ビリーバーズのレビュー・感想・評価
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しっかりエロい
仕方がない。山本直樹作品を映像化して、エロく描けなかった方が大問題だ。吉本新喜劇を観にきておいて、悲しいことがあったのに笑ってしまった。どうしてくれるんだ!なんてクレームが通用しないだろう。山本直樹はエロいのだ。
とは言え、氏の描く繊細なエロさが描けていたかと言われれば頷くことはできない。いや寧ろ、あの細い線で紡がれる空気感を映像化できたらとんでもないことなのだ。
ただし、「山本直樹作品=生々しいエロ+繊細な線で描かれる画」だと思っている人間にとって、繊細さが失くなってしまったビリーバーズは映画館で観るVシネマ作品だった。Vシネが悪いわけじゃない。卑下する訳じゃない。賞賛すべき作品ではないけど、嘲罵するほどでもない。評価がし辛い。そもそも評価なんて必要ないか。
本作品の内容に興味を持ったなら、是非漫画で読むべき。これは間違いない事実です。
エロティック・カルト・コメディ
やはり女性は 愛されている瞬間が とても美しい。......たまらんわ。
3人芝居による圧巻の私欲まみれな日常、自分勝手な人間に滑稽さを感じる
宗教の話題が持ち上がったこの時期。この題材が劇場でかかるという皮肉。と聞いてはいたけど、思ったより正しいところに帰結してしまったのが少し物寂しい。ただ、Tシャツに透ける胸はむっちゃエロいことを、真正面に伝えてくる映画ではある。笑
基本はほぼ3人。議長、副議長、オペレーターの3人で無人島暮らし。ニコニコ人生センターを進行する彼らの無垢な暮らし。汚れた俗世にサヨナラするため、淡々とした暮らしぶりを受け入れていく。そのバランスを崩すまでは…。人間が集団として受け入れるコミュニティの最小であろう、3人というのがなんともニクイ。二人の男に邪念が無いとも言い切れず、女は油断を見せない瞬間がないはずがない。初めから切れかかっていた糸が切れたとき、各々の愚行があまりにも目に余って面白い。3大欲求であるうちの1つ、性欲が彼らの輪廻に飛び込んできた時、城定秀夫監督の手腕が一段と光る。
いわゆる宗教観と呼ばれる、誰も立ち入ることの出来ない領域。傍から見たら変わっている、という視点は外界から見ただけの話で、彼らは一切信じ切る。故に問題が絡む。破綻しているような状況であっても彼らは受け入れ、疑うことを罪とする。小さなコミュニティで描きながらコミカルさもテイストしているので、そこに緊迫感は薄い。しかし、段々とパワーバランスを失い、理性も失った彼らの哀れな姿はもっとも人間らしく感じる。ちょっとそこが長いんだけれども。だからこそ、クライマックスは滑稽さを炙っており、凄く好きなシーン。それくらい人間は脆くて痛いのだ。
主演は磯村勇斗さん。圧巻の佇まいに放たれる空虚と、かき乱された性欲がスクリーンで引き寄せる。そこに宇野祥平さんのウザさ、汚さが累乗することで生まれる愚かさがたまらない。主演としての説得力、力の弱さも匂っている点が凄く良い。そして北村優衣さん。眼を見張るほどのスタイルを存分に発揮しているが、何より注目したいのは、垢抜けである。作品の中で漂っていた、処女のようなアイデンティティは汚れた俗世の 中で溶けていく。次第に醸し出される色気に幼さはない。3人芝居だからこそ魅せられる、唯一のヒロイン像に恍惚とした美しさと欲を掻き立てられる。
古い原作ながら高い説得力を持つのは、時代が変わっても進んでいないことの現れなのかもしれない。それほど人間は単純で自分勝手。あまりにも濃い彼らの生活と歪みは、みんなのために頑張った結果なのだろうか。そんなことを考えてしまう。
夏にピッタリ!
宗教に対して知識がないのですが、性欲を悪とするのは一般的なのでしょうか?
なんとなく コントロールするには、我慢し過ぎない方が良いと思いました
夢日記をつけると頭がおかしくなる理由を教えてもらった気分です
怖いですね
よく心が弱い人が宗教にハマると聞きますが、心が弱くない人なんていないし。今自分が当たり前と思っていることを疑うのは簡単でないと感じました
単純に多数派か少数派なんですかね
原作は何年も前に読んだですが。新しい宗教が活発になるタイミングは歴史的に激動がある時なのでコロナ禍を経た今 当時との違いも含めて味わい深かったです
原作者の方が 教祖という'神'的立ち位置で'先生'と呼ばれている役なのはケレン味がありますね
疑わないのと信じるのとの違いを考えさせられる映画でした
あの頃のロマンポルノが蘇る。いやー邦画って本当にいいもんですね〜
なかなかシュールでそれ故に怖い
エロい
「宇野祥平さんが印象に」
森と山と塔
あの頃のちょっと斜に構えた文化の中にいた一人としての記憶と興味が強かった山本直樹(森山塔)。この作品も実家に単行本あるんじゃないかなー。読み返したくなりました。汗臭いエロなのに乾いてる感じが好きな作家さんでした。
そういった意味では今回の女優さんは素晴らしかったけれども、艶っぽいというかウェットが強めだったので、男性二人の乾いた汗臭さにはフレッシュに過ぎたかな、なんて。でもこれは贅沢な感想であって、鑑賞中は「上手いなぁ」としか思ってませんでした。是非とも応援したい所存てあります。あの二人に挟まれての体当たりは相当な胆力が必要だったでしょうしね。お見事です。
時代が一周りして今こそ観る意味のある作品に仕上がっていて、近年急上昇の城定監督の味が全面に出ている好作品ではないでしょうか。
ラスト40分は津波。
AVを見知らぬ人たちと観ているのは、なんだかなあ、と極めて居心地の悪い 80分。しかし残り40分は突然、映画です。
原作マンガは、オウム真理教の事件を下地にして、ピープルズ・テンプル集団自殺事件をもとにしたと聞く。"何も起こらない島" から "あっという間の出来事が巻き起こる島" への変貌は、極端がために、非常にマンガらしく映画らしくて最高でした。
カルト、怖っ!
"外界と切り離された島" という設定は、実はそのままカルト教団の内側を示しているのでしょうね。信じ切っていることって、所詮こんなものなんだよ、こんな詭弁に惑わされちゃってるんだよ、気づいてくれというメッセージなんだと思いました。素晴らしい。
おまけ1
オープニングカットがドローンでのワンカットだとしたら、お見事でした。
おまけ2
自分も「アルプススタンドのはじの方」で城定監督を知った口なので、「愛なのに」そして本作と、ようやく監督が元いた場所での映画も観た、という感じです。今後もいろんな映画を撮ってほしい!
見えないものが見えてくる・・・毒素を出さなきゃなぁ・・・(^_^)
実際の事件とシンクロしてしまい、とてもタイムリーに感じてしまう。しかも7月8日に公開ってのが因縁めいていて凄い。
最初は芸人たちがよくやる無人島生活みたいな雰囲気だったが、ニコニコ人生センターの本部から食料配達が滞るようになり、サバイバル生活を余儀なくされる3人。そして、送られてきたのは大量の小麦粉!うどんにするかパスタにするか悩んでいる面々が面白い。いや、麺々じゃないってば。
人間の欲望の中でも食欲が満たされないとヤバい。夢を語るにしても影響が出てくるはずだし、性欲だって・・・と、意外にも物語はその性欲のほうに向かっていく(*'ω'*)。個人的には濡れTシャツだけでも満足なのに、大胆にもあんなシーンやこんなシーンまで・・・左右の違いはかなりエロチックだと思います。逆にシンメトリーなおっぱいなんて・・・
三角関係というのも絶妙。いくら教団側の実験的要素があっても、こうなる恐れは予想できると思うのに。もう『青い珊瑚礁』ごっこするしかない!ただ恋愛感情とは異にして、「がんばれ、がんばれ」という極めて宗教的儀式だと思いこまなきゃならない辛さ。見えないはずの大波だとか、入信した母親だとか、オペレーターには色々見えてきちゃう。臨死体験なんてやらなくても微かに残った良心が生み出したものか。それとも単なる白日夢?白昼夢?もう気分はデイ・ドリーム・ビリーバーだ♪
人を殺すとかの描写もけっこうあるけど、どこか現実離れしているところは逆に良かった気もする。尊師の血を飲む(多分)とか、妄信的な信者の姿が不気味。やっぱりオウム真理教などのカルトがモデルなのだろう。終盤は連合赤軍っぽいけど、「反省しちゃいけない」ってところが根本的に違った。世界には色んなカルト教団があるので、その一部を垣間見た気分にさせられました。なお、北村優衣の魅力と大胆演技によって加点・・・
行き着く先は欲望
予告は面白そうだし、磯村勇斗だし、城定秀夫監督だし、そこそこ期待していた本作。どんな映画なのか全く分からないけど、なんか良さそう。興味本位で鑑賞したわけですが...これR18やん。なんで15なんですか?笑 城定監督の真の姿って感じですね。
まあ、とにかく性的なシーンが多いこと。
直接的なものもありますし、セリフもそういうのばかり。予告からはそこまで感じ取られなかったので、受け入れきれない人も少なくないかなと。私も結構苦手な方なんですけど、新人・北村優衣の美貌により見れました。声のトーンとか、可愛くもあり美しくもある顔立ちとか、かなり魅了されてしまいました。
頻繁にそういったシーンがある訳ですが、もちろんそれだけではありません。ちゃんとストーリーも骨太で見応えがあり、全く飽きさせず非常に面白い。謎が多いからこそ、これからどうなるんだろうかと予想が全くつかないし、集中して見てしまう。城定節も効いており、カメラワークやら演出やらがたまらなくいい。この監督、今年何本撮るの。しかも、全部面白いんですけど。斜め上行く変態映画はこの監督に任せたら勝ち確。大好きです。
胡散臭く、舞台っぽいセリフまでも上手く見せてくれるのがこの映画。バカらしいな〜と思いながら笑えて、でも洗脳ってこういうことなんだろうな〜とちょっと考えて。同日に見た「X エックス」と同じように、ポルノ映画としての質も高いし、カルト映画としてもかなりよく出来ている。パワーかオーラか知んないけど、何故かめちゃくちゃ引き込まれるものがこの映画にはあります。すごく不思議。
突拍子の無さが受け止めきれなかったり、説明不足過ぎて頭の上にクエスチョンが浮かんだりしたけれど、磯村勇斗と宇野祥平の気持ち悪い演技は最高だし、飲み込まれそうになり謎の安心感覚えてしまう空気感が奇妙ながらも素晴らしいし、言語化が難しいけどとにかく変な映画でした笑 でも、結構面白いんだよな〜。
こんなに色々考察して、制限して、人の役に立とうとしておいて、結局は性には抗えないと。浅いようで深い。もう、人間ってやな生き物ね。そもそも、女性を一人で送り込ませる時点でそうなる事はほぼ確定。ということは、先生はこれまでも計画していたのか?だとしたら、いや、そうじゃないとしても先生はめちゃくちゃ気持ち悪いですね。
これはもう原作がよく出来ているんでしょう。
すごく濃密で楽しかった。あまりにも多いわ!長ぇわ!とは思ったけど、ストーリーがものすごく面白かったから大満足です。北村優衣にはすごく注目ですけど、これを超えるのだろうかと不安なのは私だけじゃないはず。
城定監督作品で、初めてイマイチと感じた映画
城定監督の映画が好きで、上映されると必ず観に行きます。今年前半に観た『愛なのに』も予想以上に面白かったし、その次の『女子高生に殺されたい』も見どころ豊富な良作でした。今回の新作は原作が山本直樹、更に本人出演も有り!これは観るしかないでしょう。私は遥か昔、山本直樹の新しい漫画が出ると、必ず買って読んでいたものです。そして、同好の友人と山本直樹作品について語り合った日々は、今では懐かしくも良い思い出です。この新作は良作に間違いない!と、観る前から勝手に予想して、映画館の席に座り、ワクワク気分でいました。
ところが、上映が始まって、10分、20分と経過しても、何か引き込まれるような場面が余り出てこない印象。上映前のワクワク感がだんだん消えてくるし、テンションが下がってきます。後の席では寝落ちしたらしい客のイビキ声が聞こえてきて、うむ、この内容だと疲れてたら寝落ちする人もいそうだと感じました。
そのうち、エッチな裸のシーンが増え始めます。私は貧乏暇無しながら、映画館が大好きなので、睡眠時間を削ったり、有休を上手く使ったりして、1年に150回ほど映画館に通っていますが、裸のシーンがここまで多い映画は無かった。人並み以上にエッチ好きな私は本来、こういう映画は特に引き込まれてしまうのですが、意外と個人的には不思議とエロい気分にはなれず終いでした。これは私が筋金入りのエロ好きで、エロい映像を観過ぎているのも原因の一つと思われますが、恐らく城定監督の優し過ぎる性格ゆえか、余りハードなエロ表現を出演女優に要求しなかった事も一因かもしれません。しかしながら、普段良く行く映画館の大スクリーンで、若い女性の美ボディを観るのは、さすがの迫力で非常に良いものです。エロい場面になると、何かに忖度してるのか、急に照明が暗くなる嫌がらせみたいな邦画が多いのですが、この映画はめっちゃ明るい映像ばかりというのも良いですね。「内容は置いといて、映画館で裸のシーンを多めに観たい」みたいな人にはオススメかもしれません。映画の中盤辺りで、後部座席にいたオタク風の30歳風の男性客が、もっと近くで見たいとばかりに、急に前の席に移動してきて、「おいおい、勝手に席移動するんじゃないよ」と思うと同時に、「だが気持ちは分かる」と思ったりもしました。
この映画、ハッキリ言って城定監督が初めて作った失敗作と感じました。山本直樹の原作が20年以上昔の作品だったため、カルト宗教の捉え方に時代性が強過ぎて、今では違和感があるからなのでしょうか。よく分かりませんが、この映画はリアルタイムで20年前に作られていたら、今とは評価が違っていたかもしれません。正直言って映画としての面白さが薄く、笑わせたいのか何だかよく分からない意図不明なシーンも多くて、何を伝えたいのか、映画的なメッセージ性も薄い。映画の中で現実と夢と妄想が入れ混じる箇所が結構出てくるのだが、それが効果的に上手く表現されてるという感じが無く、そこも違和感ありで、俳優陣もこの奇妙な台本を消化しきれてなさそうな印象があって、残念ながら世界に入り込めず、正直余り楽しめませんでした。城定監督の他の映画はどれも好みだっただけに、これは意外な結果でした。余り低評価はしたくないのですが、他のレビューを眺めると結構良い評価が多いのを見て、こんなレビューを書く人が1人いてもいいかな~と思い、辛口ですが低評価にしました。城定監督の次の新作が出たら、また観に行きます。次回は好きな作品になる事を祈ります。
昔読みあさった山本直樹、ビリーバーズは読んでいなかったが、小さな世...
カルトから生まれたまこと
新人女優、体を張った演技が光る
予告編からも前半の展開は想定内であったが、偶然にも、カルト宗教への関心が高まっているこの時期に公開されていることから、カルト宗教の様子を垣間見ることもできるだろう。ちょっとポップに描き過ぎているようなところもあるが、いざ没入してみると、怪しさもおかしさも感じなくなるものなのだろう。劇中歌は上映後しばらく頭に残ったし、お題目のように繰り返し唱えられるフレーズも耳につく。自由意志を奪われたその先にあるのは、教祖(教義)を盲信するしかない、まるで機械のような生き方・あり方である。上映終了まで約2時間といったところだったが、けっこうな割合をお色気シーンが占める。ストーリーの展開は特に前半緩やかであり、やや長く感じた。ただ、新人女優・北村優衣の体を張った演技は、包み隠さずいえば「眼福」ものである。眠たくなることはなかった。宗教にハマっても三大欲求には抗えない…。
気になって観てしまいました
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