「アメリカ南部の男性が考える理想から現実は離れていっているのだ」ドント・ウォーリー・ダーリン つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
アメリカ南部の男性が考える理想から現実は離れていっているのだ
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似たような作品でオチを考えた場合、現実の世界では、主人公アリスとその夫ジャックは顔見知り程度か、それ以下の関係になることがほとんどだろう。
しかし本作はそうではない。アリスとジャックは現実でも夫婦か、同棲している恋人同士なのだ。
ここが、この作品の注目すべきポイントだろう。
現実世界のジャックが何を考えたのか正確に判断することはできない。
不甲斐ない自分を強くみせたかっただけなのか、本当に疲れ果てていたアリスを救おうとしただけなのか、アリスに負い目を感じていたのか。もしかしたらもっと単純に、忙しすぎたアリスにかまってもらいたかっただけなのかもしれない。
いずれにしてもこの街へ入る決断をする前にジャックとアリスはもっと話し合うべきだったのだと思わずにはいられない。
と、色々と好意的に解釈してみようとしたけれど、結局は、監督がオリビア・ワイルドであることや、現実でも妻より収入が少ない夫が家事をしているとしても耐えられず離婚するケースもあるので、男の虚栄心やプライドが生み出した幻想の物語だったのだろうな。
終わったあと思い返してみたら、街にいる男性諸君にはどことなく漂う小物感があったもんね。
とはいえ、この一部の人にとっての理想郷は、受け入れている女性もいるわけで、一方通行の決めつけにしないバランスは良かった。
「女はこう生きるべき」みたいな決めつけをしようとする勘違いフェミニストとオリビア・ワイルドの違いだろう。
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