はい、泳げませんのレビュー・感想・評価
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物語の価値観についていけなかった
うーん、なんというかこの原作がどこまで脚色されたかは分からないけれど、物語と自分の価値観が合わなすぎて引いてしまった……。ちょっと期待していたんですが、残念です。
まず泳げずに怯えてバタバタしてる人をゲラゲラ笑い囃し立てるギャラリーたち(水泳教室のオバチャンたちや床屋の店員、この原作にはオバチャンに偏見があるのかな?)、そういう人たちをそのままにして当たり前に側にいるのが恐ろしくて酷すぎる。私は理容師で、お客様には同じような人が来店しますが、絶対笑ったりしません。切実なのが分かるから。だから人としてショックだった。もしかしてあのあと誤解や笑ったことを後悔するのかと思っていたらそのまんまスルー、それが恐ろしかった。妻のあの共感を求める気持ちも分からない。一緒に泣けないことを罵倒するなんて、哀しみ方は100人いれば100通りあるのに、けど本人は再婚だなんて案外軽く見えてしまってちぐはぐでズレを感じました。
長谷川さん演じる小鳥遊の喜びや苦悩は表情にありありと表れていてとても身近に感じたし、綾瀬はるかさんの凛々しさはとても良かったです。さすがの演者たちでしたが、物語がどうしても受け入れられず、ただ悲しかったです。
【”水泳は心のリハビリ。そして、認識と記憶。逃げてはイケナイ。”ある出来事により、心に深いトラウマを負った男の人生再生物語。前半はコミカル要素強めに、後半はややシリアスに物語は進みます・・。】
ー 大学教授で哲学を教える小鳥遊(長谷川博己)は、水が怖くて泳げない。だが、それには理由があった。
そんな彼が、一念発起し、スイミングスクールに通う事に・・。
コーチの静香(綾瀬遥)や、一緒に受講するオバサン4人に叱咤激励されながら、小鳥遊は自分のトラウマを、徐々に克服していく・・。-
◆感想
・冒頭の美弥子(麻生久美子)と小鳥遊が喫茶店で話をしているシーンでの”納豆ぶっかけシーン”から、少し嫌な予感がする。
・で、イキナリ5年後に時間は飛び、小鳥遊は一人で暮らしているようだ。
ー ここら辺で、その後のストーリー展開が読めてしまったのだなあ・・。一人で暮らすには広すぎるマンション。人気のない子供部屋。-
・前半は、小鳥遊のスイミングスクールでの、オバサン達に弄られながらも、奮闘する様が面白く描かれる。
■そして、ここで実は静香もあるトラウマを抱えている事が描かれるが、深くは描かれない。
作品構成が、中途半端なのである。少し残念。
・後半は、小鳥遊が水を怖がる理由が徐々に明かされていく。だが、その展開が予想通りだったので、余り響かない。
・更に美容院を経営するシングルマザーの恋人(阿部純子:おめでとうございます。)との関係性もキチンと描かれていない。
■が、小鳥遊はスイミングスクールで徐々に泳ぎを上達させつつ、”過去のトラウマから逃げていた自分に向き合い”、”止まってしまっていた自分の未来”に向き合う決意をしていくのである。
”前に進めなければ、上でしょ!”という静香の言葉。
この辺りは、個人的に心に響いてしまった。
<小鳥遊を筆頭とした、登場人物たちが抱えるトラウマに藻搔きながらも徐々に向き合っていく姿が印象的。今作は、トラウマを抱えた人たちの、人生をゆっくりと再生していく姿を描いた物語である。>
■追記
・私事で恐縮であるが、この作品を鑑賞中、常に頭を過っていたのは、毎年夏に家族でキャンプ場に行っていた際に一度だけ起きた出来事である。
キャンプ場の傍には、穏やかな清流があり、子供たちの良い遊び場になっていた。
だが、幼き息子を遊ばせている時、一瞬目を離した瞬間に息子は浮き輪に乗ったまま川下に流されていった。慌てて追いかけたが、川の流れは思った以上に早く、追いつけなかった。
家人が、キチンとライフジャケットを付けさせていた事と、下流に多数の家族がいたお陰で、息子は途中で助けられた。
だが、私にとっては今でも時折思い出す、苦い苦いトラウマである。
”何故、私は下流側で息子の乗った浮き輪をキチンと支えていなかったのか・・。私は父親として失格だ・・。”
今作でも描かれた、小鳥遊が必死に川に入り、流された息子を助けようとするシーンの彼の姿は、正に当時の私であった。
真に、トラウマを克服する事は、実に難しいと思う。
私が、この作品に3.0点ではなく、3.5点を付けたのは、小鳥遊の辛い辛い気持ちを封印していた理由が、とても良く分かったからである。
「綾瀬はるかさんを応援したいのに…」
「ひどい映画です」「1ミリも感動できない映画です」「綾瀬はるかを垂れ流ししているだけの映画です」
正直、最近の綾瀬はるかさんの作品選びは間違っているのではないでしょうか。彼女のファンですから彼女を応援したいと思っています。彼女は綺麗ですしスタイルも良いから男性からは垂涎の映画になるかもしれません。前作もそうでした。演技もとても素晴らしいものを持っています。ですからボディパフォーマンスを中心とする映画ではなくて作家性の高い映画に出演してほしいと思うのです。
本映画では一体彼女はどのような人間成長があったのか分かりません。単なる水泳教室の先生だけなのです。途中過去のトラウマを告白しましたが、映画の結末ではそのトラウマを克服した事は明確に表されていません。。
主演の長谷川さんの演技は笑ってしまいます。もともと個性派俳優であるから、どのような役柄も簡単にやってしまうと思いますが、あまりにも大仰すぎる演技に口が開いてしまいました。彼は泳げない大学教員です。かつて結婚していた時にできた息子を川で亡くしています。そのトラウマを克服するために水泳教室に通うのですが、大学教員の割に頭が悪いのです。確かに子供を川で亡くしたと言うのは大きなトラウマになっているかもしれません。でも知性教養の高い大学の教員であれば、そのようなトラウマは他の方法で乗り越えられるのです。また麻生久美子さんの大阪弁がいまひとつ鼻につくのです。合っていないのです。大阪人ではないようですから仕方ないのですが、ちょっとひどかったですね。
映画全般にわたって流れるSE (音楽が)があまりにもひどいですね。途中ホラーテイストな音楽もつけていましたが一体何の意味があるのか分かりません。ホラーテイストの場面は長谷川さんと麻生さんが喧嘩する場面です。
「恥ずかしい映画」です。
綾瀬はるかさんは作品選びをもっと慎重にすべきだと思います。
『運だぜ!アート』のluckygenderでした
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