「やや薄味」ミセス・クルナス vs. ジョージ・W・ブッシュ LaStradaさんの映画レビュー(感想・評価)
やや薄味
9.11のテロ以降、アメリカはなりふり構わぬ復讐戦に打って出ます。キューバ国内にあるアメリカ領のグアンタナモ収容所はその象徴で、少しでも嫌疑が掛かった人は、米国法の及ばないここに閉じ込められ非人間的な拷問が繰り返されたのでした。
本作は、ドイツ居住者でありながらトルコ系であるが故にグアンタナモ収容所に拘禁された息子を取り返すべくブッシュ大統領を相手取って訴訟に立った母ちゃんの実話に基づく奮闘記です。諦めない彼女の執念を軽やかに描いているのは心地よく、主演のメルテン・カプタンの愛嬌たっぷりの表情には観る者の頬も思わず緩んでしまいます。しかし、事件の経緯説明やアメリカ政府の理不尽な対応の描き方もやや薄味だったのが少し勿体なかったかな。
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