アラビアンナイト 三千年の願いのレビュー・感想・評価
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現代版ランプの精の物語
神話や昔話などの物語を研究する生真面目なアリシア(ティルダ・スウィントン)は講演会で訪れたトルコのイスタンブールの市場で購入した古い瓶を磨いていると……現れたのはかの有名なランプの精霊ジンだった。
早速3つの願いを聞かれるが、自らの人生は満ち足りていて願いなどない、とアリシアが断るとジンは自らの過去を語り始める――
ランプの精霊ジンと千年以上前のかつての持ち主との物語も面白いが、この映画はそれだけに留まらない深さを秘めている。
特に終盤のあるシーンは見る者の解釈次第でこの映画の意味が180度変わってしまうだろう。
この物語をどう見るかはあなた次第、そんな面白さを持った映画だった。
期待しすぎたかな。
ジョージ・ミラーの新作ということで、観ました。
マッドマックスシリーズ以外でも、とてもいい作品が
あるので楽しみだったのに、残念。
自分には合わなかったし、面白さがわからなかった。
ガラス瓶から出てきた魔人ジンが三千年の出来事を
語って聞かすというストーリーだけど、もう本当に退屈で、
ずっと何か驚くような展開があると期待したけど、何も起きず、
映画が終わってしまった。
淡々と話が進み盛り上がりナシ(想像とかけ離れていた)
もっと盛り上がりのあるものを想像していました。現代で前半ジンと対話するシーンは、ほぼ舞台を観ているかのよう。最後、悲しい、泣けるかもって思って損した!!(笑)
映像は綺麗でした。過去と現代と同じ俳優さんらしき人が数名いたのでサイコものか?!と思いきや、貧乏ゆすりとかも考えると生まれ変わり?!とか想像は膨らませる余地がありました。
過去からのドラえもん。
ネット接続AIを従えて一人一つのメタ宇宙をぶら下げて生きる世で、
三つの願い事が叶って何になる?
だから今こそ愛、物語、神が復権する。
って確かに。
これを過去からのドラえもんと孤独な女のび太の出会いで語ろうとするエンタメの巨匠。
小品なのが味噌。
支持。
普遍的寓話と対話
いいね、好きだ。端々にジョージ・ミラー節な映像演出はあるし、こんなにキュートなティルダ・スウィントンも中々にお目にかかれない気がする。
「魔人と3つの願い」をそのままやっていると言えばそれまでなのだが、それがむしろ良かったし、だからこそ入り込めた流れもある。変な褒め方になってしまうが、「ちょっと飽きてきたかな…」がシナプスとして脳内を巡る前に、「そういや元ネタって」と引き戻してくれるので、最後の最後まで気持ち良く観ることが出来ました。
ちょっと知ってると良いかもね。後、監督の楽器愛がまたもや爆発してましたね笑
マジンジン
あんまり評判よくなさそうと思いつつも、ジョージ・ミラー8年ぶりの新作、かつ監督を褒めちぎりまくるティルダ・スウィントンの特別映像でスルーするわけにいかず。吸血鬼や魔導師からじじいの役までなんでもやっちゃうティルダ姫が、今度は魔人になるのかと思ったら、中高年独り身の学者というけっこうそのまんまな役どころだった。
ディテールにはいろいろ解釈がつけられそうだけど、科学がすべてを解き明かす現代においても物語は人々の孤独を癒し愛を与えるということが、アリシア自身の物語を通じて語られるという話、雑だけど。ただ、ろくにセリフのなかった前作から打って変わって、魔人がずーっとしゃべりっぱなしで、物語の物語なのだから語り中心になるのはしょうがないにせよ、字幕を追うのに意識が向いちゃうとせっかくの映像を十分堪能できないのがやや残念。
からだデカくてマッチョなおっさんイメージのあったイドリス・エルバだが、案外目がかわいかった。あと、口うるさい隣人の老婆は前作の鉄馬の女、巨漢巨乳はマザーズミルクの女たちだったような。そんなわけでミラー監督、緑の地で休んでないで、次作フュリオサ、早よお願いします。
もしも、ジーニー🧞♂️と恋に落ちたら…
誰もが知っているアラジンのジーニーをかっこよくした、ちょっと好色な瓶から出てきた魔神のジンと、ジンと恋に落ちた堅物な物語学者の物語…。
ただ、物語の大半は、ジンの3000年に渡るストーリー、そしてジンと3人の女性との出会いを見せられるんだけど、どの時代設定もストーリーも寓話的で神秘的。
おとぎばなしや寓話が好きな人にとっては最高かと。
退屈なく物語の世界観にぐいぐい引き込まれた。
私が彼女ならどんな願いごとをしていただろうか。
やっぱり、とろけるようなジンの楽園は経験したいかな…
(笑)愛し愛され、2人だけの世界にどっぷりとはまりたい…♡みたいな!?(笑)
これは現実なのか、はたまた彼女の想像の世界のお話なのか…?
答えは観る人に委ねられている。
物語を聞かせ合う事は愛を育むこと
愛には色んな形があるけれど
愛の本質は太古の昔から変わることはなく
自分を棄てても与えること
物語を聞く事は愛おしい気持ちを知ること
でも時代や社会の流れの中で翻弄されて
科学の進歩や多くの知識情報に惑わされて
どのように生きたいか生きるべきか
分からなくなって
素直な愛を忘れてしまうことがある
どのような世界でどの様な道を歩んでいようと
自分の心に正直に愛し続けること
様々な影響を及ぼすことは避け得ないけれど
折合いをつけて一瞬一瞬を正直に生きていく
たとえ生きる世界や道が違っても
偶然に少しだけ同じ道ですれ違っただけでも
物語を聞かせ合うことで愛は育まれる
自分の物語そこにある愛を見失ってはいけない
誰かに物語を話したい 誰かの物語を聞きたい
一日一日を大切に過ごしたい
そんな気持ちになります
愛は塵の中に
シバの女王とかソロモン王とか出てきたので、妙に寿司が食いたくなった。サバとサーモン。そして物語論や3つ目の願いの失敗とか、もっと知りたいことはあったのに、徐々にアリシア自身の恋心に移行していった・・・
インパクトの点では物足りない内容でしたが、さすがに恋バナとなったら心が動く。見返りを求めず、純愛を貫くってのは大変なことですよね。
と、次に観た『バビロン』に圧倒されたおかげで、すでに印象が薄くなってしまった・・・
使い古された題材で新鮮な物語を作り上げる
物語の存在そのものを研究するアリシアの目の前に現れたジン。
テンプレの3つの願いを尋ねるジンに対して、過去の物語を教訓に「願いは無い」と告げる彼女。
彼女は願いよりもジンにこれまで願ってきた人々の物語が気になるよう。ジンから語られる物語には人の様々な欲望が渦巻いている。
せっかく物語論研究者が主人公なので、本家の千夜一夜物語の構造と比較してみた。
本家は物語の語り手はシェヘラザード(女)、聞き手が王(男)であったが、
この映画では語り手と聞き手の性別が逆になっている。
これってけっこうなポイントだと思う。物語が伝承される1つの方法として語り手による伝承があるけど、
この語り手を担うのってたいていは女性。
なので、この映画で語り手が男性となり、性別による役割からの脱却が図られているところが新鮮に感じた。
時間なくてちゃんとした文献使って調べてないし、本家もシンドバッドが語り手になっている話もあるようなのでこじつけかもしれませんんが…。
役割を交換しつつも、枠物語というお話の中にショートストーリーをいくつか入れていくスタイルは本家と同じ。
さらに、ジン(語り手)の話を聞くことで、アリシア(聞き手)に変化が起こる部分もシェヘラザードの話を聞いた王が心を入れ替えるところを踏襲している。
ここを変えないことで監督版の『アラビアン・ナイト』を描いたって意志が強調されたと感じる。
で、ここにきてようやく「では、監督版のアラビアン・ナイトってどうだったの?」と映画そのものの感想に入れる。
私は監督版の物語、かなり好きだった。
ジンから語られる話は支配欲・愛欲・知識欲、人間の欲望にまつわる普遍的な話で、
それぞれの物語は「いかにも物語としてありそう」なものたち。
これらの物語を聞いたアリシアの答えがうまいな…と。(ネタバレにもなりそうなので、コメント欄の方に詳しく書く)
王道を基盤にしつつ、監督の感性を巧妙に混ぜ込んだのが今作。そこがめっちゃいい。
まくら
好きなヶ所いっぱいだったので、さわりだけ話します。
飛行機の底に付けたカメラの映像から、工夫がいっぱい。きっと中予算映画なんだ、楽しい! (さすが『シン・シティ』のフランク・ミラー監督、映像派だ…と思ったら『マッドマックス』のジョージ・ミラー監督でした)
映像だけじゃなく音楽も超いい! (エンディングでトムホルケンボーグと覚えて検索したら、トム・ホルケンボルフと読むらしいです)
序盤で決定打になったのは、お話の中の弦楽器のデザイン、魔物と一体化してるからひとつで多重演奏できるって天才の発想!
MCUファンなので、キャストが『ドクター・ストレンジ』のエンシェント・ワンと『マイティ・ソー』のヘイムダルと聞いて観に行ってみたら大当たりでした。
さわりじゃないけど、ラスト泣きました。
大いなる勘違い
映像・音響も凝っていて、前半良かったのに、後半は何を観ているのか、路頭に迷ってる感じ。途中フッと気が付く。これはボロボロになった娘を拾うお話しだ!異世界が古代〜現代、猫耳娘が魔人に代わっただけなんだ!前半後半がつながり、やっと時空を超えた恋愛劇が見えてきた。
面白い………んだけど、舌っ足らずな部分も
講演会でトルコを訪れた物語研究学者のアリシアが購入した瓶から現れた魔人(ジン)は、「瓶から出してくれた礼に願い事を3つ叶える」と申し出る。
が、職業柄「願い事叶える系の物語」にハッピーエンドがない事を知っているアリシアは魔人の申し出を疑う。
そんなアリシアの疑念を解くため、魔人は自分が関わった3人の女性の物語を語り始める――というストーリー。
基本はホテルの一室での会話劇だが、魔人が語る3人の女性の物語はどれも魅力的で面白い。映像やエフェクトも美しく、さすがはジョージ・ミラーと言ったところ。
その一方で、ところどころ舌っ足らずに感じる部分もあり、特に後半、アリシアの「1つ目の願い」に至る心境の変化は個人的に分かりずらかった。
あと、イギリスでの2人のババァも、(登場させた)意図は分かるけど、ちょっと無理矢理感があるし、不要っちゃ不要な気もしたかな。
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