ビリーバーズのレビュー・感想・評価
全134件中、41~60件目を表示
汚いはずたのに何故か綺麗に見える不思議
2022年劇場鑑賞50本目 良作 60点
ある意味2022年特に印象に残っている作品。
言わずもがな脱いでいた女優さんの身体の張り具合には、劇場でここまでやるんだあと衝撃的だったのを覚えています。
女優さんもそうだけど、磯村勇斗もよく今作受けたなあとも思った。
本人も認識していると思うけど、年齢的にもそうだし群雄割拠の若手イケメン俳優のカテゴリーにはいつものの、そこでは生き残っていけないのがわかっているんだろうなあと思う。
これからも注目していこうと思います。
話がそれましたが、今作はそんな凄まじい描写が多かったり、サバイバル生活なので汚いはずなのに、何故だか終始汚く見えないというか、なんならたまに神秘的というか、綺麗にすら見えました。
これは是非ともご自身んで鑑賞して感じてほしいポイントの一つです。
展開そのものは予想を大きく超えるものではなくとも、決して目を離せない一作
山本直樹の原作を未読のまま鑑賞した観客による感想です。主要な登場人物はわずか三人、隔絶した無人島の、さらに居住区や海岸など、限られた箇所が舞台という、要素を切り詰めまくった設定となっています。
冒頭、それぞれの足の裏を合わせて、三角形を形作る、という独自の瞑想に励む三人の姿が映し出されます。彼らの生活は、互いへの敬意と宗教的な情熱に裏打ちされて、一見すると完璧な調和が取れた生活を送っているように見えます。ところが「本部」からの食料が届かなかったり、自らの内にある不浄をそぎ落とすという名目の修行が上手くいかない、など、この調和が取れた世界は開幕時点で既に綻びが生じていることが示されます。
より浄化された自分になるため、としつつ、実際は諸々の欲望を抑え込んでいるだけの修行生活がどのような結末を辿るか、同じ原作者の『レッド』とか、洋邦問わず過激な宗教団体が引き起こした凄惨な事件などからおおよそ想像が付いてしまうのですが、城定監督の会話劇と肉欲、残虐描写の配分は絶妙で、展開そのものにそこまで意外性を感じなかったとしても、中だるみ思わせる隙はほぼ見出せませんでした(むしろ最終版の楽器の使い方など、全く想定できないだけに衝撃的…)。
しかし色々な意味で、俳優表情の付け方も音の使い方も名人芸に達している城定監督の冴えた演出が光る本作を、R15+でも公開して良いんだろうか…。
みんなのために。
無人島で俗世の汚れを浄化するために修行をするカルト宗教の信者3人が徐々に欲望と本能にまみれていく話。
このカルト集団のスローガンが「みんなのために頑張ろう」なのだが、多分宗教って自分が助けを求めて自分のために入るものだと思うので、そもそもの信条が矛盾してる。議長も自分が優位に立てる環境にいたいだけだし、副議長も自分が旦那から逃げるために入ってるっぽいし。
多分この2人みたいに自分のために宗教を上手く利用してるのが正しくて、オペレーターはお母さんのために入信して本当に自分もズブズブになってしまったクチ。だから1番マジモンの信者っぽいのよね。
ちなみにガバガバな宗教の理論で、1番それいいのかよと思ったのは、パスタが小麦粉だけでできてるのをパスタのゴミの袋から見て判断したこと。それもうスマホでパスタの作り方検索してるのとあんま変わらんくないか?と思った(笑)
要は無人島で意味の無い修行をさせられて暇で、段々段々ムラムラしてきちゃってそっちがメインになっていくので、ほぼピンク映画。Tシャツが雨に濡れて胸が透けるのとか、海の岩陰での濡れ場やら、換気扇越しにそういう雰囲気になりそうな男女を捉えたり、やってんな〜って感じだった(笑)
濡れ場とは対照的に早口長ゼリフシーンが強烈で、もう私の中で今年の助演男優賞は確実に宇野さんです。
まさかの!
振り返ると青空、海、裸
1999年ぐらいのどこか終末感のある頃の漫画なのに
2022年にもなって今も変わらず、カルト的集団の異様で独特な雰囲気が
昔と思えない肌感で観れるのが、なんとも異常なことではあるのだが
そういったストーリーが一瞬で消し飛ぶほど裸で海に立つ北村優衣さんに奪われるものがあった。
徐々に加速するエロと閉鎖世界で歪んでいく人間関係がグチャグチャになって
この3人の結末はきっとこうなってしまうだろうなと思ったけど
二人の会話にはどこか影があって、もっと恐ろしいことになってしまう予感さえ感じた
磯村勇斗さんの優等生でありどこか危険な顔もみえてしまう、危うさが
配役のオペレーターさんのなにかわからないが何かある感じに深みが出ていて良かった!
ストーリー的に人を選ぶ物語ではあるが、海岸で交わる画は、この夏最もエロくて人恋しくさせる
しっかりエロい
仕方がない。山本直樹作品を映像化して、エロく描けなかった方が大問題だ。吉本新喜劇を観にきておいて、悲しいことがあったのに笑ってしまった。どうしてくれるんだ!なんてクレームが通用しないだろう。山本直樹はエロいのだ。
とは言え、氏の描く繊細なエロさが描けていたかと言われれば頷くことはできない。いや寧ろ、あの細い線で紡がれる空気感を映像化できたらとんでもないことなのだ。
ただし、「山本直樹作品=生々しいエロ+繊細な線で描かれる画」だと思っている人間にとって、繊細さが失くなってしまったビリーバーズは映画館で観るVシネマ作品だった。Vシネが悪いわけじゃない。卑下する訳じゃない。賞賛すべき作品ではないけど、嘲罵するほどでもない。評価がし辛い。そもそも評価なんて必要ないか。
本作品の内容に興味を持ったなら、是非漫画で読むべき。これは間違いない事実です。
エロティック・カルト・コメディ
やはり女性は 愛されている瞬間が とても美しい。......たまらんわ。
3人芝居による圧巻の私欲まみれな日常、自分勝手な人間に滑稽さを感じる
宗教の話題が持ち上がったこの時期。この題材が劇場でかかるという皮肉。と聞いてはいたけど、思ったより正しいところに帰結してしまったのが少し物寂しい。ただ、Tシャツに透ける胸はむっちゃエロいことを、真正面に伝えてくる映画ではある。笑
基本はほぼ3人。議長、副議長、オペレーターの3人で無人島暮らし。ニコニコ人生センターを進行する彼らの無垢な暮らし。汚れた俗世にサヨナラするため、淡々とした暮らしぶりを受け入れていく。そのバランスを崩すまでは…。人間が集団として受け入れるコミュニティの最小であろう、3人というのがなんともニクイ。二人の男に邪念が無いとも言い切れず、女は油断を見せない瞬間がないはずがない。初めから切れかかっていた糸が切れたとき、各々の愚行があまりにも目に余って面白い。3大欲求であるうちの1つ、性欲が彼らの輪廻に飛び込んできた時、城定秀夫監督の手腕が一段と光る。
いわゆる宗教観と呼ばれる、誰も立ち入ることの出来ない領域。傍から見たら変わっている、という視点は外界から見ただけの話で、彼らは一切信じ切る。故に問題が絡む。破綻しているような状況であっても彼らは受け入れ、疑うことを罪とする。小さなコミュニティで描きながらコミカルさもテイストしているので、そこに緊迫感は薄い。しかし、段々とパワーバランスを失い、理性も失った彼らの哀れな姿はもっとも人間らしく感じる。ちょっとそこが長いんだけれども。だからこそ、クライマックスは滑稽さを炙っており、凄く好きなシーン。それくらい人間は脆くて痛いのだ。
主演は磯村勇斗さん。圧巻の佇まいに放たれる空虚と、かき乱された性欲がスクリーンで引き寄せる。そこに宇野祥平さんのウザさ、汚さが累乗することで生まれる愚かさがたまらない。主演としての説得力、力の弱さも匂っている点が凄く良い。そして北村優衣さん。眼を見張るほどのスタイルを存分に発揮しているが、何より注目したいのは、垢抜けである。作品の中で漂っていた、処女のようなアイデンティティは汚れた俗世の 中で溶けていく。次第に醸し出される色気に幼さはない。3人芝居だからこそ魅せられる、唯一のヒロイン像に恍惚とした美しさと欲を掻き立てられる。
古い原作ながら高い説得力を持つのは、時代が変わっても進んでいないことの現れなのかもしれない。それほど人間は単純で自分勝手。あまりにも濃い彼らの生活と歪みは、みんなのために頑張った結果なのだろうか。そんなことを考えてしまう。
夏にピッタリ!
宗教に対して知識がないのですが、性欲を悪とするのは一般的なのでしょうか?
なんとなく コントロールするには、我慢し過ぎない方が良いと思いました
夢日記をつけると頭がおかしくなる理由を教えてもらった気分です
怖いですね
よく心が弱い人が宗教にハマると聞きますが、心が弱くない人なんていないし。今自分が当たり前と思っていることを疑うのは簡単でないと感じました
単純に多数派か少数派なんですかね
原作は何年も前に読んだですが。新しい宗教が活発になるタイミングは歴史的に激動がある時なのでコロナ禍を経た今 当時との違いも含めて味わい深かったです
原作者の方が 教祖という'神'的立ち位置で'先生'と呼ばれている役なのはケレン味がありますね
疑わないのと信じるのとの違いを考えさせられる映画でした
あの頃のロマンポルノが蘇る。いやー邦画って本当にいいもんですね〜
なかなかシュールでそれ故に怖い
エロい
「宇野祥平さんが印象に」
閉鎖空間の宗教的狂気と人間の性欲
とある孤島で生活をする2人の男と1人の女。「ニコニコ人生センター」という宗教的な団体に所属している3人は、『孤島のプログラム』と呼ばれる無人島での共同生活を送り『安住の地』へと旅立つ日に思いを馳せていた。メールで送られてくる不可解な指令が、性欲や過度な食欲に物欲といった俗世の汚れを浄化し「安住の地」へ出発するための修行なのだ。だが、飢えとの戦い、突如現れた外界からの侵入者、ほんの僅かなほころびは、徐々に互いの本能と欲望を暴き出してゆく、というストーリー。
テアトル梅田が閉館なので何でもいいから、というチョイスで鑑賞。期待していなかったがなかなか面白かった。
振り切った狂気を演じる3人がそれぞれはまっており、特に宇野祥平の熱演は暑苦しくてよい。無人島で三人きりなので儀式の馬鹿馬鹿しさに客観的な視点がなくツッコミのないボケが段々と歪んでいく様子に引き込まれていく。
ヌードや濡れ場などのシーンがやや長いが、城定監督ということも見せ方もうまく、北村優衣の脱ぎっぷりとスタイルもストーリーに説得力を持たせている。
何気にテーマ曲がいいと思ったら曽我部恵一を主題歌に迎えていて驚き。
人間の欲を明らかにするにしては愛欲に寄り過ぎている感が否めない。あらゆる欲を描いてほしかったが原作があるのでそこは難しいところか。
また、あえてではあるとは思うがオチに広がりを持たせるのはいいが、やや広すぎる。それだけに最終的な印象が少しぼやけたかもしれない。
森と山と塔
あの頃のちょっと斜に構えた文化の中にいた一人としての記憶と興味が強かった山本直樹(森山塔)。この作品も実家に単行本あるんじゃないかなー。読み返したくなりました。汗臭いエロなのに乾いてる感じが好きな作家さんでした。
そういった意味では今回の女優さんは素晴らしかったけれども、艶っぽいというかウェットが強めだったので、男性二人の乾いた汗臭さにはフレッシュに過ぎたかな、なんて。でもこれは贅沢な感想であって、鑑賞中は「上手いなぁ」としか思ってませんでした。是非とも応援したい所存てあります。あの二人に挟まれての体当たりは相当な胆力が必要だったでしょうしね。お見事です。
時代が一周りして今こそ観る意味のある作品に仕上がっていて、近年急上昇の城定監督の味が全面に出ている好作品ではないでしょうか。
みんなのためにがんばりましょう
なんやかんやあって、突然やってきた馬鹿5人の言ってたフリーセックス状態になるのが、完全を目指しても人間らしい部分を捨てられなかった答えのようだった。
禁じていた欲が爆発して、2人だけの世界になってからの野生的なまぐわいは、果たして議長が求めていた「愛」だったのか、それとも人間として「結合」を避けることはできないというバッドエンドなのか。
夢に従って淫猥行為に至ったのはギリ許すとして、全力で応援されて「頑張れ」と連呼される状況がシュールというか笑いが堪えられなかった。
俗世であれば、できるだけ内密に行いたい行為を応援される光景は、人生で初めて目にした。これは私の初体験だ。
全134件中、41~60件目を表示