「頑固で優しい生き方」小さき麦の花 てつさんの映画レビュー(感想・評価)
頑固で優しい生き方
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結婚しても無愛想な夫婦生活を続け、妻には障がいがあり、失禁までしていたが、夫は優しく庇い続け、労り、嵐の夜の作業には、せっかく渡したビニールシートが無駄になるほどびしょ濡れになったものの、笑い合って幸せそうだった。麦の穂の積み荷作業のとき、少し罵ったので、意外に感じたが、その後は機嫌を取り直すように荷車の上に乗せてあげていた。ろばも、街中とは打って変わって早足だった。麦の花そのものと、手首に麦粒を花形に並べて型押しを残すのと、二通り二箇所描かれていた。妻が不慮の事故で亡くなってしまい、最初の記念写真しかなく、加工して葬儀写真にしていた。貧困層向けの都市の住宅に引っ越すように勧められていて、夫は気が進まなかったが、妻が亡くなってからは、せっかくつくった思い出の家に住み続けるのは辛かったのだろうか。家の取り壊しに際して、ろばを逃がしてやり、つばめの巣も移そうとする優しさをみせていたが、ろばは戻ってきたようだった。夫は、頑固で優しい生き方は、その後も続けるのだろう。
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