「(参考知識でネタバレを含みうるのでネタバレ扱い)基本的に良作。猫派も犬派も。」ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
(参考知識でネタバレを含みうるのでネタバレ扱い)基本的に良作。猫派も犬派も。
今年348本目(合計623本目/今月(2022年12月度)1本目)。
映画の日の12月1日はこちらの作品にしました。
美術部や美大生の方などだと知っているのかな…。大きな辞典には載っていますが、案外知られていないこの人物に焦点を当てたお話です。
ほぼほぼ映画のストーリー「それ自体」がドキュメンタリータッチで進むという事情もあり、ストーリーの感想それ自体が(何を書いても)ネタバレになるという特殊な映画です。
猫派の方はもちろん、アンチ猫派の方はいかないと思いますが…、犬派の方も特段「猫派ではない」ことを意味しないと思うので、動物好きな方は行って損はないと思います。
採点上気になった点は以下の通りです。
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(減点0.3/一般指定で配慮不足/「トルコ風呂」など)
・ 日本に「トルコ風呂」という「施設」があったのは事実ですが、現在では名称が変わっています。この名前を聞くことは極めて少なくなりました(古い時代の歴史が流れる温泉街などでは(さびれた看板などで)残る程度?)。行政法の有名な判例にあるので「知っている人はいる」ものの(判例百選にも載ってます)、映画内で脈略なく出てくると思いきや、実はこの映画、一般指定です…。
「トルコ風呂ってなーに?」って言われても(親御さんが、大人の都合で)答えらえれないんじゃないかと…。
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(参考/「電気」が指す意味は何か)
・ このルイス・ウェインが活躍した時代に電気が少しずつ実用化されたのは史実通りです。彼は生涯画家として暮らしていた一方、(結果的に、今日のようにCGが当たり前になるようにパソコンが発明されなかったように)電気に対して「画家という職業」が何か良くない方向に働くのではないか、という心配を持っていました。このため、若いころは「どちらに転んでもよいように」電気に関する勉強もしており、それが映画内で出てくる「電気に関する特許がどうこう」という部分です。以後、画家としての本格的な生活が始まっても、「電気」というものが自分の生活を一変させてしまうのではないか(それほど皆を驚かせたし、技術の大発展だった)という危惧を描いており、映画内で示される「電気に対する異様な興味と恐れのこだわり」はこうしたものです。
※ 映画内では、テルミンをはじめとした「電気を使った楽器」による音楽が多く流れてきます。
※ この「わからない技術進歩の怖さ」の論点は、アニメではあっても、手紙から電話へと技術が発達される時代を描いた「ヴァイオレット~」と究極論は同じです。
(参考/彼が精神疾患を患った原因として「当時」信じられていたもの)
・ 映画内でも示されるように、猫と人との生活を近くし、猫を飼うことが当たり前になり、日本でいえば(いわゆる)猫カフェがあるように、猫と人との「距離感」を今のようにしたことについて、彼の活躍が貢献したのも事実です。そして彼は猫を多く描いています。それでも当時、「かわいい猫」と「可愛くない猫」とで人により見方に差があり、その美容で差を持って接する人がいたのは事実です。当時、猫の排泄物その他にある(今でいう)トキソプラズマ菌が目に入ると精神疾患を引き起こすということは広く信じられており、特に猫を多く描いていた彼には「猫を多く描いたが、その猫によって(皮肉にも)精神疾患がもたらされた」とされるように「精神疾患を患った理由」については多く誤解もありました。ただ、映画内でも示されるように、猫に何ら関係のない人も精神疾患を患っていたように、現在では遺伝子的なものである、とされます。