「細かな矛盾は言いっこなし、楽しいだけで深みも余韻もないのはご愛嬌なのだ!」オペレーション・フォーチュン 流山の小地蔵さんの映画レビュー(感想・評価)
細かな矛盾は言いっこなし、楽しいだけで深みも余韻もないのはご愛嬌なのだ!
アクションヒーローの代名詞ジェイソン・ステイサムがガチで取り組んだ、本格派のスパイ・アクション大作。本作は、ステイサム扮する型破りな諜報員が世界狭しと駆けまわり、その無双ぶりを見せつける痛快エンタテインメント作品です。
英国諜報局(M16)御用達の敏腕エージェント、オーソン・フォーチュン(ジェイソン・ステイサム)は、闇で取引されているという“ハンドル”と呼ばれる物を追跡、回収するミッションを与えられます。
M16のコーディネーター(ケイリー・エルウィズ)、毒舌の天才ハッカー(オーブリー・プラザ)、新米スナイパー(バグジー・マローン)らを率いて任務に挑むのです。
ガイ・リッチー監督とステイサムのタッグと聞けば、それだけで面白さは約束されたようなものです。今回の作品でもぶっきらぼうなステイサムを中心に、痛快なアクションで見る者を引き込んでくれました。何よりも楽しいのはい個性豊かな面々とのコミカルな絡み。最近はすっかりクセの強いキャラクターが似合う俳優としての地位を確立しているヒュー・グラントが億万長者の武器ブローカーを演じ、かつてアイドル的人気を誇ったジョシュ・ハートネットがハリウッドスターに扮するなど、キャスティングの妙が光ります。 ロンドンからカンヌなど舞台は華やかに移り変わり、全体に漂う軽さが楽しいところ。 アクの強い多くの登場人物が交錯し、展開も目まぐるしくアクションもふんだんで盛りだくさんなのに、流れが滞ることがありません。ところてんのようにツルツルとのみ込める語り口は、リッチー監督の至芸。もっとも、細かな矛盾は言いっこなし、楽しいだけで深みも余韻もないのはご愛嬌なのだ!