「なかなか良いロケーションだった。画が映える」ビリーバーズ つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
なかなか良いロケーションだった。画が映える
異物が入り込みまくった「青い珊瑚礁」
様々なその異物は滑稽で滑稽で笑えてくる。当人たちはいたって真剣なのだろうが、全く住む世界の違う自分のような者にはわけの分からないシュールなコメディを観ている気分にさえなる。
議長、副議長、オペレーターの三人は何を求めてこの島にいるのだろうか?
教えに導かれ高みへというのは分かる。知りたいのはその前の根源のところだ。
何になりたいのか、どうしたいのか、それが分からない。まあ当人たちもきっと分かってないんだろうね。そんなことが分かるくらいならこんな島にはいないだろうしね。
そんな何も分かっていない者たちが原始的な、とまではいかなくともサバイバル生活を強要されるのだから、人の本能に準ずる機能が活性化してしまうのも仕方がない。
理性的であることと文化的であることは比例するだろうから。
観終わったあと、妻とのディスカッションで「ちょっと副議長さんはエロすぎたよね」との意見をもらった。副議長さんのエロさに抗うのは難しいだろうということらしい。
確かにその通りなんたけどレビューに書きにくいなあと思った。
でも結局書いた。
エロさというのは一種の芸術なわけで、芸術というのは文化だ。食べるものがないなど文化的なものが奪われていく中で残った文化的なもの(副議長さんのエロさ)にむらがるのは、見方によっては全力で本能に抗ったと言えるのではないか。
自分でも言ってることが矛盾してるなとは思うけれど。
コメントする