「正直そこまで...」ウォンカとチョコレート工場のはじまり ふくべもんさんの映画レビュー(感想・評価)
正直そこまで...
ネタバレ全開&あまり良い意味で書いていないのでこの作品が好きな方は読まないことをお勧めします
また記憶違いなどもあると思うのでその辺もご了承ください(所詮素人の戯言なので)
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原作:未読
夢のチョコレート工場:未視聴
チャーリーとチョコレート工場:視聴済み
ぐらいの知識で字幕版を観に行ったのですが、正直そこまで面白い作品だとは思えなかったです...
子供向けにしても設定や物語の展開がご都合主義によるもので残念ながら退屈な時間となりました
以下気になった点をつらつらと
・空を飛べるのは魔法?科学?
CMにもある食べると空を飛べるチョコ
これCMを見たときはチョコを食べた事により魔法の力で飛べるようになっているのかと思っていたのですが、チョコが好きなアブがチョコに卵を産み付けそれらがお腹の中で孵化することにより空を飛べるとの事
…最悪では?
ただ最初にこれを食べるのが悪役の3人なのでちょっとした懲らしめ的な展開なのかと思いきや周りの住人はこぞって食べにきます
確かに空を飛んでみたい気はしますが、虫が体内で孵化するというのはかなり気味が悪く最初のシーンでこれだったので気持ちが離れてしまいました
ちなみに虫は20分後にお尻から出ていくそうです(嫌じゃないのかな)
・悪役は3人。でも...
今作の悪役であるライバル店の3人は水で薄めたチョコを地下深くに貯蔵しそれを神父や警察署長と共有することで裏で繋がり街を密かに牛耳っている…
とのことですが水で薄めたチョコを売り出している町が山の奥深くで住んでいるウォンカの耳に届くまで人気になることがるのでしょうか?
また後半のシーンで貯蔵したチョコにウォンカを閉じ込め溺れさせようとするのですが、大事なチョコの中で人が死んでもいいのだろうか疑問でした
食べる目的ではないとしたら何のために貯蔵しているのかもわからず、展開にチョコを絡めたいだけに見えました
またこの悪役たちは3人も必要だったとは思えないです
基本、立ち回るのはスラグワースのみでほかの二人は一緒についてくるくらい
プロドノーズの”みんな分かってるのに説明しちゃう”というギャグもテンポが悪いだけでいまいち
とあるキャラと因縁があるのもスラグワースのみでやはり3人必要だったのかなと思い調べてみると、どうやら原作のほうでレシピを盗んだ3人の名前だったらしい
いわゆるファンに向けてのネタだとは思うのですが、そのせいで2人のキャラが薄くなってしまうのは勿体なかったなと
(個人的にフィクルグルーバーの表情の使い方が好きだったのにあんまり活躍がなかったのもある)
・この中で大して役に立ってないやつがいるよなぁ!
物語中で出会う仲間たち。元会計士のアバカス、配管工のパイパー、無口(?)なロッティー、そして件の笑えない芸人ラリー(溺れた時の声真似ができるよ)
基本的にみんなそれぞれの知識や経験を生かしてウォンカの力になってくれるのですが、芸人ラリーだけ必要なシーンが見当たりませんでした
溺れた声真似ができるとの事だったのでどこかで溺れた真似をして敵を出し抜くのかと思っていたら、電話口で溺れた声真似を使って「タコもいるよ」というだけ
いやかなり端折っていますが、本当にこれだけだったんです
別にそのセリフが必要だったかというと別にそうでもないですし、ラリーだけなんというか数合わせな状態でした
・ウォンカのコレジャナイ感
今作はチャーリーとチョコレート工場とは関係なく原作または夢のチョコレート工場の方と関係あるとのことで見ていない自分には判断がつかないのですが、ウォンカあんまり捻くれてないなぁ...
今作のウォンカは夢や希望に満ち溢れ、奇人変人というよりはとにかく純粋な人
人の悪意に鈍感で作中でなぜ騙されたのかと問われたときに今までいろんな人に親切にされてきたと話します
ティム版のあのポップさと毒さ加減のウォンカしか知らないのでこの青年が将来あぁなるのかと思うと別に夢や希望の物語じゃないなぁと思いました(他の作品でもままあることではある)
・NじゃなくてZだったんだ!
ヒロイン的立ち位置の孤児のヌードル
親の形見である指輪には”N”の刻印
でも実はNじゃなくてZだったんだ!という展開
実はヌードルの父親は悪役であるスラグワースの弟(ゼスティみたいな名前でした)だったと言われてもそもそも弟の名前は初耳だし、そんな衝撃的な展開!みたいな顔されても...となりました
あと母親の名前が明かされなかったのは何故なんでしょうか?
この辺は原作との繋がりなんでしょうか?
・毒はいつどうやっての入れたの?
色々ありながらもウォンカが店を持つことになり、これぞウォンカの真骨頂と言わんばかりのチョコ細工で溢れたお店を見てお客は所狭しと並べられたチョコを食べ始めます
ある程度食べたところで会計のお時間
お客の一人が会計を済ませ店を出ようとすると見る見るうちに髪やら髭やらがもうもうと生え、さらには青く変色していきます
どういう事だとウォンカに聞くとお客が食べていた花を模ったチョコを食べハッとして叫びます
毒が盛られたので食べないでほしいと
実際は毒ではなくウォンカが取り扱う不思議な素材の一つ雪男の汗なのですが、これを混入させた方法が分かりません
犯人は分かっています、が、いつどこでどうやって混入させたのか一切描かれません
犯人的にウォンカのお店に近づけたとも思えず、隙を伺ったのかなんのか消化不良な部分です
そもそもウォンカがチョコレートを作るシーンがない(あるにはあるのですがこじんまりとしており店内を飾る大掛かりなチョコ細工のシーンはない)のでしょうがないのかもしれませんが、さすがに物語を進めるためだけの展開に見えてしましました
他にも上げれば細かい演出なども含めいろいろ気になる所があります
劇中曲もピンとこず唯一好きだった歌がウンパルンパの歌だったのですが、夢のチョコレート工場からの歌だったみたいです。うーん...
バートン版も「夢のチョコレート工場」(以下71年版)も観た者です。
明らかに71年版を観てからの方が良かったですね。そもそもパンフレットか何かで「バートン版とは関係ない」と明言されてるようですし。ウンパルンパの見た目と歌のメロディからして71年版を意識したものですし、とても長い契約書のシーンも71年版のセルフパロディです(スクラビットと同じようなことをしてるということは長年の工場経営でそれなりに荒んだ?)。一旦バートン版を切り離して71年版を観てみれば変わるはず。アブについての意見は同意。