小さき麦の花のレビュー・感想・評価
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美しい
素朴で美しい!中国の農村生活の描写には、別世界を覗いている様な驚きがありました。こんな辺境を垣間見ている感覚になれるとは、映画って本当に凄い。
それにしても都市部と田舎、貧富の差がこれほど違うとは。。現代の世界でも、まだまだ知らない事が沢山あるのだと気付かせてくれます。
慎ましくてもこのまま幸せが続いてくれたら良いのにと思わずにいられなかった
エンディングまで淡々と同じ暮らしの繰り返しでも構わない、夫婦のささやかな幸せを見続けたいと思っていたのに、ラストはちょっとショックだった。
「植物はその土地から動けない、人間は行こうと思う場所に行けるだけ良いかな」とのセリフがシーンの中で流れるが、その地に残りたいのに許されない、動かざるを得ない事情に追い立てられる人間は果たして、種を蒔かれる麦より幸せなのだろうかと考えさせられてしまった。
それでも、裕福じゃなくっていいんだ、思いやり、寄り添いあえる相手がいること、日々の暮らしの中に色んな幸せは潜んでいるのだよと、今一度認識を新たにさせてくれる良作に巡り会えました。
目印
2011年、中国西北部の貧しい農村で暮らす互いに家族から厄介者扱いされて結婚した夫婦の話。
兄の家の離れに住むマジメで良心を搾取されまくる男と、体が幾分不自由な女が結婚し、幸せに暮らす様をみせていく。
夫は妻を労り気遣い、妻も夫に寄り添い慕いと村でも1番と言われる貧しい夫婦だけどまあ幸せそうですこと。
まったりたっぷりそんな暮らしをみせていくけれど、麦の収穫の突然の変貌は何だった?
その綻びがかと思ったら、そんな話しどころじゃなくて…。
ロバに言ったことは強烈な揶揄だし、そこからはもう惰性な未来しかみえない…。
少々長さは感じたけれど、なかなか好みの作品だった。
冷酷で残酷だったりするけど でもあたたかくて優しい そんな映画でし...
冷酷で残酷だったりするけど
でもあたたかくて優しい
そんな映画でした
ラストは『?』って思ったけど
英題【return to dust】から想像できた
本国では当局から散々やられて
ラストも変えられてしまったようだが
日本ではこのくらいマイルドな方が良いかもしれない
が、オリジナルも見てみたいと思った
いつにも増して参考にならないレビューで申し訳ありません
正直、3日前までは全くの鑑賞予定圏外だった本作品、ヒューマントラストシネマ有楽町での上映前の予告編で引っ掛かり、帰宅して調べるも映画.comの解説はほぼ何も書いていません。
上映予定を確認すれば公開1週目にもかかわらず16時15分からの1枠しかなく、早々に仕事の方を調整させていただいて初日に鑑賞です。客入りは時間帯や天気予報(大雪警報)の割にはまあまあな感じかな。
で、観終わっての感想はまず「劇場で観てよかった」と思います。これ、あくまで私の場合ですが家でテレビで観てたら多分寝ちゃいます。それくらいのスピード感とあらすじなんですけど、勘違いしてほしくないのは一つもけなす意図はありません。
多分ほとんどの人が、観始めて間もなく「ヨウティエとクイイン」夫妻が気になってしょうがなくなり、いつしか心を奪われます。とは言え、自分に置き換えることは想像すらし得ないほどの過酷な貧しさですが、それでも笑い合える二人についつい「羨ましい」と思える裏腹さで、少々身の置き所がありません。
いつにも増して参考にならないレビューで申し訳ありません。でも「ベルリン国際映画祭で高評価にもかかわらず無冠だった」というのが解るような気もします。
敢えて言うならば、この二人の物語を解った気になること自体おこがましく思えてしまうほど、何だか神々しさを感じる作品です。それほどに、実に味わい深い良作であることは確かです。
この人となら私も暮らせると思った。
彼の主成分は優しさと誠実さと勤勉さで出来ていると言っても過言ではない主人公と、彼の純真で可愛い奥さんの物語。
とにかく彼が優しい。
人にも動物にも目に映る全ての生き物に優しいのが、全編を通して伝わってきてこちらも優しい気持ちになった。
こんな人と一緒に人生を過ごせたら、それはとても幸せなことだと思う。
彼らは何一つ多くを求めてはいないのに次々に困難が波のように押し寄せてくるのだが、それを淡々と受け入れて二人でいる限りとても幸せな時間を過ごしていることに涙が出た。
彼らの幸せのための助けは全くしないのに、自分達の都合の良い時だけ良い顔をしたがる親戚からの過干渉がしんどい。
そしてそれに対して何かしらの抵抗もせず、淡々と受け入れる彼ら。
美しい風景の中、多分貧しさからの厳しい労働風景が続くのだが、それが全然不幸に見えないのは、常にお互いを大事に思いやる二人のやりとりがあったからだと思う。
お互いに大好きで大事なのが始終伝わるので観ている方も温かい気持ちが続く。
ロバの話が忘れられない。
私よりロバの方が幸せだと思った、の彼女の感想に彼が泣く。
それまでどんな時も泣かなかった彼が初めて泣いたと思う。
何にも持ってない彼らだけど、お金持ちがお金出しても買えない深い家族愛を持ってたなと思う。
日々の労働も理不尽なことも全部ひっくるめてしんどいことの方が多いのに、優しさと幸福感が感じられるのはすごい。
これを観終わった後はみんな優しい気持ちになれると思う。
ハイ・チン
2023年1月31日
映画 #小さき麦の花 (2022年)鑑賞
久しぶりに清貧という言葉を思い出した
どんなに貧しくても、どんなに世の中が変わろうとも二人の愛の前には単なる表面上の変化にしか思えない
幸せとは何かを考えさせてくれる映画です
@FansVoiceJP さん試写会ありがとうございました
2011年中国西北地方が舞台 リールイジュン監督が生まれ育った地 ...
2011年中国西北地方が舞台
リールイジュン監督が生まれ育った地
村で麦を育て暮らす人々
経済成長が著しい中国では
村を離れ出稼ぎに出る人が増えていく
田舎の農村に残り
プリミティブな生活を続ける
2人の日常を丁寧に描き
時の流れを映し出している
貧しくも優しく美しい心を持つ2人
この作品を観て
心が洗われたような気がしました
※2024.2.17再鑑賞:★★★★
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