KKKをぶっ飛ばせ! : 特集
おぞましい人種差別集団をせん滅!
壮絶な血みどろリベンジ描写で上映禁止となった問題作
話題の映画を月会費なしで自宅でいち早く鑑賞できるVODサービス「シネマ映画.com」。4月15日から、ホラー映画専門の動画配信サービス「OSOREZONE (オソレゾーン)」セレクト作品「KKKをぶっ飛ばせ!」の3日間限定、劇場公開前プレミア上映が開催される。
白人至上主義団体「KKK(クー・クラックス・クラン)」に復讐する黒人の姉弟の姿を、凄惨なバイオレンス描写満載で描いたリベンジアクションだ。70年代に封印された黒人によるKKK皆殺し事件をもとに、その内容の過激さから全米で上映中止となってしまった問題作でもある。このほど、映画.com編集部が、本作を配給するオカルトメディア「TOCANA」の叶井俊太郎氏に本作の見どころを聞いた。
シネマ映画.comで今すぐ見るKKKをぶっ飛ばせ!(チャーリー・スティーズ監督/2020年製作/78分/R15+/イギリス)
<あらすじ>1971年のアメリカ・テネシー州。無実の罪で投獄されていたブランドンは脱走し、姉のアンジェラに助けを求める。アンジェラは兄のクラレンスとともにブランドンのもとに駆け付け、彼を郊外の廃牧場にかくまう。しかし、その地域は白人至上主義団体「KKK」が活発に活動しており、黒人を捕らえては、おぞましい行為をする一派の拠点になっていた。監視の隙をつき、監禁されているアンジェラを救出することに成功したブランドンは、姉とともに復讐を開始する。
■<設定がヤバい>「ブラック・クランズマン」で描かれた「KKK」を超える、おぞましい差別主義者たち舞台は1970年代初期のアメリカ。カンヌやオスカー受賞の傑作「ブラック・クランズマン」でも話題を集めたが、「KKK(クー・クラックス・クラン)」という白人至上主義団体が、特に黒人に対し、リンチや銃殺などのヘイトクライムを行ってきたという、決して繰り返してはならない事実がある。本作で描かれる差別主義者たちは、ここで文字で説明することがはばかられるほどのおぞましい残虐さを持った者という設定だ。
「日本ではKKKを知らない世代も多い。『KKKをぶっ飛ばせ!』という邦題にしたことで、知ってもらうきっかけになれば」(叶井氏)
もちろん本作はフィクション映画ではあるが、このような人間たちが存在してよいのか……と、吐き気を催すほどの極悪非道ぶりをまずは確認してもらいたい。
■<リベンジ方法がヤバい>「ゲット・アウト」「アス」以上の衝撃! 怒りを爆発させた姉弟の壮絶リベンジ物語はいたってシンプル。差別集団に監禁された姉を弟が助け出し、彼らに究極のリベンジを行うというもの。しかし、その描写があまりに過激で壮絶なため、全米各州で劇場公開が見送られた。しかし、そのバイオレンス描写は、痛快なほど振り切っている。痛い! エグイ! ひどすぎる! の連続だが、見ているうちにこちらのボルテージも上がり、血しぶきの量に比例するように高揚感が湧いてくるのが不思議だ。
「全米上映中止ということを知り、これは買わなければと思った。リベンジアクション映画の歴史を塗り替える復讐劇です」(叶井氏)
現段階で、日本以外のスクリーンでは見られないという、ある意味貴重な作品だ。既に本作が配信されている国では、ホラー、バイオレンス映画ファンからの絶賛評が上がっているので、今回の先行配信で本作を気に入った方は、劇場の大スクリーン(4月22日公開)でさらなる迫力でのリピート鑑賞もお勧めしたい。
■<監督がヤバい>タランティーノ超え!? 内容が過激すぎて出資者集まらず、自己資金で制作。自分が見たい映画を自分で作るクリエイター魂「イギリスのインディ系ジャンル映画は、配信用作品も含め盛り上がっています。この監督はこの作品の後に6本も撮っています」(叶井氏)
監督のチャーリー・スティーズは、世界で最も数多くの過激なジャンル映画を量産し、世界に発信しているイギリスのインディペンデント映画界から誕生した、29歳の新鋭だ。
「以前から70年代のグラインドハウスやエクスプロイテーションのようなスタイルの映画を撮ってみたいと思っていて、昔のグラインドハウスの予告編からインスピレーションを得ていたんです。黒人の登場人物がKKKに反撃する『Brotherhood of Death』という映画に出会い、そのコンセプトが私にはとんでもなく素晴らしく思えたのです」(英Horror Channelのインタビューより引用)
海外評では「タランティーノを超えた!」とのコメントも寄せられた本作。しかし、その内容の過激さから、企画段階で出資を拒否され、スティーズ監督が自己資金で制作したのだ。そして、本作はイギリス映画だが、撮影は危険を顧みず全編KKK発祥の地、アメリカのテネシー州で行われた。なんというこだわりぶり! 誰に何と言われようが、自分が見たい映画を自分で作る、というクリエイター魂が伝わる快作を、ぜひこの機会に楽しんでほしい。
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