「長谷川博己と綾瀬はるかのダブル主演ではなかったのか!?」はい、泳げません tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
長谷川博己と綾瀬はるかのダブル主演ではなかったのか!?
理屈っぽい男が、体の力を抜いて水中に身をゆだね、無心で前に進もうとするうちに、心の傷を癒していくという話には、妙な説得力がある。確かに、水泳は、体だけでなく、心のリハビリにも効果があるのかもしれない。
地味になりがちな話をカバーするかのように、随所に映像的な工夫があり、モノクロの回想場面に一部分だけ色が付いていたり、分割画面の片方からもう片方に手が伸びたり、プールの中にアザラシが泳いでいたりするシーンには、思わず目を引き付けられた。
悲しい過去からの再生の物語は感動的ではあるが、せっかくの綾瀬はるかに、期待したほどの焦点が当たらないのは物足りない。安っぽいテレビ・ドラマのようなラブ・ロマンスにならないのは良いのだが、それにしても、主人公を取り巻く3人の女性のうちの1人に過ぎないという扱いは、残念というほかない。
交通事故のトラウマの克服など、彼女についても、描くべきことは、まだ、いくらでもあったはずである。
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