「もう少し「恋の駆け引き」があっても良かったのでは?」アラビアンナイト 三千年の願い tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
もう少し「恋の駆け引き」があっても良かったのでは?
魔人が語る身の上話は、まさにアラビアンナイトの世界で面白い。
彼が瓶に閉じ込められ、あるいは自ら閉じ籠った理由が「愛」であったことを知り、主人公が、彼を愛し、愛されることを願うようになる経緯にも説得力がある。
特に、心を奪われる瞬間に、女性が生唾を飲み込む描写は印象的である。
その一方で、願いを叶えてやりたい者と、それを拒む者のやり取りは、案外あっさりと決着してしまい、少し拍子抜けしてしまう。
もう少し、駆け引きや騙し合いのドタバタがあれば、より面白い話になったのではないだろうか?
また、「物語の物語」のはずなのに、「いくら科学技術が発達しても、人々には神話が必要だ」といったメッセージが、あまり感じられないのも物足りない。
ラブストーリーに寄せすぎたせいか、物語に深みが出せなかったのは残念である。
ところで、冒頭に出てきた、空港の小さい男と客席の白い男は、いったい何だったのだろうか?いつかまた出てきて、話を面白くしてくれるのではと期待していたのに・・・
コメントする