シング・ア・ソング! 笑顔を咲かす歌声のレビュー・感想・評価
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歌と結束が彼女たちにもたらしたもの
かつて「フル・モンティ」で最高のおかしさの中に悲しみや喜びを巧みに散りばめたピーター・カッタネオ監督らしいハートフルな一作だ。本作はまず英軍基地内に暮らす”妻たち”のかなり特殊な日常を丁寧に描きつつ、その上で「なぜ歌うのか?」という、ここに始まりここに行き着く最大の命題を浮き彫りにしていく。初めは乗り気でなかった部員たちも、言葉ではなく歌詞とメロディーに身を委ねることで、少しずつ自分を表現する術に知り、生き生きと輝き始める。中でも性格の全く異なる主演女優二人の牽引ぶりが素晴らしく、お互いの資質や才能に嫉妬を感じて常に反発し合いながらも、心のどこかで信頼しあっている様子が伝わってくる。彼女たちは決してパートナーの帰りを待ち続けるだけの存在ではない。家族や仲間を思いながら、何よりもまず自分のために胸中をヴィヴィッドに歌う。その意味では、個を解き放つというテーマを内包した普遍的な映画なのである。
ケイトのキャラ設定に難ありだが、合唱の楽しさや魅力は〇
9.11後の対テロ戦争の一環であるアフガニスタンでの戦いに、米国から引っ張り込まれた格好で参戦した英国軍。泥沼化する戦地に派兵された夫の身を案じる妻たちが、互いを支え合うことを主眼に2010年に合唱団を結成して活動したという実話に基づくヒューマンドラマだ(原題は「Military Wives」)。
ストーリーはおおむね実際に起きた出来事に沿って構成されている。たとえば後半で合唱団のメンバーたちが協力してオリジナル曲を作るエピソードも、実在の“軍人の妻”合唱団のメンバーたちの手紙から「Where You Are」という曲が作られたことに基づいており、YouTubeで彼女たちのパフォーマンスを視聴できる。
映画の一応の主人公は、戦地で一人息子を失ったケイト(クリスティン・スコット・トーマス)なのだが、彼女のキャラクター設定がいまいちで、なかなか感情移入しづらい。喪失感を紛らわせようと明るく振る舞うのはわかるが、やたらと仕切りたがったり、あるトラブルに腹を立てて仲間に性的な暴言を吐いたりと、何もそんなに極端なキャラにしなくても……と感じてしまう。実際には、カリスマ指揮者として知られるギャレス・マローン(Wikipediaにも項目がある)が軍人の妻合唱団をサポートしたそうで、つまりケイトのキャラ自体は完全な創作ということ。それならなおさら、もう少し魅力的な人物にしてもよかったのにと思う。
とはいえ、映画をいろどる合唱曲の数々は、シンディ・ローパーの「タイム・アフター・タイム」、ティアーズ・フォー・フィアーズ「シャウト」、ダイドの「サンキュー」、ヒューマン・リーグ「ドント・ユー・ウォント・ミー(愛の残り火)などなど、洋楽好きなら聞き覚えのあるヒット曲が目白押し。合唱アレンジによってオリジナルとは一味違う魅力を引き出すことに成功しており、パートを分けて合唱することの楽しさも伝えている点は評価したい。
思い通りの展開かなあ
軍人の妻合唱団
イギリスらしい、強さと温かさ
基地に住む「留守を預かる」妻達が。
仲良くなろう、一致団結しようと始めた合唱団。
でもそこには、夫の位からくるマウンテンがあったり。
家族をすでに、従軍で亡くしていたり。
「妻であり、母親でもあり」な気持ちが、そこで揺れ動きます。
合唱団の噂を聞きつけて、軍の大きなコンサートに招かれる。
そこに軍の「妻達も頑張ってます」アピールもありながら。
合唱団として、歌うだけよ♪とはいかないのが、なるほどな。
戦争シーンは一切ないのに、「戦い」なんているのか?。
と考えさせらるところが、興味深くほろり。
最後に、実際の彼女達がどう活動し、それが広まったか。
同じ女性としてとても誇らしく思えました。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「Stronger,Together」(共に強く)。
普通
持て余す時間による不安を解消したのは”合唱”だった!!
イギリス軍基地内に住む奥様たちは、戦地に行っている間、夫の無事を祈ることしかできない。基地の外に働きに行くなど、不可能ではないにしても、それほど自由がきくわけでもなく、持て余した時間というのが、夫は無事なのか、生きて帰ってこれるか……など、より不安を掻き立てる。
簡単に言えば、そんな不安やストレスを発散するために選んだのが「合唱」だった……という話で、これは実話ベースになっている。
それが他の軍基地の奥様方にも広まり、ママさん合唱団のようなムーブメントが起きたことのきっかけとなった、ロールモデルとなった、合唱サークルの物語。
例えば「Glee」のように、レベルの高い歌唱力のメンバーが揃っているわけではなく、ほとんどが普通レベル。
最初からの逸材もいれば、いつまで経っても上達しない者もいるなど、全体的な歌唱力のクオリティというのが、飛びぬけて素晴らしいとも言い難い。しかし、決して悪くもないといった、絶妙なラインを攻めてくる。
そんなところが、妙なリアリティを醸しだしているいえるだろう。
音楽映画としての側面から観てしまうとノリきれないかもしれないが、それぞれ抱えた不安も支え合うことで前向きになれるといった、他人同士でも支え合う気持ちの大切さというのを描いた、なかなかストレートな人間ドラマだ
さすが「フル・モンティ」の監督!
焦らさないで早く歌って!
すんげー下ネタに 大笑いしました。
安心、安定の娯楽作
歌に込めて…
クリスティン・スコット・トーマス観たさ
クリスティン・スコット・トーマス、好きなんですよねー…いろいろな作品に出てるけど、私は英仏バイリンガルを発揮した、サラの鍵 が好き。
….とそんな話はともかく、この映画のケイト、なんだか鼻につく感じだけどこういう人がいないといろんなことが始まらないよね。
嫌われてもみんなに召集かけて、はいはいやりましょう!って。責任感あって、おそらく基地に越してきたばっかりであろう若妻の元にも様子見に行ったり。
中高年から新妻まで、色んな人がいる中で頑張ってるなぁ、と私は終始ケイトの味方。
しかし、基地の中で暮らすって閉鎖的で、大変そう。
特に自国のためではなく世界平和のために他国の紛争に出て行く英国軍。とても…うまい言葉が見つからないが大変な仕事だと思う。
今回もウクライナへの派兵も厭わないとジョンソン首相はいち早くウクライナに行ってた。
今も現実に活動してる、military wivesに涙がないことを祈りたい。
手紙から歌詞を紡ぐ
イギリス軍基地に暮らす軍人の妻たち、夫が戦地に行っている間、寂しさや不安を支え合い紛らわしている。そこで出来上がったのが合唱団だった。彼女たちの頑張りが少しずつ形になって、周りにも認められ、ついに大規模な戦没者追悼イベントに招待されることになるのだが、そんな矢先ある悲しい出来事が起こってしまう…。
前半は幼稚園に子どもを預けているお母さんたちが集まる会を見ているかのようだった。女性ばかりが集まるとほんとにこんな感じ笑 そして、ケイトやリサのような仕切りたりも絶対いるのよね。野球選手の妻や海外赴任妻もこんな感じなのかな(わたしはこういった女ばかりの集まりが超苦手なもんで)。
フライング・ピケッツのOnly Youやタイムアフタータイムの合唱などはとっても素敵。
ケイトの過去には同情するが、彼女の行動には共感はできない。
悪くはない作品だけど特別に後に残る作品でもないのでやはりこの評価です。
奇跡体験!アンビリバボー(たけしさん風で)
戦争で身内を失う悲しみ
ロッキーの精神
アフガン戦争下、イギリスの駐屯地で暮らす出兵した兵士の妻達が合唱団を結成する話。
駐屯地に残った妻達の親交とレクリエーションのとして、朝のコーヒー会の場で何をするか話し合いが行われて、合唱を始めることになり巻き起こるストーリー。
楽譜も読めないリーダーのリサに、大佐の妻で息子を亡くした経験を持つケイトという噛み合わない2人が啀み合いつつ引っ張るド素人合唱団という始まりだけど、あれよあれよとキレイな唄が聞こえる様に…まあ、尺の都合もあるしそこは仕方ないところもあるけれど、いつの間に曲と歌詞が出来ていつの間に練習したの?
電話や呼び鈴におののく妻達や、団結の切っ掛けの悲しい展開はなかなか考えさせられるし、カモンデイヴはお約束過ぎたりもしたけれど、やはり美しい音楽は盛り上がりますね。
時に哀しく時に下品で時に温かく、共により強くちょっと慌ただしさはあったけれどなかなか面白かった。
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