「先生役の吉岡里帆さんが素晴らしい演技で、原作キャラ以上に魅力を引き出していたのが印象的でした。」Gメン Push6700さんの映画レビュー(感想・評価)
先生役の吉岡里帆さんが素晴らしい演技で、原作キャラ以上に魅力を引き出していたのが印象的でした。
原作を読んでみましたが、映画化の話を聞いてから読み始めました。
原作自体も非常に面白かったです。
ヤンキーもののマンガというと、少女マンガと同じように、一定のパターンがあり、似たような展開が多い印象があります。
しかし、『Gメン』は独特の要素が取り入れられていると感じました。
不良男子高校が四つの女子高校に囲まれているという設定は変わっており、通常の喧嘩や友情の要素に加えて、ラブコメがかなり大きな部分を占めているのが特徴です。
通常のヤンキーものにも同じ要素は存在しますが、しばしば相手は特定の女の子に絞られます。
それに対して、『Gメン』の主人公である門松勝太は喧嘩は強いものの、女性関係ではうまくいかないという設定です。
そのため、物語の結末では彼が失恋する展開があります。
通常ならば、その後の展開が難しいところですが、彼女は同じ学校ではなく、近隣にある四つの女子高校のどこかの生徒という設定なので、失恋後の関係性を気にする必要がありません。
それに、これらの女子高校もそれぞれ独自の校風を持っており、さまざまなタイプの女の子たちが登場するため、物語の展開が広がり、より面白さが増しています。
実写映画版もこの特徴を期待していましたが、2時間の枠では難しい部分もあったのか、その点に工夫が凝らされているように感じました。
映画オリジナルのキャラクターを導入しながら、原作の雰囲気を損なわずにうまくストーリーを展開していた点が良かったです。
その他の部分は、原作マンガと大体同じだったと思います。
多くの要素を効果的なペースで盛り込んでいる一方、詰め込み過ぎ感はなく、まとまりがありました。
ギャグ的な台詞も原作と比べて増減はありましたが、過剰な滑りまくり感はなく、程よく笑わせてくれました。
アクションシーンも特別驚くほどのものではありませんでしたが、違和感なく映像化されていたと思います。
唯一の残念な点は、やはり原作マンガの魅力的なラブコメ要素が劣化してしまったことです。
恒松裕理さん演じるレディースチームのキャラクターが映画オリジナルで、そのキャラが作品に組み込まれてはいるものの、肝心の個性が少し欠けている印象でした。
恒松さん自体は可愛らしいですが、どこか引っかかりのない印象で、微妙な存在感でした。
一方で、先生役の吉岡里帆さんは素晴らしい演技で、原作キャラ以上に魅力を引き出していました。
おそらく、ほとんどが映画オリジナルの台詞やアドリブだと思いますが、その演技力によって作品を盛り上げていました。
さらに、高良健吾さんも原作キャラを上回るかっこよさと演技力を見せており、観ていて飽きませんでした。
田中圭さんと尾上松也さんも出演していましたが、演技は怪演と言えるものでした。
ただし、彼らのイメージと物語の世界観との調和には少し違和感がありました。
総じて、映画全体としては面白く、きちんとした終わり方で締めくくられており、もし続編が制作されるのであれば楽しみです。