「灰と釘」遺灰は語る ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
灰と釘
遺灰が語り部になって珍道中を実況する…みたいな感じなのかなと思って観に行きましたが、その心の声は序盤で終わり、あとは珍道中というか人を選ぶ笑いと、遺灰の行く末と、まさかの違う物語が始まるという、終始分からず置いてけぼりにされました。
遺灰を運搬するために乗った飛行機で死人がいるから不吉だと騒ぐ客や、自分がルールだと言い張るパイロットの様子や、電車内で弄り合う夫婦がいたりと、時代も時代なので色々あると思うんですが、説明がないというかとっ散らかってるというか、監督のやりたいことばかりやっているなというのが節々から感じ取れました。
子供用の棺に遺灰が入っているのを、小人が入ってる〜みたいな感じで子供や親たちが笑っているのはイタリアンジョークなんだと思うんですが、これはマジで笑えませんでした。価値観の違いってのはデカいなと思いました。
「遺灰は語る」自体は多分60分前後くらいで終わって、遺灰になったピランデッロが死の間際に書いた「釘」という短編が収録されています。予告は見ていましたが、このあらすじの下の方に短編も同時にやるというのを知らなかったので、急に違う物語が始まって混乱しました。
その「釘」自体も唐突な展開が多くて自分は分からないことが多かったです。女の子を釘で刺した理由が最初から最後まで分かりませんでしたし、姉妹がなぜ殺し合い一歩手前の喧嘩をしているのかも分かりませんでしたし、釘で刺した女の子を墓参りを何年にも渡ってやっているのもサイコな感じがしてゾッとしました。犬の後ろ足を持って嫌がらせしている(当人がどうかは分かりませんが)のもマイナスポイントでした。
この手の映画を好んで観ないというのもあるんだと思うんですが、改めて合わないなと思いました。こういう映画にハマれるきっかけっていつか来るんですかね。それともずっとこのままなんですかね。んー映画って難しいです。
鑑賞日 6/26
鑑賞時間 18:55〜20:35
座席 D-10