ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコのレビュー・感想・評価
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エレクトリカル ライフ
予告編から、勝手に、猫に癒される作品だと思っていた。クリスマスに恋人と一緒に見るような。邦題の『ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ』だったら、そう勘違いしてもしょうがないか。
全然、違った。
原題の『The Electrical Life of Louis Wain』な、映画だった。
カンバーバッチの演技、痺れた。
猫がペットではなかった時代の話
切なくて、哀しくて、
でも愛に溢れた作品でした。
優しい気持ちにで帰りました。
絵を描く事は呼吸をする様なテンポで出来るのに、
世の中を生きるには不器用なルイス・ウェインを演じたベネディクト・カンバーバッチ。
ドクターストレンジとは違う、迫力を感じました。
堂々とした所と、繊細で心の弱い部分を上手く演じられていて、凄く共感出来ました。
最後、クレオパトラの伏線回収。
ズタズタな展開だったので救われました…。
人との繋がりを大切に、という事を改めて考えさせられました。
猫は仲間と群れでいる時もあれば、一人で自由を楽しんでる時もあって、ほんと自由奔放!
私はそんな猫が大好きです。
絵のような絵本のような、画家の生涯。
猫の絵で知られる画家の生涯を詩情たっぷりに時には幻想的な映像で描き、まるで絵画か絵本のよう。
愛した妻、猫に先立たれ、徐々に精神に異常をきたすも描き続けたルイス。正気と狂気の境の中でも自分の人生を生きた彼に、わたしも自分の一度しかない「人生」を考えさせられた。
悲しい・・・
猫を飼っているから気になった映画なので観賞。
うちの猫が、劇中に登場するハチワレ猫のピーターにそっくりなので。
カンバーバッチの演技は素晴らしいですね。
個性的な役が上手い。
本人じゃないかと思ってしまうくらいに。
あんな可愛らしい絵を描くのに、ルイス・ウェインの人生は悲しい事の方が多かったのかな?
結婚前も結婚後も、姉妹に振り回されてのびのびと生きられなかった。
そういう時代だったのかな。
ピーターが死んでしまった場面は、そっくりなうちの猫とダブってしまって、悲しくて号泣してしまったよ。
ヘタな感動ものの映画より泣けた!
特に盛り上がりがある訳でも無く、少し悲しい話だと思うけど、興味がある人は観ても良いと思います。
(注) うちの猫はまだ元気に生きてます!
正直なところ、よく解らなかった。
雑誌の映画評で高評価だったので、鑑賞する気になった。観ていてこの作品の良さが全く私には理解できない。
晩年となり年老いてからは、その苦境に同情したが、何故不遇になったのかよく分からない。それなりに売れた作家なのに、家族が浪費してしまったのだろうか。彼が描く猫には、才能を感じた。
大切な人が死んだ後も、その愛は永遠に消えないものなのだという作品のメッセージに感動しました。
「ネコ画家」として人気だった猫をモチーフにしたイラストで人気を集めたイギリスのイラストレーター、ルイス・ウェイン(1860~1939年)。名前を知らなくとも、猫のイラストを見たことのある人は多いことでしょう。夏目漱石の「吾輩は猫である」に登場する絵はがきの作者とも言われいています。そんな彼の数奇な生涯をほぼ事実に沿って描く伝記映画です。
ロンドンの上流階級に生まれたルイス・ウェイン(ベネディクト・カンバーバッチ)は父を亡くし5人の妹たちを養うため、イラストレーターの仕事を始めます。
妹たちの家庭教師として雇ったエミリー(クレア・フォイ)に一目ぼれし、身分が違うという周囲の反対を押し切って結婚。その半年後、妻は末期がんを宣告されるのです。彼女はがんで3年後に早世してしまいます。闘病生活のなかで、妻と最後の時を過ごすウェインでしたが、庭に迷い込んできた子猫のピーターの存在が救いになったのでした。
そして闘病中の妻を元気づけるため描き始めた愛らしくコミカルな猫のイラストでルイスは売れっ子になります。
妻が亡くなると、喪失感を埋めるため大量のネコの絵を描き、猛然と仕事に打ち込みますが、悲しみは消えず心を病んでいくのでした。
初めルイス・ウェインの名を知らないままに映画館へ向かいましたが、猫の絵には見覚えがありました。
猫に秘められた物語性にいち早く気づき、その魅力を世に知らしめてくれたルイスに、猫好きとしては感謝するばかりです。猫盛りだくさんかと思いきや、映画自体は猫に頼りすぎない普遍的な内容で、大切な人が死んだ後も、その愛は永遠に消えないものなのだという作品のメッセージに感動しました。
ルイスにとって創作は逃避であり、悲しみの表出であり、社会とのつながりでもあったのです。人生と世界を受容するため、妻のいない時間を生きるため、芸術が必要だったのだと思います。
どんな問題に直面しても、自分が愛するもの、美しいと感じるものへの思いを貫き通す天才肌の奇人。世界はこんなに美しいのに、時にひどく残酷になるのはなぜか。ルイスは 『良い電気』と『悪い電気』があるせいだと考えたのです。ルイスは世の現象全てを「電気」で説明する理論を振り回し周囲も観客も戸惑わせます。但し、終盤である人物が彼にこう言うのです。「あなたが電気と呼ぶものを、私は愛と呼ぶ」。とても印象的な言葉でした。
そんなルイスの目に映っていた世界や、エネルギーやインスピレーションのような。“電気”を体感できる幻想的な映像も本作の魅力のひとつ。ハチワレ猫の自然な愛らしさには、思わず頬がゆるんだ。
いつもながらカンバーバッチの演技が見事です。ルイスのような奇人を演じさせれば、カンバーバッチの個性がぴったりとはまっています。若い頃から精神を病む晩年まで、主人公の繊細で複雑な内面を絶妙に表現していました。その心の世界は不思議な映像としても描かれます。彼が妻と見る風景はイラストのように色鮮やかなのです。その美しさが2人の永遠の愛を具現して、感動的でした。
ネコを描き続けた画家の半生
19世紀から20世紀にかけてイギリスで大きな人気を誇った画家、イラストレーター ルイス・ウェインの半生を描く。
若くして父親を亡くし、弱冠20歳で母と5人の妹たちの家計を支えることに。
絵の技量については特筆すべき物があったが、天才肌ゆえか周囲に理解されづらいタイプの変わり者であった。
妹の家庭教師に来ていた女性エミリーと恋に落ちたが、家柄や年齢差を問題に他の家族には猛反対されてしまうが、2人は意志を貫き結婚。
愛する妻と飼い始めた猫との生活の中で猫を擬人化したイラストが人気を博していくが、妻の病は次第に重くなっていき――
伝統を重んじるイギリス社会においては彼の振る舞いはおそらく異端児であるが、妻と猫たちに注いだ愛情には純粋さを感じる。
そんな変わり者の天才画家をベネディクト・カンバーバッチが熱演している。
眠気が。。。
先に断っておきますが、実は観るまえから「多分、私は苦手なやつだな」と思っていた作品です。
確かにその猫の絵は見たことあるけど、ルイス・ウェインを全く知りません。また、猫について「可愛い」と思う程度の私。たまにYouTubeで猫動画は観ますけど、勿論飼うなんてことはあり得ません。
それでも、カンバーバッチだし、ルイスの妻・エミリーを演じるクレア・フォイに大きな期待を寄せ、TOHO火曜のサービスデイである夕方のシャンテへ。客入りは、17時20分開始という中途半端な時間とは言え公開1週目にしては空いています。。
で、果たして感想はと言えば、、、
「伝記」ではありますが、あまりディティールは語られず割とざっくりした内容で、更にファンタジー要素を取り込むことにより全体的に「雰囲気」押しです。特に前半戦は「三歩進んで二歩下がる」展開に眠気が。。。いや、私だけでなく他から明らかなイビキも聞こえます。それでも、やはり期待していたクレア・フォイの存在感と表情は素晴らしい。なのに、え、もう・・・
とは言え、伝記映画の醍醐味はやはり後半戦の波瀾万丈と思われるかもしれませんが、相変わらず淡々と、しかもダウナーな展開が続きます。眠気は乗り越えましたが、映画の方はファンタジー性がガッツリと画に「エフェクト」として表現され、もはやどういう気分で観たらいいか判らなくなりつつ111分。トイレ我慢しているわけでもないのに、心なしかエンドクレジットが長く感じました。
カンバーバッチは今回も間違いないです。また、ルイス・ウェインがどれだけ愛猫家から愛され、感謝されたことも理解できました。でも、ま、やはり私の好みとは違った感じです。残念。
電気的な愛、またはルイス・ウェインの伝記的な愛
両手で絵を描く素晴らしさ。しかも無茶苦茶速い。両手で文字を書くといえば『きっと、うまくいく』(2009)に出てきた校長先生。そして水森亜土しか知りませんでした。
経済観念が弱く、子供っぽいルイス・ウェイン。何でもチャレンジすることで自己を保っているようなところが個性的すぎるのです。特にボクシングをやってる姿なんてのは、まるでチャップリン。結婚するまでは「動物の絵といえば、やっぱり犬!」とか言ってたし、猫派よりも犬派だった意外性。19世紀ではまだまだ猫の価値がなく、ペットとしても普及していなかったようです。ペットとしての猫の地位を確立させたのはルイスだったわけですね!
シェイクスピアの「テンペスト」も重要な伏線となっていましたけど、転スラを思い出しちゃいました。嵐の悪夢を見る様子からして、ルイスのトラウマとなっていたことが窺える。そうして悲劇。猫の絵を描くことで彼の心は平常を保っていくストーリー。電気についての特許を取ることを目標にしていましたが、結局は猫のイラストで有名になったルイス。後半は妻が亡くなってからが中心となり、彼の心象風景も描かれます。特に森の中の湖の絵画的な映像が終盤にも登場するなんてのが、電気的な繋がりを象徴していて印象的。世界は美しい!
未来の夢を見るなんて・・・ひょっとしてドラえもんも?と妄想が拡がります。1400万605分の1の確率で出てくるかもしれません・・・
ショールのブルー
ナレーションの声と話し方がいいなと思ったらオリビア・コールマンだった。素晴らしい俳優はナレーションも素晴らしい。
紙一重とか天才とか変わり者はCumberbatchにしかできないと思うほど。憎めなくて可愛くて周りが見えず歩き方も変。でも脳天気では決してなく、時代に合わない、時代より早い、メンタルも辛い。Cumberbatchには英国人の役しかやって欲しくないなー。この映画ではメイクで大きな鼻をつけていたように思う。
妻エミリーとの日々のシーンがもっと長いと思っていたので悲しかった。ルイと同じ位に変わっていて物事の本質を見ることが出来るソウルメイト同士が結婚できてよかった。ルイが誉めたエミリーのショール、「母からのよ」のエミリーの答えに「ブルー」とだけ返したルイ。自分のスケッチブックの中に、その「ブルー」を見つけることができて良かった。電気=愛があまねく存在する世界の美しさをまたエミリーと共に眺めることができた。
上流階級も辛いなあ、母に未婚の妹5人!ルイスでなくても大変だ。
きっと幸せだったよね…
ルイス・ウェインという人は知らなかったけど、
この人が描いた猫の絵は…多分見たことがある…。
日本人の私でも見たことがあるのだから、
本国イギリスでは
どんなに知れ渡ってる
イラストだろう。
でもルイスは
ずっと貧困だった。
売れてからも変わらず貧困だった。
ぼくとつで善良で欲がなくて穏やかで、
それをいいことに、周りにうまく利用され…ずっと貧困から抜け出せない人生だった。
あ〜世の中て理不尽だ。
ルイスとエミリーは
似たもの同士だった。
差別や偏見がどっしり支配した世の中で、
二人は生きづらかっただろうな。
少し世の中からはみ出てる二人は
すぐに惹かれ合い、周囲の反対をもろともせず、
結ばれる。
幸せは続かず、3年で終わる。
でもぎゅっと凝縮された幸せな3年間は、
ルイスを一生支えるかけがえのない時間になった。
すごい才能を持ってるのに、まったく欲がないために、
損ばかりしていたけど、
本人はその辺はあまり気に留めてない様子だった。
波乱の人生、どうだったかな?
幸せだったかな?
エミリーに出会えて、きっと幸せだったんだろうな。
幸せだったと思いたい…
劇中のお家や家具が
メルヘンで可愛かった✨
ロウソクのオレンジ色の灯りも
幻想的で温かだった✨
世界は美しい
猫をモチーフにしたイラストを描き続けた画家ルイス・ウェインの青年期からの生涯。
画に興味が有るわけでもなくルイス・ウェインなる方をこれっぽっちも知らずに観賞したけれど、もともと奇抜で神経質で、紙一重の方だったんですかね…。
新婚早々の悲劇に、そこに現れた猫による掬いにとあったけれど、今度は自分が余計なものをみるようになったり…。
家族もちょっといかれていて、幸せといえる人生だったのは1900年位まで?
時々絵画のような映像になったり、猫の鳴き声に字幕がついたりと、明るく軽いつくりの作品だったけれど、悲しさを強く感じた。
青い2足歩行の猫はまだ随分先みたい…。
監督が「精神疾患は彼の人生の一部だが、それが彼の全てを定義するとは...
監督が「精神疾患は彼の人生の一部だが、それが彼の全てを定義するとは考えていない。その苦しみは伝えたかったが、それよりも彼の家庭、結婚、猫、画家人生に影響与えた出来事を描きたかった」というように、妻は前半であっさり退場し、その後も彼の人生が淡々と描かれる。妻の喪失が彼に暗い影を落とす、ということが大半描かれるが、それだけではない。
何よりベネディクトカンバーバッチがチャーミングなので、話が暗くなり過ぎず、演出もポップでキュートにコーティングされているので、
どこかおかしみもあって、クスッと笑えたり、愛おしく感じたり。
何より美術や衣装が素晴らしい。ラストの美しいカットはまさに芸術。
基本つらい
2022年劇場鑑賞281本目。
当時イラストといえばそのまま描くのが常識だった中、漫画的な要素を入れて猫を描いたルイス・ウェインの伝記映画。
かなり早い段階で世間から認められるものの、版権の管理がずさんだったために収入には結びつかず・・・という内容。前半の奥さんとのラブストーリーが微笑ましかっただけに後半しんどかったですね。実話だから仕方ないんですが。
原題と邦題がかなり違う。女性客を狙った?でも中身は向いてないと思うけど・・・
猫を描くイラストレーターの伝記映画です。
原題は「The Electrical Life of Louis Wain」です。
主人公は現代の人間が思う以上の電気の強力な力を信じていたとのことです。
題名買えたのは女性客を狙ったため?中身が伴っていないと思うけど・・・
カンバーバッチが変な人を熱演していました。上手ですね。
クレア・フォイ(亡妻)が身分は低いが気品高い女性をうまく演じてました。
(蜘蛛の巣女での姿とは大違いです)
ちなみに亡き妻が残した言葉が最後に意味を持つのかと思ってました。
見終わった後で楽しくなるような映画ではないです。
猫好きにはたまらないけれど…
本作は19世紀末から20世紀初めにかけて活躍したイラストレーターの伝記映画だ。擬人化した猫のイラストで人気を博したが、次第に精神を病んでいく姿が悲しい。
邦題にある「生涯愛した妻」も、当時のイギリス社会ではいろいろと問題視されてしまい、そんなことも彼が心を壊した理由の1つかもしれない。
主演のベネディクト・カンバーバッチが飄々とした演技でいい味を出していたけれど、観る前に想像していた映画とはまったく違っていて、とても悲しくつらい気分になってしまった(;_;)。
1860〜1939 一人の「元祖イラストレーター」「元祖愛猫派」の普通だけど波瀾万丈 な伝記。
当時の英国🇬🇧の風景がなかなか魅せる。
時代に埋もれかけている【少なくとも日本では】人物の普通な一生
普通の人間 であるから スマートではなく不器用で、不幸にも遭遇するが
1匹の子猫との出会いが、主人公に一筋の光明をもたらす。
まさに一筋の光明にすぎないのだけれども
それが、かえって人間的にリアリズムで好感持てる。
本当の主人公の本心は知る由も無いが
わずかだが、幸せを共にした妻の面影を心の支えとする主人公は鈍臭いけど、好感度MAX
ベネディクト・カンバーバッチが最後は心の病に彷徨える主人公を好演。
青年期、壮年期、老年期を演じきっている。
猫が好きな人🐈でなくてもそこそこ共感できる小作品。
ただ、進行構成がリアルすぎて
出会い とか 別れ とかのアクセント、強調が弱いのが玉に瑕。
ただ劇的な人生なんて本当は無いのだから
コレはコレで良いと思う。静かな静かな小作品。
【”されど、世界は美しい。”擬人化したユニークでカラフルな猫の絵で19世紀末から20世紀に人気を博した男の数奇な人生を描いた作品。ベネディクト・カンバーバッチの魅力満載の作品でもある。】
◼️19世紀末から20世紀に実在した、ルイス・ウェイン(ベネディクト・カンバーバッチ)は、家庭教師として雇ったエミリー(クレア・フォイ)と、身分違いの恋に落ち、擬人化した猫を生み出す。
◆感想
・ルイスはしばしば、”電気”と言う言葉で人間や猫の魅力を表現している。
・今作では、妻の死を経験し、貧しい生活を続けながら彼は生涯をかけて、”電気”の正体を知る過程を描いている。
・当時のイギリスでは、猫はペットとしての人気は高くなかった。それは、猫が不吉な動物であるというイメージがあったからである。
・その常識を覆したのが、ルイス・ウェインなのである。
・困窮したウェインを助ける人々の姿。きっと、彼らは第一次世界大戦の戦時下にウェインの美しくもユーモラスな数々の擬人化した猫の絵に救われたからだろう、と私は推察した。
<エミリーと一緒に見た景色。
そして、ラスト、老いたウエインの見た風景はカラフルで、美しい。
貧しくとも、不孝に見舞われても、世界は美しいのである。
それは、ルイスが幾つになっても繊細で、優しき心を持ち続けながら、カラフルでユーモアのある猫の絵を書き、人々の心を楽しませたからだろうな、と思った作品である。>
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