「中二病が考えた最強の映画ってきっとこんな感じでしょうね」PARALLEL パラレル 東鳩さんの映画レビュー(感想・評価)
中二病が考えた最強の映画ってきっとこんな感じでしょうね
インディーズ映画のポスターって、内容が伝わらないピンボケタイトルや薄めビジュアルの物ばかりなんですが、これは内容が伝わらないながらも強烈なインパクトを放っていたのが目に留まったので鑑賞してみることにしました
が、結果は別に観なくてもよかったなぁと思います
照明とかカラコレで奇抜な色使いをしていますが、それを除いたら大して個性が無いんですよね
アニメの被り物をした殺人鬼というキャラがもう出オチというか、見かけ倒しというか、快楽殺人鬼とアニメという中二病が好きで在り来たりな要素の組み合わせでしかないんですよね
しかもその組み合わせが上手く親和していないし、深みも作れてないし、監督が描きたい要素やシーンを取捨選択せずに全部ムリヤリ突っ込んだ感もあるから、構成の所々でブツ切りになっている箇所が散見しています
キャラクターにも一貫性を感じませんし、支離滅裂な人物ばかりが登場します
ストーリーを無理に展開させたためにキャラクターたちが場当たり的に別人のような行動や思考をしているのが見ていて本当にキツい映画でした
監督さんも低予算だからこそ色々な専門技術のことを全部勉強して全部自分で頑張っているのはすごく伝わります
その辺が評価されていくつか学生映画祭で入選したんでしょうね
しかしながら、それがただの器用貧乏にしか思えないというか、脚本にも色んな要素を混ぜ込んでいるから、結局この監督さんがしたいことは何だったのか、訴えたいテーマはなんだったのか、それが全く伝わってきませんでしたね
要素が多すぎて1番までもピンボケしちゃってるんですよね
もしかすると主人公のアニメの被り物をした殺人鬼のセリフの中に監督さんが1番訴えたいことがあったのかもしれませんが、それ自体が中二病の域を出ていないから、いい年した自分にはスゴい幼稚なストーリーにしか思えなかったです
監督さんは映画ばかり作っていないで、アニメとか見ないで、快楽殺人鬼とかに興味を持たないで、社会にちゃんと目を向けて、そこから題材を探したほうが良いと思いました