「仲の良い夫婦であればあるだけ、遺された方のダメージは大きい」小さき麦の花 かばこさんの映画レビュー(感想・評価)
仲の良い夫婦であればあるだけ、遺された方のダメージは大きい
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人間は、愛情を注いでくれる存在があるのはもちろん、注ぐ相手がいるのも幸せなことだと思った。
無口で貧乏で見てくれも良くないすでにいい年齢の農家の貧乏4男と、身障者で左半分が不自由で、そのうえ尿のコントロールができない女。この二人は家族の厄介者同士を厄介払いするために結婚させられたんだけど、ロバに親切な夫を見て、この人なら一緒に暮らせると思った、という妻に、「お前があんまり見つめるからどうしたらいいかわからなかった」という夫、なんだ、相思相愛だったんじゃないか。はいはい、ごちそうさま。
傍からどう思われようと二人はラブラブで幸せ。
ふたりのお互いへの愛情と思いやりがうかがえる描写が素晴らしく、何度も泣きそうになりました。特に、夫が妻にコートを買ってやりたい理由が、「丈が長くて腰が隠れるから」おもらししても人に気づかれないように。この思いやりに泣きました。
家を建てるのにレンガを作るところから始めるのに驚き。
農作業から家の建築までほぼぜんぶ人力って、この映画、現代が舞台なんだよね?
中国の国民の生活格差って断崖絶壁のようです。
トウモロコシが売れたらテレビを買おう、市に行って病院で見てもらおう、夫婦で楽しそうに話すのを見て、「夫婦のどっちか」という死亡フラグ立ったのを感じました。
中国映画って、ほぼ予定調和な気がする。
夫婦の仲がいいのは幸せなことだけど、大抵はどっちかが先に亡くなる。残された方のダメージは仲が良い分半端ないと思うので、夫婦ってどういうのが一番幸せなんだろうか、と考えてしまった。
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