カラーパープルのレビュー・感想・評価
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ミュージカルになることで、鑑賞しやすいエンターテイメントに♪
少し前までは、ミュージカル映画が苦手でした。何故?そこで?急に?歌い出すのかな?なんて、こっちの心情そっちのけで進んでいくストーリー展開に全くついていけなかったのですが、「ラ・ラ・ランド」「グレイテスト・ショーマン」「ボヘミアン・ラプソディ」など、数々の名作ミュージカルに出会い、今では好んでミュージカル映画を観るようになりました。最近のお気に入りはインド映画の「R R R」です。
ミュージカル映画の何がよいかというと、やはり問答無用で、ソウルフルであるということ。順を追って心情を丁寧に描き出す映画も良いのですが、細かいことは置いといて、とりあえず想いを歌にしたから聞いてくれ!という単刀直入感が潔いと思うのです。任侠ものやホラー映画など、まだまだ好んで鑑賞していない映画もありますが、思い切って一度その世界に飛び込んでみると、もしかしたら新しい世界が広がるかもしれません。
この「カラーパープル」という映画は、巨匠スティーブン・スピルバーグが1985年に手がけた名作映画「カラーパープル」をミュージカル映画としてリメイクした作品です。オリジナルを知らない人にとっては、こっちが正解だったのでは?と思うほど、この映画にミュージカルという手法がマッチしています。ミュージカルにすることで、虐げられた悲惨な人生を送っている主人公たちの重苦しく鬱屈とした日常がそこまで暗くなりすぎません。繰り返し鑑賞したくなる明るさと軽やかさを残しています。勧善懲悪で迎えるラストも、高らかに歌い上げる魂の歌が、爽快感を後押ししてくれます。また、オリジナルとは異なる物語の大ラスは、勧善懲悪を超えて、悪人にも悔い改めるチャンスが与えられいます。この映画は、人は赦されるべき存在であること、不遇な境遇から立ち上がる強さと、人生はいつでも何度でもやり直せることを教えてくれる映画です。
これは最初からミュージカル向きだった
1909年のアメリカ、ジョージア州で父親からの虐待、女性差別、搾取に耐え抜き、やがてそこから立ち上がっていく黒人女性たちへのアンセムは、改めて観てみると、ミュージカルとの親和性が高かったことに気づく。女性たちが受ける屈辱的な行為や言葉が目や耳を覆うものであり、だからこそ、その反動として描かれる痛烈なリベンジ劇は、ドラスティックな展開が許されるミュージカルというフォーマットにピッタリだからだ。
1985年にスティーヴン・スピルバーグが監督したドラマ版を観た時に感じた、笑っていいのか、泣いていいのか分からない中途半端なムードは、これが当時のスピルバーグにマッチしていたかどうかは別にして、そもそもこの原作はミュージカル向きだったことが原因なのかもしれないと思った。
しかし、今や1985年の映画を知らない人が多いと聞く。ならば尚更、これを人間の生命力と尊厳を歌と踊りに乗せたミュージカル映画としてオススメしたい。中でも、オリジナルのブロードウェー・ミュージカルでもヒロインのセリーを演じたファンテイジア・バリーノが熱唱する"I'm Here"は文字通りショーストッパーもの。気持ちがアガることをお約束したい。
歴史と社会の見事なエンタメ化
スピルバーグ作(1985) はかなり忘れてしまっていましたが前知識は全く不要で、ゴスペルとブルースを基調とした怒りと突破の歌声は本作にピッタリでした。白人から虐げられた黒人社会の中にも女性蔑視が塗りこめられているいう二重構造の呻き声が響き渡ります。エンタメ性を保ちつつ歴史と社会をこれだけの迫力のミュージカルにするなんて日本映画には当分出来そうにありません。そもそも、日本には本気のミュージカル映画なんてないよな。
black, poor, ugly, woman, but i’m here
ミュージカルにするのであれば、この掛け合いをそのまま歌に落とし込めなかったのかな。暴力により強いようとする男を指で制する名場面のはずだが、尺も間合いも足りておらず、シーンをただ消化した印象を覚えた。
ここに関わらず、全体的に詰め込み過ぎなのが気になる。音楽も前奏短く、さっさと歌い出すので、芝居とのつながりやバランスに違和感を覚えたところも多い。
主人公と対照的な人柄のソフィアは85年版でオプラの好演もあって重要な役割を果たしたが、今回は好感が持ちづらく、場面も少なくて、存在が希薄である。他方、存在が大きく描かれたシュグであるが、セリーとの差がなくて、スター感は突出しない。
圧倒的なパワーで歌い踊る黒人女性賛歌‼️
ミュージカル演出の勝利ですね。
1909年当時の少女時代から1947年までの40年間に渡り、
夫や男社会に虐げられ自由を奪われていた黒人女性が、
自己を肯定して自己を愛して生きる、までになる日々を
歌と踊りで描いています。
よく踊りと歌の背景になる風景が、
海辺で朽ちた大木が奇妙な形で倒れてたり、曲がりくねって立っていたりする
木が背景。
それは葉を落として枝が風圧で曲りくねっても、
折れずに死なずに存在している《女たち》を象徴するかのようです。
アリス・ウォカーの原作を1985年に映画化した
スティーブン・スピルバーグの映画はとても衝撃的な内容で、
私は一気に奈落へ落とされました。
まだ14歳で養父の子供を2度も出産したセリーは、
生まれたばかりの子供を、たった一日で引き離されて、
子供はどこかへ貰われていきます。
そしてやがてセリーは売り飛ばされるように横暴な男の元へ嫁ぎます。
この辺をマイルドにして、しかも歌い踊るパワフルな映像は、
1985年作品の重苦しくタブーに満ちた内容とはほど遠くて
とても前向きで観やすい内容となっています。
黒人女性たちの憧れとなるカリスマ歌姫のジュグ・ベイリー。
彼女は牧師の娘ながらゴスペルを拒否してブルースを選び
スター歌手になるのです。
そして一方の妹のネティ。
この映画はセリーとネティ姉妹の離れ離れにしてお互いを思い続ける
「母を探して何万里」みたいな内容。
《姉妹愛の物語なのです》
ネティは養父に迫られて逃げ出し、姉の元に身を寄せると今度は
姉の夫に寝床に入ってこられる・・・と女として苦難の連続。
しかしその運命を受け入れずに独立して行く強い女性です。
とても音楽も映像も美術も衣装も素晴らしいです。
ただ、白人がほとんど登場しないのです。
まるで黒人しかいないみたいに、黒人女性の敵は、黒人男性である
・・・みたいな偏向もやや不可解ですね。
元気の良いソフィーナが、メンフィス市長夫人(白人)に、
「メイドにならない?」と声をかけられて、
「真っ平ごめん!!」
と大暴れして獄中の人になる。
この部分が唯一白人との接点というか、差別を描いていました。
黒人による黒人のための自由と女性解放運動の映画!!
そんな感じも受けてしまいました。
ミュージカル!!良き!!!
月に8回ほど映画館で映画を観る中途半端な映画好き。
なので専門的過ぎないライトな紹介を書いてます。
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スピルバーグの有名作をミュージカルで再構築した本作。
スピルバーグの原作は未鑑賞なのでこの映画だけで
評価しますが、いや〜〜〜楽しい!!
黒人と言うだけでも生きにくい時代に
女性の扱われ方が同じ黒人の中でも家畜の様な時代。
実の父親や旦那に性暴力やモラハラを受けながら
何とか逞しく生き続けた黒人女性の物語。
始まりはミュージカル好きには堪らない
大勢のダンサーの息のあった大群舞!
もう、一気にトリコです!!(笑)
正直映画の前半は男社会の女性蔑視による虐待の連続!!
かなりキツイ話なのですが、ミュージカル故に苦しい局面が
それ程苦しくない観やすいルックになっていて
途中から女性の自由な生き方への反撃になって行く!!
イエ〜〜イ!!
気持ちいい、気持ちいい!!
ブロードウエイで同じ役を演じた役者さんがそのまま演じてます。
それだけでもアメリカに行かないと観られないブロードウエイ作品を観た!
って感じです。
ミュージカル苦手って人の気持ち、解らなくはないのです。
「いきなり歌い出すのって何!!」
ミュージカルの中にはミュージカル大好きな私でも
それはどうよ??と言う作品もありますが、それでも
ちょっと待って!!
一本の映画の中で現代アメリカ最高峰のダンスと、歌唱と演技が
いっぺんに観られるなんて超お得なコンテンツだと思いませんか??
ミュージカルには演技を超えた踊る熱量と歌う熱量が上乗せされて
より重層的な五感の快感が乗っかっています。
演技、歌、ダンスの三段重ね御重を味合わないのは勿体無い気がします。
ぜひ一度ご覧くださいませ。
女性の辛さがよく伝えられる
女性の一人としてすごく共感だった。人種や地域にかかわらず今になってもまだ差別があり、自分の権利をもって生活できない女性はまだ世の中にいる。この映画は悲しい事実を伝うだけではなく、ストーリーズを通して希望も与えくれた。ミュージカルでキャラクターの感情がよく感じられた。
自由を手に入れるために戦い続けた女性たちの生き様を描いた映画
エミレーツ航空の飛行機の中で鑑賞。
スティーブン・スピルバーグ監督の作品だと知ったのは、観た後。
作者・アリス・ウォーカーの人生を題材にし、1982年に出版された時にはピューリッツァー賞と全米図書賞を受賞したとのこと。この映画はリメイク版。
人々に生きる力を与える映画。
暴力や差別、自由を奪われた人々が立ち上がり、自分の力で自由を勝ち取っていく物語。
内容は非常に暗くて辛いが、ミュージカルで明るく描かれているおかげで非常に見やすいし受け取りやすい。
屈することなく強く逞しく生きていきたくなる映画だった。
とっても明るい作品になりましたねぇ
僕はオリジナル版が大好きがゆえに本作の
かなりエンタメに寄せたテイストがちょっと
苦手に思ったのかもしれません。
ミュージカル映画になっていることで、常に前向きな
気分になれる雰囲気。・・・あまり落ち込まない。
オリジナル版と違って、エピソードを登場人物それぞれ
細かく丁寧に描いている。
・・・わかりやすい反面、結構先が読める。
だから女性たちの自立の過程のワクワクや、
ラストの感動がちょっと薄くなっちゃったかな?
って感じでした。
けど、オリジナル版を観ているからという点が
大きいかもしれません。
僕としては映像の行間を読むような作品が好きなので
ここまでわかりやすくみせてくれると、ちょっと・・・
って感じになっちゃいますが、ミュージカル版が
ベースですからいたしかたないのかも?
けど、良作です。
自身の尊厳を取り戻す女性の話。
主人公の女性が様々な女性との出会いを通じて、自身の尊厳を取り戻し、道を切り開いていくお話。
この映画を観て、やや心が重くなった。
この主人公が置かれた環境があまりに酷いものがあったからだ。
厳格すぎる父の元で育ち、最愛の妹と生き別れ、お腹を痛めて産んだ2人の子供ともすぐ離れ離れにさせられ、見知らぬ男の元で奴隷のように虐げられて暮らす。
この映画は、男尊女卑や人種差別、貧困問題とか色々な問題を含んでいるのかなと思った。
だからこそ鑑賞している中でたくさんの人に色んな部分が色んな刺さり方をする映画だと感じた。
その中で織り混ぜるブラックの人たちの歌や踊りは、とてもエモーショナルで圧巻だった。
色んな人に遍くおすすめできるかなりビターなミュージカル傑作映画。
印象が違うがいい映画だった
オリジナルは相当昔に観た記憶はあるが、細かいところは全然思い出せない。黒人女性が強く生きる物語くらいしか印象に残っていなかった。それでもこの映画をミュージカルにするの?という違和感は強かった。歌と踊りが入るとシリアスさが和らいじゃうと思ったから。
でも、実際に観てみると細かいところを覚えていないから、違和感覚えるというよりも踊りと歌(特に歌!)に圧倒されてしまった。そりゃあれだけ上手い人を集めてミュージカルにしたらすごい迫力になるよな。楽曲も普通によかった。自分たちも踊れるに違いない!
たしかに凄惨なシーンは多くない(元々こんなもんだっけ?)。そしてストーリーも白人に対抗する黒人女性というよりも、姉と妹の愛情や女性同士の友情を描いた話だったし、女性が男(しかも黒人男性)の支配から逃れて自立しようとする話だった。オリジナルも同じ話なのに別の印象ってことは、時代や社会状況が変わったということかもしれない。そういう意味で今作られた意味もあったのだろう。いい映画だった。
黒人の方々の歌とリズム感に酔いしれる…。
黒人の女性のスタイルは、ホント、黄色人種の私たちとは全然違う。
迫力あるボディを楽器のように響かせて歌い上げる曲の数々は圧巻。
ダンスも表現力も素晴らしく、テーマの重さからくる憂鬱も救われました。
女性を本気で殴る男はサイテー。
私なら、仕返しに、睡眠薬で眠らせるか、スタンガンで気絶させて、縛ってベランダからつるして、社会的に抹殺する(実際にしたことはないです)。
長い歴史の中で、苦難に耐え忍んできた黒人の女性たちにエールを贈りたい。
同じ頃の日本でも、女性は嫁という子どもを産む家政婦扱いだったのだろうと気づく。
明治時代の嫁は、誰よりも早く起き、誰よりも遅く寝て、家族の3食の食事を用意し、家事全般を家電もない中こなし、風呂は一番最後、嫁が不倫しようものなら重罪って、奴隷じゃんと思った。
どんな男性も、女性から産まれるので、女性にはかなわないと分かっているのに、変なプライドに邪魔されて、女性を虐げちゃうのかなー。
小さい男の子ならかわいいけれど、おっさんがしても愚かとしか思えない。
現在でも、イスラム圏やアフリカ、中国やインドなど、まだまだ女性の人権がないがしろにされているエリアはたくさんある。
女性は男性を支配したいとか、跪かせたいとか思っていなくて、ただ自由に生きたいだけなんだけれど。
女性が政治の中枢にもっと増えれば、今よりは平和な世界になるような気がします。
遥かに華やかに
ハリウッドの名作がブロードウェイのロングランになり、双方のキャストとスタッフが集まり届けるミュージカル、モブキャラも歌って踊るからなんかインド映画っぽい
差別と暴力がなおあからさまだった前世紀初期にアメリカ深南部を生きた姉妹
最近のハリウッドはささやかなハッピーエンドとか描かないから剛毅な大団円でそれもまた良い
ミュージカル版で新たなカラー・パープル
あの名作がブロードウェイ ミュージカルを経て、再映画化。プロデューサーにスピルバーグもアリス・ウォーカーも名を連ねている。なるほど、ストーリーの大スジは同じだけど、細部の設定や描き方はかなり変わっている。勿論、黒人差別、女性の人権という部分は変わらないが、女性の自立という雰囲気がより強く主張されているように感じた。加えて、神の御業、悔い改め、許しについても色濃く歌や台詞に描かれていて、ゴスペル要素が強くなっていた。キャストは他のヒット作でも観たことがある女優さんが複数、そして皆歌もダンスも素晴らしい。
ウーピーもしっかり顔を出していたシーンがあり、前作へのリスペクトも感じられ、新たな今作のミュージカル化はより物語の流れや抑揚が感じられて、とても良かったと思う。
もう少し話題になってもよいような気がするが、公開劇場も、上映回数も多くなくて、ちょっと残念。
強く生きなきゃ!!て思た。
すごく良かった!
ミュージカル版じゃないほうの映画は見たはずだけど、
記憶に残ってなかったので、展開の先読みとかナシで。
冒頭の曲がイイ感じで。
なんだか、必死に生きてきた(であろう)両祖父母のこととか、必死に僕を育ててくれた両親のこととか、今も必死に生きてる弟のこととか、若くして亡くなった姉のこととか、いろいろ考えて。『強く生きなきゃ!!』て思た。
仕事とか生活とか健康とかアラフィフ独身とか、色々あるけど、『強く生きなきゃ!』て。
ミュージカルとしては、冒頭の曲と、シュグとのデュエットの曲とか、素晴らしかった。
シュグ役の人が山村紅葉さんに見えて(^o^)
あと、産婆さんってウーピー・ゴールドバーグだった??クレジットには出てこなかったような気がして、見間違い??
脚本は普通だが音楽は素晴らしい
素敵な話だとは思うが、正直、話の運び方とか演出は普通…
ミュージカルらしい元気いっぱいなダンスと音楽は華やかで前向きなものばかりで良かったです。
主人公が覚醒するまでが長くて、せっかちなイマドキ視聴者は辛い…パパも旦那ももっと早く殴って蹴って沼に沈めとけと思いました。
黒人差別・女性蔑視の時代に強く生き権利を主張した女性たちを讃える気持ちは伝わってきましたが、その分男性が見るには辛いかも?
愛情深い男性も出てきましたが、基本的に男性が悪役、女性が正義というスタンス。悪い女性が居ない。
でももう予定調和でも良い。
約束されたハッピーエンドは泣けました。
ミュージカルにする前が想像できないくらいミュージカルで、サウンドトラックが聞きたいです!
全ての女性へのアンセム
どの曲も素晴らしいのはもちろん、歌も踊りも演技も、みんなパワフルで素晴らしい。
ミュージカルとして、本当に楽しめる映画でした。
時代ということもあって、なんの意識も無く息をするように男尊女卑をする男達。
流石に、今の日本では、そこまでの男性に会ったことはありませんが、程度の差こそあれ、未だに意識無く女性軽視な発言や態度を平気でする男性っているので、映画は過去の話であっても、とても考えさせられるストーリーでした。
男性や女性、人種などでは無く、ひとりひとりが個の"I(私)"として存在し、互いに尊重し合える世の中になれば良いなと改めて感じました。
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