劇場公開日 2024年12月13日

太陽と桃の歌のレビュー・感想・評価

全55件中、41~55件目を表示

2.5太陽の帝国なら名作です。

2024年12月15日
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単純

難しい

幸せ

地主から今夏を最後に土地を明け渡す様に告げられた桃農園を営む家族たちの話。

戦時中、先代の地主を匿ったことから好意で借してもらっていた土地だったが、今の地主がソーラーパネルを設置するということで明け渡すように言われて巻き起こっていく。

体調を崩しながらも桃園に拘りをみせる祖父。
桃園以外に考えられず荒ぶりつつも子供には農業より学業という親父。
太陽光パネルの管理の仕事に揺れる義弟。
家業のことを気にかけつつも手っ取り早く小銭を稼ごうとする息子。
変わらない、変われない、先が読めない、考えられない不器用な親父ですね…。

そんな家族のすれ違いと、農家の置かれた現状をみせていく感じで、面白くはあったけれど。これと言って大きな出来事も盛り上がりもなかったし、それでどうするんでしょ?と不完全燃焼。

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Bacchus

2.5いったい何を観せられた?(笑)

2024年12月15日
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鑑賞方法:映画館

皆さんの評価の高さに、ビックリ(笑)

僕には、どうでもいい農家の日常に思えて、退屈で退屈で眠くて眠くて、しんどかった(笑)

いったい何を観せられてるだろ…と(笑)

桃を食べるウサギを農家は駆除するみたいだが、かわいそうで心が傷んだ…

この映画の良さが、イマイチ分からない。

50点ぐらい。

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RAIN DOG

3.5柿みたいな扁平な桃。

2024年12月15日
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鑑賞方法:映画館

わりと最近日本でも問題になっているソーラーパネル絡みのお話です。家族とはいえ皆んな考え方は違うわけで農園最後の夏にそんな亀裂が広がって行くのが悲しい。年代性別それぞれの思いが上手く描かれているなぁと、でも農園に愛着と想い出があるのは皆同じという、、ラストが残酷ですてき、、、さすが金熊。

どこの国も一次産業を守り育てないと痛い目にあうよ。何でもいつまでも海外で作って送ってくれるわけじゃないからね。

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masayasama

4.5歌うのは声のためじゃない 夜明けや明日のためでもない 歌うのは友のため 私のために命をなくした友のため

2024年12月15日
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鑑賞方法:映画館

笑える

悲しい

難しい

上は歌の歌詞です。桃農園の大家族の一番年下の可愛い女の子とおじいちゃんが歌う歌です。私はこの歌を聞いて反省しました。声が出ない時期が少し続き、話せるようになった今もまだ納得いかない、そんな自分の我が儘さにがっかりしたからです。

日本では相変わらず野菜も果物もとても高い。日本の食糧自給率はとても低い。カロリーベースで3割台、ということは外国からの輸入依存が大きいのだから外交問題に力を入れてもらわなくては困る。スペインは9割以上の時もあったが今は7~8割位?映画の中の農民による抗議運動にあったように、桃一つに30セントかかるのを大手卸売り業者が15セントに買い叩く、だから農家は食べていけない、暮らしていけない、家を手放さくてはならない、若者は仕事を求めて別の土地へ行ってしまう。土地が家族が農家が散らばり潰れていく様子が太陽光パネルが設置される話と絡めて物語が進んでいく。

途中でこれはドキュメンタリーなのか俳優が演じるフィクションなのかわからなくなった。演じるのはその土地のカタルーニャ語を話せる一般の住人含む9000人を超える人達から選ばれたそうだ。本当の家族のようにリアルで自然な演技で素晴らしかった!

庭でテーブル囲む大家族ランチ。おじいちゃんもパパママも兄も姉も双子のいとこも大叔母さんもいてとっても賑やか。優しくておしゃれでハンサムなおじいちゃんは辛い立場に居る。おじいちゃんは孫娘に語る。スペイン内戦時代に友達を匿った。お礼にとその友達が土地を農地として使ってくれと提供してくれた。契約書なんてない。自分の命を守ってくれた友達へのお礼なんだから。でもそれが仇となる。土地所有契約を紙で交わし残さなかったがゆえに、土地は友達の息子世代が太陽光パネル屋に売ってしまう。

小さい子ども達の遊び道具だった壊れた車が持って行かれたり桃の木が切り倒されるが、それをやらかすブルドーザーの音は聞こえても映像は後になってやっと映る。それまで私たちはその音を聞きながら音の方を見る彼らの驚きと悲しみの顔をずっと見ていなくてはならない。家族三代で続けてきた桃農園の仕事はもうできない。日本の桃と異なって少し平たい可愛い桃、イチジクもあった、ランチではカタツムリがあったし、収穫後は家族総出で桃のシロップ漬け作業をしていた。

パパの片腕として働く高校生・長男にも、おじいちゃんとパパの気持ちがすごくよくわかる少しガンコな思春期の長女にも、まだ何にもわからず双子達と基地ごっこをしたり歯が抜けたお祝いに貰ったリコーダーをぷーぷー吹いてる末娘にも、明るくて幸せな未来が待っていると思う、そう思いたい。

歌は次のように続く:
歌うのは声のためじゃない
青空や潮風のためでもない
歌うのは土地のため
豊かな大地と愛する故郷のため

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talisman

2.0ウサギ好きにはホラー

2024年12月15日
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2024年劇場鑑賞327本目。
前情報無しで鑑賞。昔命を救った恩で農園に使わせてもらっていた土地を孫が契約書ないなら出ていけと言われたら家族の話。
途中までは退屈を感じなかっのですが
え、ここで終わるの?という感じでこの後どうなるかを知りたかったのに。
後ウサギ好きはこの映画観ない方がいいと思います(笑)

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ガゾーサ

3.5極めて現実的な家族の苦悩

2024年12月14日
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悲しい

寝られる

予告から、家族の感動的なストーリーを期待して、公開2日目に鑑賞してきました。しかし、なんだか最後までちょっと没入しづらく、朝イチの上映回だったこともあって眠気に誘われ、思ったような感動は得られませんでした。

ストーリーは、スペインで桃農園を営む家族が、今年も収穫の時期を迎えようとしていたある日、その土地をソーラーパネル事業に利用しようとした地主から突然土地を明け渡すように言われ、一家に関わる親戚も巻き込み、それぞれの立場でこの問題に向き合い、苦悩する姿を描くというもの。

立ち退きの危機に瀕して、家族が仲違いしながらも最後は共通の大切なものを見つけ、結束していく感動の物語を期待していたのですが、全然違います。どちらかというと、むしろ逆で、じわじわと心をすり減らしていく家族の末路を見せられているかのようです。

契約書もなく口約束だけで長年にわたって土地を所有し、そこで一家総出で桃農園を営む家族の姿は、豊かな自然の風景と相まって温かいものを感じます。そんな家族に対して、世代交代した地主が無慈悲に明け渡しを要求し、そこにソーラーパネルを設置するというのは、いかにも時代の流れを感じます。

この突然の危機に対してなんら解決策を見出せず、収穫の忙しさの中で追い詰められていく父。その一方で、賭け事に乗り出す祖父、隠れて大麻栽培を始める長男、農園を諦めてソーラーパネル管理の仕事をすすめる母。その行動の端々から、なんとかしたいという思いがあるのはわかるのですが、誰もそれを明確に口にしません。そのため、わかり合えるはずもなく、全員が独りよがりのようにも見えてしまいます。

そこに追い打ちをかけるかのように、桃を安く買い叩かれて怒りの声を上げる農家の姿が描かれます。農家たちが抗議のパフォーマンスとして、大切に育てた大量の桃をトラクターで踏み散らかし、それを投げつける姿に切なくなります。同時に、その踏み潰された桃が、強い力で押し潰された農家たちの姿と重なり、悲しくなります。

ラストは、自宅近くの桃の木をショベルカーが容赦なく倒していく様子を俯瞰して終わります。結局、強い力や時代の流れには、誰も抗えないということを訴えているのでしょうか。それでも、お気に入りの遊び場を奪われながらも次々と新たな遊びを発見する無邪気な子どもたちの姿に、わずかな希望を感じます。

ただ、極めて現実的な家族の姿が淡々と描かれ、ご都合主義的な救済もなく進むストーリーはちょっと退屈です。そのため、何度も瞬間寝落ちしてしまい、物語を正しく受け止められていないかもしれません。機会があれば、しっかり覚醒している時に改めて鑑賞したいと思います。

主なキャストは、ジョゼ・アバッド、アントニア・カステルス、ジョルディ・プジョル・ドルセ、アンナ・オティン、アルベルト・ボッシュ、シェニア・ロゼ、アイネット・ジョウノら。

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おじゃる

5.0タイトルなし

2024年12月14日
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名作としての豊かさ。それぞれの世代やジェンダーやらが対立もありつつ共闘もする現実を描き出す。スペインの片田舎の民度は低いけど、生き生きとした力はある。そこには青春もあり。大人たちを見る少女の視線。子どもたちの世界。労働者。闘争シーンはなかなかいい。ウサギ。

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えみり

3.0私には退屈な映画だった。

2024年12月14日
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名の知れた映画賞を獲っているし、私が鑑賞映画選びの目安としている週刊文春の映画評でも、高評価だった。

期待して鑑賞したのだが、タイトルどおりだ。言わんとしていることは分かるが、私の心を揺るがしはしなかった。演じているのは、俳優か素人なのかわからない。年齢が近いせいか、大家族の祖父にちょっと感情移入した。自分が土地賃貸借の契約書を交わさなかったことから、家族間の確執が始まった。
しかし、何十年前の事で口約束は日常的であったと思う。ゆえに同情できた。表立って苦悩を表現しない所がいい。

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いなかびと

4.5「退屈な」映画だが得られるものは多い。内容考察を含むのでネタバレ扱い

2024年12月14日
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yukispica

5.0期待度◎観賞後の満足度◎ お母ちゃんのビンタとお父ちゃんの涙には泣いた。スペインの片田舎の一家族・親族の営みを描いた物語がどの国にも通じる普遍的な物語に昇華する時“映画”は“芸術”となる。

2024年12月13日
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①冒頭とラスト、先ずプルドーザーを見せずにその音だけを聞かせ、それを見つめる顔・眼を撮したあとブルドーザーを見せる演出が上手い。

②また、登場人物達は日常的な会話はするものの、内面を吐露したり思っていることや考えていることを声高に叫んだり愚痴ったりしない。彼らの内面の感情・想いは全て彼らの行動・素振り・顔の表情・眼の表情で表される。
それもまた、非常に映画的だと思った。

③私は特に家庭的・家族的な人間ではないが、この大家族間の関係がわかってきたら、父方・母方の親族の姿とダブって見えてとても親近感が湧いてきた。
決して家族関係に共通点や類似点があるわけではない。
わが一族(ってそんな大層なもんではないが)は農家でもないし(先祖は多分水呑み百姓)。

でも、子どもの頃は聞いていても意味は分かっていなかったけれども、長ずるにつれて感じたり分かり出した親族間の微妙な空気、話題の本人のいないところでの親族間の話、伯母さん・叔母さん達の井戸端会議、お互い腹に何か有っても親族が揃うと表面は仲良くする感じ(本作の三代の大家族は妹の旦那以外はみんな血族だから、孫の兄妹の様に表面は反発したり批判的な眼で見ているけれども、やはりいざというときには家族のための行動をするから本心は親族思いなんだろう)等々とても身近で懐かしく感じる。

④一番辛いのはおじいちゃんだろう。家族にもそう言われるくらい。
恐らく内線の時に共産主義ゲリラから地主を守り食物を与えた恩義から土地を使わせて貰うようになった。でも、孫の代になると情も薄くなる。恩義も実感できなくなる。
この孫だってそんなに悪い人ではないのだろう。でも、やっぱり自分の土地は儲からない農作物を作るよりは儲かるソーラーパネルに使いたい。まあ、仕方のない選択ではある。ラスト、引き続き土地を使わせて貰えるようになった、という人情話で終わるのではなく、予定通り潰されるという形で終わる。何とも残念な結末だが、これも人の世である。
せめて自分が家族に出来ることとして、昔、先々代の地主の命を救った無花果の木から捥いだ無花果を今の地主に届けるおじいちゃんの姿が切ない。

⑤長男の言動には“何と意固地な”と思うところもあったけれども、契約書がない以上、土地を明け渡さないといけないという認識は誰以上にもあって、だからこの夏が最後という思いがより彼を意固地にしたのだろう。
同業の農民達の抗議活動に消極的だった彼は最後抗議集会に参加する。
彼の中に変化が現れ出したことを暗示するエピソードだ。

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もーさん

3.5忍耐力が問われます

2024年12月13日
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さて今回も鑑賞前の(本作の)前情報はほぼゼロ。もしかしたら劇場でトレーラーは流れていたかもしれませんが全く覚えがありませんし、映画.comのあらすじも読まずにサムネイルだけ見て「キッズ(がメインの)映画?」と想像しつつ、ベルリン金熊賞の受賞歴とIMDb評やRottenTomatoesの点数が高いという理由で劇場鑑賞を決めました。公開初日のシャンテ10時50分からの回、二日前にオンラインで予約しようとしたら、いつも自分が選ぶ席が早々に買われおり「これはひょっとして混むのかな?」と思っていましたが、結局は空いていました。。
で観終わり、映画.comのあらすじを確認したところ、がっつり説明してますね。とは言え、ネタバレってことはなくそもそもシンプルなストーリー。ところが、いろいろな観点でストレスを感じる121分の上映時間はなかなかしんどく、観続けるのにはそこそこの忍耐力が問われます。
ちなみにキッズ映画ではなく(w)、ある家族のそれぞれの目線で語られる群像劇。どの目線からも感じる「家族という呪縛」にわかりみが強いだけに本当にイタい。特に、長男で一家の家長であるキメットが兎に角頑固。主に外的な要因とは言え、時間的余裕なく追い詰められて相当なプレッシャーがあることは理解できるのですが、合理と割り切って逃げに出ること良しとせず、また兄弟たちの気遣いから出る意見や、更には助け舟にさえ抵抗して孤立していきます。そして、キメットの長男ロジェーと長女マリオナが、未熟な面はありつつも家族想いであり、本質的にはいい子なだけに更にイライラ。ところがようやくの終盤、溜まりに溜まった妻・ドロルスのある行動が目覚ましく、ここまで耐えてきたことが報われます。そして、そこから間もなくのシュールな終わり方に鑑賞後の余韻が深く残ります。
いやはや、劇場鑑賞でなければ最後まで集中力が保てなかったんじゃないかな。。また別の観点にはなりますが、カタルーニャの桃農園には当然外灯なんてないため暗いシーンは本当に暗い。と言うことで、(配信を)液晶画面で観るのは辛いかもしれません。決して「楽しい映画」ではありませんが、もし興味があれば是非劇場鑑賞をお勧めしたい一本でした。

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TWDera

3.5悲喜こもごも、家族や親族で農業を営むところを見事に表現していた気がします

2024年12月13日
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題材になっている事柄は、現代においては至るとこで目にするわけで、そしてそれは必ずと言っていいほど新しくなっていくことへの拒絶とか否定の気持ちが色濃く主張されている場合のほうが多い気がする。新しい未来、バンザーイ!これでみんな幸せで、しかもお金持ち、っていう場面なんて見たことがあるだろうか。しかも、太陽光発電そのものまでもが否定されかかっている現状、色んなフィルターがあっての観賞でしたが、果たして・・・
よくある家族の絆や亀裂を描きつつ、やっぱ別物・余所者への嫌悪感といったものが表現されていました。非常に丁寧で、かなり引き込まれて見入りましたが、もはやこういった表現こそがステレオタイプに見えて、もういいからそれでどうなったのかを見たいんだよ、と思ってしまいました。
人との関係性や繋がりなんかを眺めている分には最高の作品です。

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SH

4.0太陽が生む食とエネルギー

2024年12月13日
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スペインはカタルーニャ地方の桃農家のお話でした。親子3代に渡って桃を作り続ける一家でしたが、この土地にソーラーパネルを設置して収益性を高めたいらしい地主から土地の返還を迫られる中、一家に生まれた不協和音に焦点を当てていました。遠いヨーロッパの農村のお話ではあるものの、ソーラーパネルが国土を”破壊”しつつある事情は日本と同様で、その点が非常に興味深いお話でした。

ただ農業従事者の平均年齢が68歳と高齢化社会の最先端を行く日本の農村部の風景と異なり、本作の主人公一家は孫世代まで子だくさんで、その点は”明るい農村”の風景で、ある意味羨ましく感じたところでした。

本作を観て思ったのは、まずは邦題の秀逸さ。原題の「Alcarras」は、本作の舞台となった街の名前のようですが、邦題の「太陽と桃の歌」というのはまさに言い得て妙。本作の主題は”太陽の力”であり、従来は桃の生産を支えていた訳ですが、今後はソーラーパネルによる発電を支えることになる訳です。この大転換に際して、人々はどう対応すればいいのかがテーマの作品でした。

初代である祖父・キメットはギャンブルで土地を得ようとし、その息子・ロヘリオをその状況を受け入れられず、孫・ロジェーは大麻栽培を始めるなど、人それぞれ。太陽光発電の管理人として雇うという地主の申し出を受け入れるべきだという考えもあり、結局その不協和音がまとまらないままに桃の木は切り取られてエンディングを迎えるこのモヤモヤ感は、まさに現実世界とリンクするものでした。

因みにスペインの食料自給率は90%以上だそうで、40%を切る日本と比べると比較的高い数値になっています。スペインのエネルギー自給率は20%程度と、10%程度しかない日本同様低いため、農地を削ってエネルギーを得るという政策は、マクロ的には一定の説明がつくように思います。ただ日本の場合、食料自給率もエネルギー自給率も非常に低いため、双方の水準を引き上げて行かなければいけない状況であり、問題はスペイン以上に深刻なんだなあと、本作を観て改めて愕然としたところでした。

最後は映画と関係のない話になってしまいましたが、急速な環境変化が人間社会に不協和音を生むことを再認識させてくれた本作の評価は★4.2とします。

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鶏

4.0終わっても、終わらない家族。

2024年11月24日
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鑑賞方法:試写会

ドキュメンタリーのように自然な桃農家の日常と、カットアウトされる生活の終了間際の日々が瑞々しい。家族の世代ごとにある、さまざまな『終わり』へのカウントダウンが、静かに、残酷に、暖かく描かれてゆく。そして、その農家を追いやる理由が、あまりに現実的で、切ない。

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t2law

3.0宇宙戦争、秘密基地

2024年12月18日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

難しい

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AK