「マジンジン」アラビアンナイト 三千年の願い ジョンスペさんの映画レビュー(感想・評価)
マジンジン
あんまり評判よくなさそうと思いつつも、ジョージ・ミラー8年ぶりの新作、かつ監督を褒めちぎりまくるティルダ・スウィントンの特別映像でスルーするわけにいかず。吸血鬼や魔導師からじじいの役までなんでもやっちゃうティルダ姫が、今度は魔人になるのかと思ったら、中高年独り身の学者というけっこうそのまんまな役どころだった。
ディテールにはいろいろ解釈がつけられそうだけど、科学がすべてを解き明かす現代においても物語は人々の孤独を癒し愛を与えるということが、アリシア自身の物語を通じて語られるという話、雑だけど。ただ、ろくにセリフのなかった前作から打って変わって、魔人がずーっとしゃべりっぱなしで、物語の物語なのだから語り中心になるのはしょうがないにせよ、字幕を追うのに意識が向いちゃうとせっかくの映像を十分堪能できないのがやや残念。
からだデカくてマッチョなおっさんイメージのあったイドリス・エルバだが、案外目がかわいかった。あと、口うるさい隣人の老婆は前作の鉄馬の女、巨漢巨乳はマザーズミルクの女たちだったような。そんなわけでミラー監督、緑の地で休んでないで、次作フュリオサ、早よお願いします。
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