「ややメッセージ性が何かという点がわからない…。」午前4時にパリの夜は明ける yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
ややメッセージ性が何かという点がわからない…。
今年129本目(合計780本目/今月(2023年4月度)24本目)。
※ 移動トラブルで最初の5分の視聴が抜けています。
さて、こちらの映画です。1日にフランス映画を2本以上見るのも珍しいのではないか…と思えます。
結構前から楽しみにしていたのですが、多くの方が書かれている通り、映画の述べる主義主張というのがあまり感じられないのですよね…。実はそういうのはあまりなくて、1980年代のパリを舞台にした、当時の女性の人権を背景にしながら仕事に就くことや育児(子育て)と仕事の両立ほかを描いたもの…という見方も可能です(同じフランス映画でも「トリとロキタ」」のようなメッセージ性はほぼほぼ見当たりません)。
逆に言えばそういう「映画の述べる主義主張」がほぼほぼ見当たらないことの反対解釈から、当時の1980年代のフランスの文化を描いてそれを見る、というようにも取れると思います。おそらくそれが正解ではないかな…と思います。一方で、この映画で大きなファクターを占める「もう一人の主人公」に関してはやや描写が不足していて(当時のフランスの福祉行政では、適切な児童福祉につなげることが実際問題無理であった、ととらえることも十分可能)、ここは評価が分かれそうな気がします(現在の2022~2023年でこれを「継続して」行うと、未成年誘拐などに問われてもおかしくがない事案ではあります)。
まぁ、しいて言えば個人的には、それでも「かすかに感じられた」、当時の1980年代のフランスの女性の生き方のむつかしさ(就職や子育ての両立など)、あるいは、本作品の主人公の役であるところのシャルロットさんの応援枠ではないかな…という気がします(そういえば、彼女は2023年にもう一つ、日本基準でもう1作登場作品があるそうです)。
そこまで考えると、映画として理解は難しくはなく(主義主張がないという点は、おそらく「そもそも存在しない」ととらえることが可能)、淡々と当時のフランスの事情について描写されている点についてはある程度評価は高いです。
なお、R15指定の映画なので注意が必要です(やや違法性の強い行為や、大人の営みほかがひっかかったものと思われます)。
採点に関しては、特に気になる点はないのでフルスコアにしています。
(減点なし/参考/「「ラ・ロシェル」の出身なんです」の部分)
・ パリからはかなり離れた、大西洋に面する港町の一つで、百年戦争や三十年戦争においてはしばしば戦いの舞台となった場所でもあります(規模の大きな港町であったし、今ももそうであるように、当時からここを攻略することが一つのファクターとみなされていた)。
この部分はそれしか出ず、ラ・ロシェルに実際に行ってみるだの何だのという展開になりませんが、一応、史実上大きなファクターを占めており、フランスではそこそこ有名なところではあります(いわゆる港町の中では最大規模を誇ります)。