「喪失を抱えた人もそうでない人も包み込む映画」はい、泳げません kiroroさんの映画レビュー(感想・評価)
喪失を抱えた人もそうでない人も包み込む映画
納豆と関西弁で評価を下げている印象でもったいない。
水泳指導の部分以外はオリジナルだが、喪失と再生についてかなり細部まで気を配った誠実な脚本だと思う。
主人公は前に進むために苦しみながらも過去と向き合うが、「辛いことは思い出さなくてもいいと思う」「思い出さなくて生きていく道もある」と語る人物も複数登場させる。
コーチのトラウマが放置されているというレビューも見るが、主人公の家(おそらく交通機関を使うような遠い所)へ行く描写で「コーチも一歩踏み出せた」と思わせる。ただはっきりした描写がないのでさらっと見ただけでは伝わりにくかったかも。
コーチと恋愛関係にならないのも良い。長谷川博己と綾瀬はるかならいくらでも色っぽく演じられる場面でもエロスより神々しさを感じる。
とにかくコメディとシリアスと両方を演じられる長谷川博己の演技が全編を通して素晴らしい。
見終わったあとに心に何とも言えない熱いものが残る良作だった。
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