「ジャック・ウィルと『ジョジョ・ラビット』」ホワイトバード はじまりのワンダー てつさんの映画レビュー(感想・評価)
ジャック・ウィルと『ジョジョ・ラビット』
前作『ワンダー』は、障がい児を取り巻く家族や友人との関係性を鋭く描いた作品として素晴らしい出来映えだった。原作を読み、特に作者の動機が、主人公の親友であるジャック・ウィルの葛藤に表現されていたことが看取できた。本作の原作を読んだ時点で、いじめっ子ジュリアンの改悛の描き方が皮相的だと感じていた。映画化された本作は、原作をかなりドラマチックに膨らませていて、感動を誘うように演出されていると思われるが、やはり皮相的である印象は拭えなかった。ユダヤ人を庇った家族の悲劇を描いた作品としては、『ジョジョ・ラビット』の方が奥が深いと言えよう。
コメントする