「軽いノリで楽しめるスパイアクション」オペレーション・フォーチュン おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
軽いノリで楽しめるスパイアクション
ジェイソン・ステイサム主演ということで無条件に鑑賞を決め、公開初日に行ってきました。ほぼ期待どおりのジェイソン・ステイサムが観られて満足です。
ストーリーは、ウクライナで奪われた通称“ハンドル”と呼ばれる謎の兵器の解明と奪還を任された、英国MI6御用達のエージェントであるオーソン・フォーチュンが、コーディネーターのネイサン、天才ハッカー・サラ、新米スナイパー・JJとチームと組み、ハリウッドスター・ダニーも巻き込んで、武器商人グレッグのもとへ潜入するというもの。
スパイモノにありがちな複雑な人物相関や騙し合いの構図は本作でももちろんあるのですが、これが比較的わかりやすいのは助かりました。特に序盤で、ネイサンのコーディネートでチーム結成までの経緯をコンパクトに描く中で、人物紹介も兼ねているのはわかりやすかったです。
そして、そこからのファーストミッションで、一気にギアを上げて作品世界に誘ってくれます。そのドキドキ感もさることながら、いきなりトラブルが発生し、それが別働チームの仕業であることがわかり、これがラストまで絡んでくるのもおもしろいです。また、要所要所にユーモラスな会話も挟み、にやりとさせる演出も心憎いです。
アクションはそこまで派手なものはないですが、それでもチームワークの見せ場は多く、メンバーそれぞれの個性が光る活躍も見逃せません。オーソンはもちろん最前線での近接格闘、サラはハッキングのみならず潜入ミッションもこなし、JJにいたっては狙撃以外もそつなくこなすオールラウンダーぶりで、スパイものらしいドキドキハラハラ感を演出してくれます。
そんなチームが狙う相手の武器商人が、なかなかに胡散臭いのですが、余裕しゃくしゃくの大富豪ぶりでなぜか憎めません。エンドロール中のおまけの劇中劇では、ダニーとの意気投合ぶりが微笑ましくて、なんだがほっこりするほどです。おかげで最後までしっかり楽しめました。
主演はジェイソン・ステイサムで、彼のイメージ通りの立ち回りで申し分なし。脇を固めるのは、オーブリー・プラザ、ジョシュ・ハートネット、ケイリー・エルウィズ、バグジー・マローン、ヒュー・グラントら。中でも、ヒュー・グラントの存在感が光ります。