「勢いよく笛を吹く雨どいの瓶。二人で聞けば怖くないと言う妻。」小さき麦の花 bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
勢いよく笛を吹く雨どいの瓶。二人で聞けば怖くないと言う妻。
クリックして本文を読む
主演女優のハイ・チン(海青)さんって、印象的な美人さんだったはずなんですよ。で、気になって年齢を調べたら46歳なんです。えー?ほんじゃ、ウー・レンリンって幾つなん?で調べたけど、わからんw
でも、これ、ベルリンのコンペティション部門に持って行ってるんですね。今のドイツで、どう捉えられたのか興味はあります。
家族に邪魔者として疎んじられ。一人前の人間としての扱いも受けられず、厄介払いのために結婚させられ、空家に追い出される。と言う展開から。本当に短い、おそらく1年の生活の中で、愛を育み、情を注ぎあい、身を寄せ合って生きた2人。
手の甲に作る「小さな麦の花」は、すぐに消えてしまう愛の印。本当に一瞬で終わってしまった夫婦の日々を象徴するかのごとき麦の花は、一人残された男の心の中に咲き続ける。ことであろうよ。って言うだけの映画です。
事前情報からは、「しあわせの絵具」的なものを予想してました。予想通りではあったし、印象にも残った。
結婚の報告に向かう2人。村外れの砂丘に上り、男が差し出した麻花。不平も言わず、自分を責めることも無く、おもらしの後の世話をしてくれる男。夫として慕い、寄り添い、献血の心配をする女。ロバに優しくする姿を見て、この男性ならやっていけると思ったと話す女。
かような純朴な愛の成り立ちにですよ。ココロ持って行かれる訳ですよ。あざとい作りではあるんですけどねぇ。定期的にやってくる、この手の中国映画には、見事にしてやられているワタクシです。なんか「木靴の木」みたいで。抗うこともできず、沁みるがままに見入ってしまいました。
良かった。
かなり。
コメントする