでを、ラブストーリー等と絡めて作った、基本的にストーリー軸ひとつの映画です。したがって何を書こうがネタバレでありこの点レビューは難しいです。
なお、映画の趣旨的というのではなく「結果的に」そうなったのだと思いますが、実際にエッフェル塔であろうが東京タワーであろうが、それらがそうであるように、建設というのは下から作るものですので、この関係で一部、建設途中にのぼってパリ郊外を見下ろすシーンがあります。映画の趣旨的にそれ「だけ」であり、高度恐怖症の方にはきつかったのではないかなと思える「FALL」とは「扱いが別」ですが、結果的に「程度の差はあっても」同じようなシーンはありますので(ただし、合計しても1分しかないし、連続しては出ないようになっている)、そこの部分はFALLの怖さのそれとは違います。
採点にあたっては下記を考慮して4.4を二捨三入で4.5までまとめています。
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(減点0.3/一部のセリフの配慮が足りない・歴史編)
「プロイセンに負けた」「我が国の権威を取り戻す」などのセリフがいくつか出ますが、ここは歴史背景を知らないとはまりますが、これは「普仏戦争」です(ナポレオン戦争ではない)。
(減点0.3/法律系資格持ちが混乱しそうな字幕)
(お金が足りずに)「特許権まで抵当権に入れる」というところ。
(当時の)フランス民法がそうなっていたのかは不明ですが、日本では基本的に「債権」を抵当権に入れることはできません(そういう使い方を想定していないし、仮にそうだとすると、抵当権に関する規定をどう適用するかが謎になってしまう)。
すると、考えられるのは質権(権利質)が譲渡担保ですが、前者は「日本の考え方では」できない方法です(特許法にそのような規定が存在しない)。一般的に「現在の」日本で使われているのは譲渡担保という考え方(日本の物権には明記されていなくても、古くからの商慣習などで権利として発達した一部の特殊な「慣習上存在する物権」)で、このことを指しているのだろうと思います。
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エッフェル
素晴らしいリーダーシップ、行動力、技術力です。
自由の女神にエッフェル塔とは、素晴らしい!
130年前のものとは思えません。
アドリエンヌとのビックリ再会には、驚きました。
娘のクレールがいい味出してました。
今年、73本目。
パリ万博
先に見たFALLといい、鉄塔ってやっぱりスカイツリーみたく高い方が断然いいのかな?
エッフェル塔はの建設の意図はちと事情が違っていた ただの呼び物として300mもの鉄塔を建てるとは桁違いにスケールデッカい 300っていう数字はただの思い付き?当時の技術的に強度、構造や安全な工法を考えるのは天才の術であったのではなかろうかと推し量られるんだけど しかしそこはあまり強調されず、あくまでも愛、無機質な鉄塔にひたすら全篇愛を絡めて描かれている 大変そうな工程場面もあり、如何にブレずに継続出来たのか、彼の謎の動因部分にも納得がいくような気がする
フランスはシンボルも愛(もA:amour)に溢れている!
現在ではやはり電波塔らしい...です。
【エッフェル塔のフォルムは…】
エッフェル塔が建設された19世紀末当時の世情は現代と比較にならない程に驚愕を持って捉えられたと想像に難くなく、人々の期待と不安の入り混じった高揚感が伝わってくる。
結婚を誓い合った若い頃の情熱的な恋愛が成就せず、長い歳月を経て再会するも、またもや障壁が立ちはだかりすれ違う禁断の愛は一昔前のクラシックな作品を彷彿。
事前知識ゼロで鑑賞したが予想外にロマンチックな作品。併せて編集の妙が見事で印象に残った。
エッフェル塔に秘められた恋
エッフェル塔の建設者であるギュスターヴ・エッフェル。その彼が、エッフェル塔を計画している時に、昔の恋人アドリエンヌと偶然、再会する。しかも、エッフェルの友人の妻として。
ギュスターヴの表情から察すると、いい別れでなかったことは明白。
エッフェル塔建設への情熱を描きながら、ギュスターヴとアドリエンヌの過去の経緯がインサートされる。回想シーンは、胸がキュンキュンするようなエピソードがいっぱいで、この恋が成就しなかったら引きずるのは当然。
ギュスターヴは別の女性と結婚をして、5人も子供を作っているから、過去の恋をこじらせたわけじゃない。
この作品、一度想った女性をあきらめる事ができない男の心中をうまく物語に投影している。エッフェル塔の形が、何かに似ているというのは、こじつけだとしてもすごくロマンチック。
新しい建築物へのアレルギーは、いつの時代でも同じ。当時のパリでは、期待よりも不安と嫌悪が大きく、相当な反対運動が起きていた。歴史的な背景もしっかり描かれているし、エッフェル塔建設のために開発された新工法も映像で確認ができる。
歴史好きでロマンス好きな自分にピッタリの作品でございました。
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