「エンディングが尻切れトンボで物足りなさが残る」ドント・ウォーリー・ダーリン tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
エンディングが尻切れトンボで物足りなさが残る
この手の映画のキモは、主人公が感じた日常に対する「違和感」や現実に対する「疑念」を生じさせるものの正体が何かということだろう。
終盤近くになって、どうやら、それは、妻に対する夫の「見栄」の産物であるらしいということは分かるのだが、ラストに、もっと衝撃的なオチが用意されているのかと期待していると、そのまま終わってしまって取り残された気分になる。
あのような「現実」を作り出していたものの仕組みや、それを運営する組織や、それがどうなったのかについても、もっと詳しく説明してもらいたかった。
サスペンスとしても、「もしかしたら、主人公の方が狂っているのではないか」と思わせるような描写が弱く、混乱した主人公の不安感や焦燥感が今一つ盛り上がらない。
夢を見たければ、他人を巻き込まずに1人で見ていればいいだろうにと思うし、そもそも、他人と夢を共有する必要性があるのかということにも疑問が残る。
ただ、アメリカ人の保守層にとっては、1950年代こそがユートピアだったのだということがよく分かって、その点は面白かった。
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