生きててよかったのレビュー・感想・評価
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ラストの爽快感たるや
嘘くさい幼なじみのエピソードは、このラストの爽快感のためにあったのか? と思ったら、余計なエピローグで気分がダダ下がり。あそこで終わったら気分よく帰れたんだけどなぁ。 気を取り直して振り返ってみる。 高校生が見るような性夢に出てきたお姉さまには笑った。 創太が覚醒したセックスは、なぜかエロくない。ずっと見ていたいファックシーンなんてそうそうない。果てた後の二人のショットが決まっている。 セフレのおじさんとのイングリモングリ。これも笑った。 今野浩喜は、あいかわらず上手い。こんな家族だったら生きていけそう。 ラストはホントにいい。
生きて生きまくる強烈な生き様
ボクシングや総合格闘技を観ることはほとんどないのに、戦う男の漫画や映画は好きだったりする。ロッキーとかあしたのジョーとか。格闘技の競技としての魅力ではなく、男の戦う姿や生き様が色濃く描き出されるから好きなんだろう。 ボクサーを辞めた男が、地下格闘技にハマっていく本作。ボクサーをしているときでもプロとしての収入はほとんどないから、アルバイトでも仕事はしていたはず。それなのに創太の社会性のなさはどうなんだろうと感じた。それに幸子の行動にも納得はいかない。それでも最後のファイトになると、そんな不満点がすべて吹っ飛ぶような迫力と熱量だった。 技のスピード、飛び散る汗、苦悩の表情、打撃の音、観客の歓声。エンターテイメントというよりリアリティによせた格闘シーンは涙を止めることができなかった。ただの格闘ではない。男の生き様を全力でぶつけているシーンだったし、悲しいラストを予感させるものだったからなんだろう。 でも悲しくはないラストだった。矢吹丈のように生きて生きて生きまくって、真っ白に燃え尽きた気がしたから。「Sexual Drive」上映後のトークイベントで鈴木太一監督が、健児に自分を投影させたって語っていたことを思い出した。たしかに、あんなにまっすぐに敵と向き合い戦う創太を応援する側でいたい。
主演・木幡竜の歩みが、主役・創太と重なる
自身がかつてプロボクサーだったという経歴を持つ木幡竜が主役・創太を演じています。 俳優を志すも芽が出ず、中国に渡って彼の地で認められて今回逆輸入の形で主役を射止めました。 体脂肪率3%までストイックに絞った肉体が彼自身と重なります。 才能のある男がひたすらに努力し、夢が叶う寸前で諦めた時、彼が生きている意味は? ボクシングだけの彼が、器用に社会に受け入れられるはずもない…
ロッキーの罪
十代でプロになり定年間近にドクターストップで引退を余儀なくされた不完全燃焼のボクサーと幼馴染みの嫁、そして幼馴染みで親友の売れない俳優の話。 引退して結婚し働き始めるも何事も上手く行かないし、生きていることを実感出来ない男が、スカウトされて地下格闘技の駒になって行くストーリー。 結婚した嫁に対してなんて失礼なクソ野郎だと思っていたけれど、殴られる姿をみるのが辛いと試合を観戦してこなかった彼女が、まさかのブロッコリーで、はぁ!? そこからまさかのコミカル要素もあるんですね。 そして諦めきれない親友だったり…いや~今更だけど今野さんはもうすっかり役者ですね。そこに愛はありました。 無骨で朴訥としていて不器用で、自分が生きていることを闘うことでしか示せない主人公が、女々しくて哀しく漢臭くてとても格好悪くて、それが格好良かった。
鎌滝恵利の表情が良かった
長年闘い続けてきたため身体がボロボロになったボクサーの創太は、ついにドクターストップとなり引退を迫られた。未練は残ってるが、幸子との結婚を機に引退を決意した。新しい生活のために色々と仕事をしたが、何をやってもうまくいかず、苦悩する日々を送っていた。そんな時、創太のファンを名乗る男から地下格闘技への誘いを受けた。一度だけと思って参加した創太だったが、久しぶりのリングで忘れてた興奮がよみがえり、ふたたび闘いの世界にのめり込んでいき、ついに・・・てな話。 ボクシングしか出来ない男とその彼女を中心に話は進むので、ストーリーがわかりやすくて良かった。やめないと死ぬと言われてもそれで死ねるなら本望、ということなのかなぁ。題に繋がらない結末なんだけど・・・ 剣太役の木幡竜は腹筋も素晴らしくいい身体に仕上げていてボクシングや格闘シーンも迫力有って良かった。 幸子役の鎌滝恵利のエロいセックスシーンや、特に憂いのある表情が良かった。 今野浩喜と長井短の夫婦の掛け合いは面白かった。
アクションが叫んでいる!
新たな映画の魅力を知りました。 自ら命を絶つのではなく“生き抜く” 今の心に響く映画でした。 痛いシーンは苦手なんです。 とくにこの映画のファイトシーンは見ているのが辛くてしんどかった。 でも、それって実はすごいことだったのですね! まだ知らない映画の魅力に出会いたくて、自分では選ばないような映画が観たい… 今回の試写会はトークショー付きで、主演の木幡竜さん、三元雅芸さん、アクション監督の園村健介さんのお話しが聞けました。(ゲストに伊澤彩織さん) なぜに、監督ではなくアクション監督のトークショー??と思いましたが、鑑賞して納得。 アクションが語る映画でした。 トークショーでは「心情を表現するアクション」とおっしゃっていましたが、セリフが動きに変わっているだけで、思いの丈をアクションで伝えている。 なるほど!確かにそう言われてみれば。 一口にアクションと言っても、里見浩太朗の殺陣は美しくて惚れ惚れしますし、ジャッキー・チェンのアクションはリズミカルで楽しい。(例えが古くてすみません;市川雷蔵も素敵だけど、剣筋の美しさはやっぱり里見浩太朗かと) 実は痛みを感じていないアクションもあることに気づきました。 そして、たとえば同じキアヌ・リーブスでも『ジョン・ウィック』はスタイリッシュでカッコ良いし『マトリックス』は派手でスカッとします。 その映画のカラーやテーマに合ったアクションが組まれている。 アクション好きな方からすると「何を今更言ってるのか…」と思われるでしょうが、私にとっては目から鱗の気づきでした。 私が痛いと感じたのは、痛さを感じさせるようなリアルなアクションに仕上げていたから。 私が辛いと感じたのは、アクションで心情が表現されていたから。 具体的なお話も聞けたので紹介すると、殺陣の段取りの間をフェイントで埋める作業をしているそうです。 たとえば“右からのパンチをよける”段取りだと、リアルな戦いでは相手がパンチを打つまでには、お互いの隙をつく攻防がある。 右からのパンチが出る前には左ジャブのフェイントがあったかも知れない。 そのフェイントで出た一瞬の隙を相手が見逃さず右からのパンチを繰り出してきて、それをかわす…となると、かわし方もギリギリの感じの動きになるだろうし、多少体勢を崩すかもしれない。 つまりアクションの段取りの間に相手との心理戦や条件反射の動きを加えることでリアルさが増しているのです。 更に心情が見えるアクションにすることはこの作品のテーマにも不可欠。 決してアクションシーンだけが映画から浮くこと無く組まれていました。 次の一手がわからない嫌な緊張感で『ディストラクション・ベイビーズ』を思い出したのですが、アクション監督は同じく園村さんでした。 しかし…アクションという身体表現をこなせる役者さんって、本当に凄い! 殺陣師さん、アクション監督さんはもちろん凄い! そして、パンチの当たる音 血の感じや、飛び散る汗 照明や撮影全てのスタッフのプロフェッショナルなお仕事が凄い! 私の心を揺さぶる映像は一人の力では出来上がらない。 改めて映画って素敵だなぁと思いました。 自分個人とは遠くかけ離れた「世界」 だけども自分自身も「世界」を作っている小さなピースの一つであることには違いない。 みんな「世界」と戦っていて、紛れもなく一人一人の人間が「世界」そのものなんだと感じるクライマックスに釘付けでした。 他人を不幸にしようが、自分の情熱を注ぎこみ、自分中心に生ききる。 そう書くと我儘だと誤解されてしまうかもしれませんが、絶対に誰にでも死は訪れる。良くも悪くも死だけは平等に訪れる。 立て続けに悲しいニュースがありましたが、決して自ら命を絶つことのないよう… 「世界」から不要とされている人間は一人もいない。だって自分自身が「世界」なのだから。 その時がくるまで懸命に生きろ! 逆説的かもしれませんが、そんなエールを感じました。 とは言え、私はどちらかと言うと幸子の方に感情移入しちゃう部分が多かったです。 「愛する人と少しでも長く一緒にいたい」と思うのはエゴなのか? 辛いけど、エゴなんですよね。やっぱり。 存在に依存している。 もちろん好きになるってことは、多少の依存も含むのでしょうが、依存しすぎるのは良くありません。 不安や心配に耐えられず、自分自身を保てなくなって、愛する一番大切な人を傷つけてしまう本末転倒な結果に。 お互いが自立していて、相手を尊重しながら寄り添えるのが理想。。。でも、そんなに上手く心のバランスが取れれば苦労しませんが。 過去の自分を客観的に見つめられるようになって本当に良かった。 銀粉蝶さんとのラストシーンは笑えて泣けます。 長井短さんと今野浩喜さんの掛け合いが笑えました。息ぴったりですごく良かった。 主人公たちとは対称的な夫婦として描かれていて。ある意味、お互いが自立した理想系?? 経済的には依存しているかもですが。笑 でも、絵美は健児の夢を応援しているというよりは、健児のことは全てお見通しの上で丸ごと受け入れている感じで、少し寂しそうにも見えました。 こちらも惚れた弱みなんでしょうね。 #生きててよかった
1回観るだけだと全部は理解しづらいかなぁ…。
今年138本目(合計412本目/今月(2022年5月度)15本目)。 ※ 「シン・ウルトラマン」も観ましたが、こちらにレビューの需要があるとは思えないので飛ばしています。 さて、こちら。 実はここの「特集」で(今週の他の映画と違い)詳しく書かれているので、実はそちらを見たほうが早い…というか、実際にかなり詳しく書かれているので、作り手の方へのインタビューであれば「それが正解」なのは当然で、ある意味(個人での)レビューのしようがなかったりする部分はまぁあります。 とはいえ、5/13(金)の週は妙に本数が少ないので、本作品か、先週からの「マイスモールランド」などがどうしても候補になってくるのでは…と思えます。 この作品ですが、PG12扱いの割に、「え?PG12でいいの??」というように妙に表現がきつく(特に性的描写。特定の(特殊な)性的表現を想定する描写がある)、「数も少ないけど日本映画だし、プロボクシングを描いたテーマだから見に行こうか?」と家族で行くと凍り付くんじゃないか…と思えます(なお、大半は性的表現で引っかかったのであり、おそらく暴力的なシーンうんぬんはひっかかっていないと思います)。 ボクシングについては、去年だったか「BLUE」や、「ファイター・北からの挑戦者」などいくつか作品がありますが、それらの映画と同様、ボクシングのルール一般については「知っていれば有利だが、何ら知識は求められない」レベルです。むしろ、辞めてからの人間関係を描く部分が多いので、「試合シーン」といいましょうか、そういう部分は実は案外少なかったりします(下手をすると、「大人の営み」のシーンのほうが多かったりする…)。 この映画、結局のところ、何を主軸に何を論点にしたかったのか…という点がわかりにくい…というか正直(多分、1回目では)わからないです。ストーリーの大半はいわゆる闇組織ボクシングの話になってしまうのですが(特集に書いてある程度なので、ネタバレではない)、そうであるならいわゆる「ノワール系映画」の描写に寄せればよかったのに、そうではなく大人の営みのシーンはどんどん出てくるし、あっちこっち描写は飛ぶし、「何を論点に何を問いかけたかったのか」という点が正直わかりにくいです。 まさか「闇組織ボクシングに興味を持ちましょう」という趣旨ではないはずだし、一方でそうした(民法上も刑法上も、行政法規上も)怪しい行為に対する問題提起の映画でもないので、正直???な部分が結構あり、見る人をかなり選ぶ気がします(それより、何度も書いているように、PG12とは思えない「大人の営み」シーンが結構出るので、家族で見に行くと凍り付くんじゃないか…とさえ思えます)。 ----------------------------------------------- (減点1.2/趣旨不明瞭等) 結局、「闇組織ボクシング」の話に寄せてノワール色を強めるのであればそちらに寄せるべきだったし、大人の営みに寄せるのならそっちに寄せるべきだったし、どうにも軸がぶれているので何が趣旨で何が論点なのか…がわかりづらいです。 また、結局のところ「ここは日本ですか?」というほどやっていることが無茶苦茶な割に警察も出てこないし(まぁ、出てきたら映画が5分で終わるので、出したくても、出せない)、かといって、「明確にアウトな行為だと誰でもわかるわけではないが、ちゃんと理解していると民法上も刑法上もアウト」な行為の描写が結構多いので(実は、その観点では「法律枠」映画ともいえる?)、どうにもこうにも理解がしがたく、またここでそれらの問題を論じると結局ネタバレになってしまう(誰が首謀者でトリックがどうこうという話)上に、「おそらく」そういう論点で論じることを想定してはいないのでは…とは思えます(ただし、ちゃんと理解している人が見ると、「ここは日本ですか?」というような無茶苦茶な世界観だったりする上に、そうであれば完全にノワール映画にすればよいのに、あっちこっち飛ぶのでどうにも理解がしがたい)。 今週(13日の週)は、「バブル」を中心として(ただし、この映画はネットフリックスの映画なので、契約者は映画館という場所さえ選ばなければ、自宅で観られる)数が少ないので、対抗以上にはなると思いますが、積極的に推せるか…となると微妙な気がします(この映画の言わんとすることが何か、まるで理解ができない)。 ※ まさか、リアルで民法・刑法上違法・不法なことはやめましょう、その代わりに娯楽として映画をみてストレスを発散してね、という「ガス抜き映画」という趣旨ではなかろう…とは思えますが…。 -----------------------------------------------
生きるんだ!
創汰とさっちゃん、中盤のセックスは本当にしていると感じました。さっちゃん、たくさんセックスでしたね! 地下格闘技は、途中から全勝でしたね。ラストマッチは、とても迫力ありました。 さっちゃん、カレーが嫌いだなんてビックリです。
惜しいな!もうちょっと丁寧に
昨年の『BLUE/ブルー』は、期待せずに見たが、とても気に入った。全然勝てないボクサーの松山ケンイチは、もう試合に出れなくたって、シャドーボクシングするだけで楽しそうなんだもの。好きってそういうこと。 本作の登場人物は何にドライブされて生きているのだろう。誰かが好き?仕事が好き?お金が好き? 『進撃の巨人』や『Death Note』の作者は登場人物が劇中の何年何月何日に何をした。何を食べた、何を考えていたか、ちゃんと記録すると思う。矛盾があれば、全く物語が成立しないもの。本作はそこまでは複雑じゃ無いけど、ノベライズに耐えられるのか? 主人公はボクシング好きなの?幸子が好きなの?ボクシングやめなければいけないのは何故?別にCTで以上があるわけでも、手に不随意運動があるわけでもないし。死が迫り来る緊迫感がない。 幸子は彼が好きなの?ボクシングが嫌いなの?嫌いなのはなぜ?気持ち悪いのはつわりじゃないの、お酒飲んでるけど。 健児は幸子に闘うところを見てほしいの、関わらないでほしいの? 新堂はお金で動いているの?友達が欲しいの? それぞれの立場が5分程度で変わってしまう。人間の心情は常に変化するけど、何のきっかけも示されないので、理解が落ち着かない。 両親の馴れ初めを今更聞くのは何故よ。今までにも聞いたでしょ何度も。 時々、ギャグパートが入っているみたいなんだけど、はっきりしないので笑っていいのか、気まずくなります。それと同じ理由で、あの映画のオマージュが生きていません。 木幡さんは流石に1発でも殴られたら死んじゃいそうなくらい、体が動いています。マツケンがいくら頑張っても勝てません。でも、「試合」では最後はまたがって、タコ殴りして、ゴングばかり。フットワークを活かしてボクサーらしい爽快感がないような気がするんですよね。取っ組み合いになるんだったら、それこそ急所蹴って、噛みついて、目潰しすればいいのに。誰も失神も、骨折も、脱臼もしていないし。 鎌滝さんは、声も素敵なので、また映画で見たいです。 大筋ではやりたい事がわかるし、多分僕の大好物なんだけど、脚本の繋がりが悪いので、感動するところまで行きませんでした。
身を委ねよう
死んだように生きるなら生ききって往け、ってことかとは思うが、それが倫理的にどうなのかは分からない… ただ、刹那的にアガるのは間違いないし、それこそがカタルシスになる。それが、アクション・シーンのホンモノ度合いに大いに影響を受けているのは間違いない。 主演の木幡竜の筋肉は、ハリウッド流の「魅せる」筋肉とはまるで違うし、憧れのスタローンとも違うものだ… 主人公周辺の人物達は、貧困を基調としたものだが、彼ら彼女らもなんらか同様のトラウマを抱えている… そうした複線の物語が、最後の「仕合い」に収束してゆくのはたしかに映画的な快感といえる… 倫理的な判断を保留したまま映画的な快感に身を委ねよう。それがこの映画のツボなのだから… キングオブコメディの今野が良い芝居をしている。「そこに愛はあるんか?」と言いたくなってしまうが…
生きててよかった
物語の共感度は高くないし進むテンポも決して良くはないのだけど、だからこそ「まだ終わってない!」と不器用もがく男たちの姿が際立ち胸を打つ。 絞りきった肉体で見せる生々しいバトルを重ねた末の結末はこのタイトルしか考えられないという清々しさ。 主演の木幡竜さんはバキバキの肉体とアクションに注目が行きがちだけど、口数が少なく悲壮感漂う役を演じる繊細さも魅力的だった。
アクション映画じゃない
試写会にて観ました。アクションシーンが話題になってたので期待してみたらいい意味で裏切られました。アクションシーンはリアルな感じでもちろん凄かったんだけど、それは元ボクサーって事なのでそうだよねって。それよりも周りの役者陣がものすごく良かった!主人公のソウタもずっとずっとウジウジしててこういう奴いるな〜って。それで最後の顔に救われました
独りで生きてるの?
ストーリーは抜きにして、主人公の肉体、そして格闘シーンの映像はリアルを感じさせ、引き込まれるものがありました。 一方で、家族(妻や母、そして亡くなった父)や友人と主人公の関係性がよくわからない、結局主人公が自分の気持ちの赴くまま、独りで前のめりになっていく感じがして、その割には妻(元?)や今野浩喜扮する幼馴染との絡みは何ら主人公の未来に影響を与えず、こんなにシーンが必要なんだろうかと、やや冗長な気がしました。 「まだ終わっていません!」と繰り返す主人公の言葉が空虚に聞こえました。 試写会後のトークイベントでは皆さん熱量高く語っていただき、それがだいぶ作品のイメージを押し上げてくれました。
私たちはいかに生きるべきか
海の向こうでは戦争が行われている日々ですが、今の日本で若者たちが生きていくには、何を拠りどころとしたら生きていると実感を持って、誇りが持てる生き方ができるのかということを若い映像作家の視点から描いた物語だというように私には思えました。 メインキャストは誰もが自分に自信が持てず、かといって別に普通に生きていれば生活に困ることもない人ばかりなのですが、人生において何事かをなしとげたいという焦りを、自分を傷つけるという刺激によって得ようともがいているように私には見えました。 とはいえ主人公は格闘技の選手なので、リアルさがないと説得力が伝わらないですが木幡竜さんは完ぺきに演じきっていたと思います。腹筋が割れ贅肉も全くなく、まるで仮面ライダーのソフビ人形みたいだと思って観てました。 今の時代に蔓延した沈鬱な自由というか先の見えない虚無感を若い日本の作家が表現しようとするとこうなるのかと面白かったです。
試写会@ユーロライブ。試合を見に行けなかった世界線のエイドリアンと...
試写会@ユーロライブ。試合を見に行けなかった世界線のエイドリアンとロッキー。ロッキーの美学を引き継いで見事に昇華したアクションもドラマも激アツでした!
生きるよすが
プロボクサーという経歴を持ち、中国を拠点に活躍する俳優の木幡竜さんがボクサーとして戦うことでしか生きられない中年男を演じる本作を観ていると、ボカロPのユリイ・カノンさんによる音楽プロジェクト「月詠み」の「生きるよすが」という曲の歌詞が思い浮かんでしまう。 この楽曲の「どうか こんな命に 明日を生きる理由をくれよ」とか、「わからない 才も人生もわかるものか 嘘だらけでも」という歌詞が本作の主人公・楠木創太の姿にオーバーラップしていく。 この作品には創太同様に「生きるよすが」にすがる人物たちが登場する。 共に創太の幼馴染で、一人は彼の恋人にして後に結婚する幸子であり、もう一人は親友である松岡健児で、それぞれ創太と共に歩む人生や俳優として売れることを夢見て、それを「よすが」に日々過ごしている。 だが、「生きるよすが」の歌詞「全てがそりゃ報われるものじゃない 時間も金も無駄になるかもな」にあるように、いくら努力しても夢が報われる訳ではない。 「それでも、 生きろ」という歌詞ではないが、創太は心身共にボロボロになりながらも闘いの世界に「生きるよすが」を見出してがむしゃらになっていく。 長く続くコロナ禍、そして何時終わるとも知れない海の向こうの戦争、そういった明日を知れぬ閉塞感の中で、本作は「生きるよすが」を見出して突き進む男の姿を通して、下を向きがちな我々にエールを送っているような気がする。
魅力的
強い!女性に愛される!不遇!と、ヒーローの要素を全て持った主人公。 主演の元ボクサー・木幡竜さん演じる試合シーンの迫力は鳥肌モノ、身体の美しさにも注目です(体脂肪率3%って。。)ストーリーは、純愛&ヒューマンドラマとして楽しめました。悲壮感と共に爽やかさがある、不思議な魅力を持った作品だと思いました!
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