マイ・ブロークン・マリコのレビュー・感想・評価
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ブラック企業の7営業で、日々、鬱屈した時間を過ごしているシイノ(永...
ブラック企業の7営業で、日々、鬱屈した時間を過ごしているシイノ(永野芽郁)。
いつもの中華料理屋でざっかけない昼食をしながら観ていたテレビのニュースに流れたのは、親友マリコ(奈緒)の自殺報道。
どうにもいたたれなくなったシイノは、マリコの遺骨をマリコの父親から奪うと、遅まきながら弔いの旅に出た。
それは、シイノとマリコの過去を辿る旅であると同時に、マリコとの道行の旅でもあった・・・
といったところからはじまる物語で、原作は同名のコミックスらしい。
たしかに、コミックス原作らしい過剰さはあるのだけれど、その過剰さは監督のタナダユキ本人がそもそも持っている情熱のようなものだろう。
シイノが回想する様子から、幼いころからマリコは父親から虐待を受け(それも口に出せないほどヒドイもの)ていた。
シイノはマリコのたったひとりの理解者。
いや、理解者というのではなくて、分身のような存在。
でも、うざったいことはうざったい。
ほかのみんなと一緒に、マリコをいじめる側に回ればことは簡単なのだろうが、それはできない。
映画では直接描かれないが、シイノもマリコの側に近い立場だから(幼いころのセリフから伺える)。
そんなマリコを、遺骨という姿になったといえども取返し・・・よく言えないが、マリコと自身の存在証明を、改めて確認したい、そういう旅が綴られる。
シイノ演じる永野芽郁のやさぐれぶりはすさまじく、ま、近寄りたくない感じだが、それに輪をかけてマリコの自己否定ぶりは観ていて憂鬱になる。
そうなのね、これほどまでに現代の若い女性は病んでいるのね。
自分の居場所をみつけることが、こんなにも困難なのね。
マリコの遺骨とともに辿りついたのは、青森県の南部地方、まりがおか岬というところ。
岬にたどり着く寸前でシイノはひったくりに遭って行き場をなくしてしまう。
助けてくれたのは、見ず知らずの青年マキオ(窪田正孝)。
彼の無償の親切は、彼自身が半年ほど前に自殺し損ねたことに由来する。
「ここじゃ、簡単に、死ねません」という彼の言葉が可笑しい。
ひとは簡単には死ねない。
けれど、マリコは簡単に死んでしまった。
理不尽で不条理だ。
そんな不条理な世の中、最後にたどり着いた岬で、シイノは人助けをする。
人助けの道具になったのは、マリコの骨壺と遺骨。
ははは、可笑しいね。笑えるね。そんなもんだよ。ちょっといい話だよ。
ってところで映画は終わらない。
ここいらあたりがタナダユキ監督の、なんというかパンクでロックなところ。
もとのブラック企業へ戻ったシイノは、課長に「ブラック企業」と言わせて、そして、顧客のひとりから認めてもらえるような手紙をもらう。
手紙の中身は写されないが、シイノは居場所を見つけたような気がしたのだろう。
それまで、マリコとふたりだけだった世界での、別の居場所。
優しいといえば優しいラストなんだけれど、それぐらの優しさはあってもいいよね。
そう思える映画でした。
亡き親友の遺骨を抱えて旅をする弔いの物語。主人公のアクションには共...
亡き親友の遺骨を抱えて旅をする弔いの物語。主人公のアクションには共感できないけど、そんな主人公を演じた永野芽郁の演技は、何だか一皮剥けた感じ。
ねぇ、マリコ
マリコの気持ちに共感するよ、
ツラいよね。
いちばん信頼する人には
なぜか
手首切って見せちゃう気持ちわかるよ、
そんなの見せたら
嫌われちゃうかもしれんし、
でも信頼してるから
見せたい気持ちもあるし。
マリコは
骨になって
宙を舞ったけど
きっとこの映画は
私のように
誰かの胸に刺さるよ、きっと。
大丈夫
二度目の「大丈夫に見えますよ」が良いんですよね。
シイノの未来に対して言っている様な感じで。
シイノは変わらない日常に戻っていくのだけど、それでも日常が少し違って見える様になったんじゃないかな。
そして、手紙って受け手の状況も大事なんだなと気付かされました。
同じ手紙でも、読むタイミングで内容が違って感じるかも。
最後のシーン、手紙の内容は観ている人には分かりません。
だけど私は思ったの、この手紙を遺骨との逃避行の前に読んだとしたら、あの笑顔は溢れなかったかもしれないと。
この旅を通して成長した彼女だからこそ、あの手紙をしっかり受け止められたんじゃないかと思うのです。
綺麗な記憶が残るっていうのは、嫌な部分の記憶が薄れるだけじゃなく、人の成長が記憶を綺麗にしていのかもしれませんね。
ロマンシスストーリーの傑作、これぞ見たかった実写化
これぞ見たかった実写化。
原作漫画(web連載)をリアルタイムで追っていた勢です。
当時センセーショナルさと画力の高さで話題になっていました。
実写化が決まった時、登場人物のデザインが再現性が高くしやすいくらいリアルなのと、1巻完結の短期集中連載だったから映画に向いてそうと思う反面、「これ真剣に取り組まないとファンに何してんねんって言われるよね…」と、どうかこの作品に真剣な人たちがメガホンを取ってくれ!と祈るばかりでした。なぜなら「漫画作品の実写化は作り手の真剣さがダイレクトに出る」がセオリーだから…
うまくいけば絶対楽しみリストに加えられるはず!!とハラハラしながら待機しました。
それから公開された予告映像やあまり前情報を入れない派の自分でもちょいちょいうかがうタナダユキ監督の真剣な取り組み姿勢に「これは信頼していいやつかも…!」と安心しました。
マリコの泣きボクロまで取り入れていたのも「行き届いてる…!」と感じていました。
(マリコの両親など特に外見完全再現の必要性が無いキャラもいつつも、それゆえにその分マリコ達の再現度が光る)
あの時の感動がよみがえりました。
かつ、原作漫画を読むと百発百中で泣いてしまうので、緊張していましたが、単行本で書き下ろされていたまだ希望にあふれていたあの頃の二人の姿まで映画の中に入れてくれたので、「この映画は信頼できる!見に来てよかった!」と嬉しい気持ちになりました。
また、忠実な映像化を見た事によって、不思議と以前より原作漫画も平常心で読める気がしました。
そして、漫画の演出を丁寧に再現しつつ、
少し加えられたオリジナルシーンは映像化した時の流れの潤滑油になり、まるで最初からあったようにとても自然でした。
オリジナルシーンだと、例えば痴漢引ったくりに襲われていた女の子がバスの時にシイノに少し会っていたり、観客の目線でもなんとなくマリコに似ていると感じさせられつつ(きっと観客が似てると感じた分だけシイノも感じていたはず)、マリコの可愛い丸文字とこの子の端正で綺麗な字の対比がシイノを日常に戻していく始まりのようにも感じられてなんだか素敵でした。
パンフレットも購入しました。
上映中にこのレビューを読んでるみなさん!!おすすめです!!映画館でしか買えないので是非!!
まず、表紙が原作の平庫ワカ先生の美麗な描きおろし。
そして文の中の情報も濃厚。
印象的な部分のほんの一部を述べてみると、
原作のマリコの丸文字まで完全再現したマリコの手紙はマリコ役の奈緒さん自身が書いたとか、
それから作中ではひたすら酷かったマリコ父役の人は、ドアの向こうのぶつ音は実は自分の体を叩くという体を張った方法で出していたり、それでも衝撃的な場面だから、その分その場にいた子役さんのフォローをしていたり等の、プロフェッショナルな裏話などが書かれていたのが印象的です。(マリコの父親とは大違いだ…)
この映画に関わった全ての方、ありがとうございました。
壊れたマリコを救いたくなる作品
福岡市では上映箇所が少ない「マイ・ブロークン・マリコ」キノシネマ天神で鑑賞してきました。85席のゆったり会場でしっかり観てきました。
原作を読んだことも無いので、「ブロークン・マリコとは?」疑問を持っての鑑賞でした。冒頭に近いシーンで芽郁ちゃんが包丁を持ち遺骨を奪う時の長めのセリフ、後半の奈緒さんが腕を骨折した状況での笑い泣き感のある表情に、ブロークンが溢れていて、2人の女優魂にやられた感じでした。やばい状況の表現に違和感なく、演技力の自然さにまたまたやられました。(実は奈緒さんもスゴイ)
ブロークンが世の中に蔓延しないことを切に願い、大事な人を大切にしたいと思う一本でした。芽郁ちゃんの次回作「母性」にも期待します。
ラストシーンがいい
ハピネットファントムらしい、ぶっ壊れたストーリー。
清純派の代表格のような永野芽郁がリミッター外してやさぐれ女を怪演。
そして、壊れた女を演じさせたら現在ナンバー1だと思う奈緒が見事にアシスト。
そして、ラストシーンが秀逸。
そこまでマリコからの手紙を読む場面では全てナレーションが入っていたのに、最後の手紙だけは敢えてナレーションを外して観客に文面の想像を託して終わるなんて、なかなか粋な演出だな、と思った。
やさぐれ永野芽郁が良い
突然、何の前触れも無く大切な人がこの世から居なくなった喪失感は、まさに人生の滅亡を感じます。
しかも、自らの手で断を下した結果となれば尚更だと思います。
その喪失感とどう向き合って生きていくか?
やけっぱちになって後を追うのか?
それとも生ける屍、魂の抜け殻の如く生きるのか?
人間は都合の良い動物で、忘れると言う方法で多くの痛みから逃れる術を持ち備えていると聞いたことがあります。
歯を食いしばって頑張りましょう💪
ラストシーンでの主人公の泣き笑い、あの手紙には何がしたためてあったのでしょうか❔
タバコと手紙と遺骨と共に生きていく❗️
幼なじみで親友のマリコ(奈緒)の遺骨とシイノ(永野芽郁)の奇妙な2人旅のお話。勝手に逝ったマリコの為に、行きたいと言っていた「まりがおか岬」を目指す。登場人物が少ないので、マリコとシイノの関係性に集中できる。2人は友情を超えてお互いが依存し合う関係だったのではと思う。父親に虐待されて育ったマリコは精神を壊してしまうが、シイノだけが心のよりどころであり、手紙を書くことで安定を保っていたんでしょう。それとは真逆のシイノは中学生の頃からタバコを吸い、ガラの悪い女の子。そんな2人の友情が胸を打つ。
旅の途中で出会うマキオ(窪田正孝)が、まるで心理カウンセラーのようにシイノの心に刺さるんです。彼もまた心に傷がある人だったんだろうな。良い人との出会いでした。
ラスト何も言わないで逝ったマリコの遺書がシイノに届いた時は泣けたし、良かった。
今作の永野芽郁さんのガサツな役は見所十分。足を開いてタバコをふかす。前半で鼻から煙を出したのにはビックリ⁉️奈緒さんのメンヘラ感満載の演技も流石でした。窪田正孝の声は耳に残る俳優さんで好きだ。吉田羊さん贅沢にちょい役で使いましたね。85分という短さがちょうど良いスカッとした作品でした。
遺骨持った人がいたらどうしよう
タイトルどおり、マリコはぶっ壊れてた。
虐待されてたりDV受けてたりする人は、自分が悪いから、自分のせいでと洗脳状態にされている。
マリコも同様、何も悪いことしてないのに。だから呼ばれたらホイホイ行って、怪我をする。そりゃシイちゃんも鼻血損。
尾美さんは昔から大好きな役者さん、今回は一つも擁護できないクズ父を好演。
永野芽郁さんは、この映画のためにタバコを覚えたそうで、いい具合にやさぐれてた。ちょっとがなり過ぎかなとも思ったけど。
大切な人を亡くしたら、いろいろ後悔が残る。シイちゃんの「死んでちゃ分かんねぇだろ」のセリフは、まさにその通り。すごく悔しくて寂しくて、グチャグチャのシイちゃんにグッときた。
地元で撮影された映画、見慣れた駅のバス停に永野芽郁が降り立った、これは事件だ。なんか嬉しい。
だけど、そのバスは海には着きませんよ。
煮え切らない映画でモヤモヤする
原作は知らず映画をみました。
予告編がテレビで流れるようになって永野芽郁さんのやさぐれたシーンを拝見して、面白そう!となり公開を心待ちにしていました。
永野芽郁さん演じるシィちゃんが奈緒さん演じるマリコの自殺を知ったところから話がはじまります。
結果としては今もモヤモヤしています。 映画が終わってからも頭で考えを巡らせてしまっているのはある意味、製作側としては成功なのでしょうか...笑 普段はご想像にお任せします系の終わり方も好きですが、この映画は全体的にモヤモヤします。
題材がメンヘラ、暴力、友情、依存、自殺なので重々しく、演じる側も観る側も考えさせられます。が、観る側に考えさせすぎです。
まず主要キャストについて自論を述べます。 前提として皆さん実力派なので演技力自体は素晴らしいです。
シィちゃんはガサツな社会人女性、マリコはメンヘラなのですが、奈緒さんはメンヘラ役が本当に自然でハマり役です。 シィちゃんですが、やさぐれ具合が永野芽郁さんとマッチしていない感じがしてしまいました。これは演技力の問題ではないです。
人は生きていると環境の影響を受けますが、そうして生まれたドロドロした部分というのは演技力だけではおぎなえない滲み出るものだと思っています。
永野芽郁さんは役作りで数ヶ月タバコを吸ったり相当努力されたと思います。
ですが、私はこの映画をみて永野芽郁さんは年相応で純粋な方なんだなと感じてしまいました。 高校生シーンや包丁を持って泣き叫ぶシーンはとても自然で引き込まれます。ただ、それ以外のシーンには素直さが滲み出ちゃっている気がします。 29歳くらいになった芽郁ちゃんだったらハマるかな〜という感じです。
[内容について]
小さいときから大人になってもやさぐれシィちゃんがメンヘラマリコの心の支えという関係に見えて実は、シィちゃんの方がマリコに依存していて、心の支えがメンヘラマリコで、マリコを支えることがシィちゃんの生きる道みたいになっていましたと。そんなマリコが遺書もなく自殺したから怒りや悲しみなどが爆発しつつ記憶を頼りにマリコの面影を追いかける。最後にはマリコの遺書をうけとりマリコの死を受け入れマリコ依存から解放された、というように大筋の解釈をしました。
シィちゃん側の家庭環境をもう少し掘り下げて描写してほしかったです。学生の頃の家庭環境は友情関係、人間性に影響があります。
メンヘラマリコは救いようのない家庭環境が故にぶっ壊れマリコになっていますが、シィちゃんの場合は親が離婚したという言葉だけです。
これが2人の共依存具合を想像させづらくしています。シィちゃんの背景描写がないのでぶっ壊れマリコが重すぎるのです。
マリコの遺骨を奪うシーンはよかったです。
奪った後、昔話した海に行きます。
マリコからもらった手紙たちや居合わせたJKをきっかけにマリコとの思い出が呼び起こされます。ここら辺は、旅してる感があるので、まぁ良いです。
窪田さんが演じている男が出てきたあたりからう〜んという感じです。
男の役割が物語を軽くした気がします。
親友が死んでも生きているものは進まなくてはいけない、酒に溺れたり歯を磨いたりと男がきっかけで生活というメッセージを受け取りました。
ですが、男を登場させずにひたすらマリコの遺骨と向きあうシィちゃんの方が深い気はします。
1番わけわからんかったのは、旅先でシィちゃんの荷物ひったくった犯人がJK襲うんか〜いてとこです。
題材が重いと少しの矛盾も気になるので、この映画は詰めが甘いと思います。
ただ、これだけ長文のレビューをかくということは一周回って楽しんだのかもしれません(笑)
原作に忠実
この映画、ほとんど前情報なしで見に行きました。
大好きな永野芽郁が主演っていう理由、ただそれだけです。
映画を見終わって、なんともいえない物足りなさが残りました。漫画は絶対こんな感じじゃないっしょ、評価高いし。気づいたら本屋で原作の漫画を購入してました。
漫画を読んでみて、シイノのセリフだったり、各シーンの描写や主人公や関係人物の行動など、映画と瓜二つでした。非常に原作に忠実な映画だと感じました。
漫画を見てるのと見てないのとでは明らかに感想が変わると思います。
映画を見ただけでは、手紙の内容くらい見せろや。と思うところでしたが、漫画にも映画にも、「私以外の誰もがマリコが死んでも関係ない、日常を過ごしている」というシーンがあります。
最後の手紙を見せないのは、試聴しているだけの関係のない他人が介入するものではなく、二人だけが知ってればいいということなのではないかなと思いました。
思えば劇中で手紙の全てを見せるようなシーンはなかったのかなと思います。
まだ見てない人は原作を見るべきだし、見た人は原作も見てほしい映画です。一巻完結なので、家を出る前に読めます。
【”シイちゃん、助けてよ・・。”今迄の役柄とは大いに異なる”哀しきやさぐれキャラ”を演じきった永野芽郁と、”虐待され続けた女性”を演じた奈緒の演技が光る作品。鎮魂の旅を描いたロードムービーでもある。】
ー ブラック企業で働くシイノ(永野芽郁)、と幼い頃から父(尾美としのり)に虐待され続け、心が半分壊れてしまったマリコ(奈緒)は、幼い頃からの親友。
マリコは、キツイ日々をしいちゃんに手紙を書く事で、心の均衡をギリギリ保っている。
そんなある日、しいのは、マリコの転落死を知り、彼女を幼い頃から虐待して来た父が、直葬された事に憤慨し、包丁を持ってマリコの実家に乗り込み、遺骨を奪う。
そして、マリコが生前行きたがっていた”まりがおか岬”に、”二人”で旅に出る。-
◆感想
・最も驚いたのは、永野芽郁さんのそれまでの清純派的な役柄とは大きく違う、やさぐれキャラを演じきった姿である。
ブラック企業の上司に対する言葉遣い、マリコの父へのドスの効いた啖呵(劇中では、マリコの姿が被る。)。
ー ”こんな演技が出来るんだ!”と驚くとともに、女優としての幅が広がった事を眼にし、素直に嬉しく感じる。-
・奈緒さんも、虐待され続けて、心が半分壊れてしまった女性を、あの柔らかな存在感を保ちつつ諦観した表情で、演じている。
ー マリコが、幼い頃から心の頼りにしていたシイちゃんへの想い。それは、そのまま多くの手紙となってマリコの手元に残っている。-
・シイノが、マリコの遺骨を持って、”まりがおか岬”へ向かうシーン。バスの中で会った少女と、軽く会釈するシーン。
ー これが、後半に効いてくるとはなあ・・。-
・シイノが旅先で出会ったマキオ(窪田正孝)が、どこか影がありながらも、シイノを何度も助ける姿。
ー ラストで分かるのだが、彼も又、一度は自殺しようとした故の、優しさであろう。彼が、シイノがひったくりを追いかけた後、遺骨の傍にずっといたシーンでシイノに言った言葉。”だって、これは置いておけないでしょう・・。”
そして、”もういない人に会うには、生き続けないと・・。”とシイノに話しかけるシーンも良い。-
<ひったくりを捕まえるために、”まりがおか岬”から飛び降りたシイノに残された、ひったくりに追われていた少女からの綺麗な文字の手紙。それを、今までにない柔らかな笑顔で読むシイノ。
そして、駅でマキオが差し出した弁当(マキオ、本当に良い奴である。)を列車が発車する前から豪快に食べ始めるシイノ。
シイノは、そのままブラック企業に戻り、退職届を上司に破られながら、営業活動に戻る。
きっと、彼女はこの鎮魂の旅で、更に強く、優しき女性になったのだろうなあ、と年配の女性の家にセールスに行った姿を見て思った作品である。>
永野芽郁ちゃんは、とてもよかったけど…
永野芽郁ちゃんの映画ということで、期待して観ましたが、なんかスッキリしないし、よくわからない映画だなというのが、率直な感想です(^_^;) 原作は未読ですが…。
この映画、いろいろ伏線が散りばめられているように思えましたが、ほとんど回収されてないので、よくわからないことだらけです(^^;
例えば…
マリコはなんで死んだの⁉️
最後の手紙はあえて開示されてなかったようだけど、それゆえに、映画のオチもなく台無しになった気がする(-_-;)
最後の手紙は読んで欲しかったなあ(^^ゞ
女子高生って誰⁉️
なぜ追いかけられてたん⁉️
追いかけてたのは誰⁉️
もしかして、あの引ったくり⁉️
シィちゃんは帰るときには、リュックを提げてたけど、なんで⁉️
マキオとシィちゃんとの関係は⁉️
たまたま出会って別れたのはわかるけど、また翌日たまたま出会うん⁉️
出来すぎなのはいいとしても、それだけの関係なの⁉️
要するに、脚本が練れてない感じなので、ストーリーが今一つなのと、オチがよくわからないので、感動もなく、何を伝えたい映画なのかもよくわからないし、結局、私にはモヤモヤ感しか残りませんでしたが、俳優さんの演技、特に永野芽郁ちゃんはとてもよかったです😊
世界はどうしようもないことばかりだと残酷な真実を告げ、いくら心配しても届かないことがあると切り捨てながら、それでも生を肯定するのです。
残酷な現実を生き抜く 主役の親友同士の女性2人のうち、片方は開巻時点でこの世にいなくなっています。生き残った片割れが、遺骨を奪い、それを抱いで旅をするという、ひとりきりながらの「2人旅」。生と死を往還するロードムービーといえそうです。後ろ向きだけどポジティブ、重くて暗いのに見終わって元気が出るという不思議な作品。タナダユキ監督の力作です。そんな親友の死と向き合う主人公を演じるのは永野芽郁。こんな彼女の役側はこれまで見たことがありませんでした。朗らかで純真なイメージを封印し、やさぐれた顔で、柄の悪い話し方をするのです。優等生の裏の顔を見せられた気もしましたが、今を生きる若い女性の生々しい感情をさらけ出してくれました。
ブラック企業の営業職シイノトモヨ(永野芽耶)は、小学校からの親友イカガワマリコ(奈緒)が投身自殺したことをニュースで知ります。マリコは幼い時から父親(尾美としのり)から虐待され、彼氏から暴力をふるわれてきました。そんなマリコをシイノはずっとかばってきたのです。シイノは包丁を持って、マリコの実家を急襲し、父親の元から遺骨を奪い、マリコが行きたいと言った東北の「まりがおか岬」を目指すのでした。もうこうなったら、勤務先のことなんてどうでもよくなり無断欠勤。「クソ上司」からの着信も当然の如く無視するまででした。
物語は簡潔。シイノは岬に向かって突っ走ります。そして途中で引ったくりに合い無一文に。偶然であったマキオ(窪田正孝)という釣り人からお金を恵んで貰えたものの、その金で泥酔してしまい、港の小舟の中で眠るこけるのでした。シイノ自身がかなりブロークン(壊れている)のようです。
「マリコはなぜ、最期に一言も残さなかったのか」。その言葉を探し、旅に出たシイノは、遺骨と心中するような道行きだったのです。はたしてシイノは親友に「裏切られ」、1人残され、行き場を失った悲しみを乗り越える術を見つけることはあるものなのでしょうか。
「百万円と苦虫女」などを手がけたタナダユキ監督は、そんなシイノの姿を通し、行き場を失った悲しみにのたうち回る姿をまざまざと描きだしたのです。重い展開ですが、永野が演じるとカラッとした肌合いも残り、時に痛快にも感じます。ただ良くも悪くも、物語はシイノとマリコの関係に集約されていきます。その中で、彼女たちを追い詰める家族の事情、ブラック企業の描き方は紋切り型に見えてしまいました。
シイノの思いを描きだす彩りは複雑です。旅の道すがら回想場面が挿入されて、マリコとの太くて強いつながりが明らかになってゆくのです。思い出すのはつらいことばかり。マリコは長年父親に虐待され、さらにクズ男たちとわかっているのに自ら飛び込んで、ボロボロにされるのです。
シイノだけが頼りですが、壊れかけの自分を直しようがありません。孤独なシイノもマリコだけが世界をつなぐよすがなのに、目の前でリストカットするマリコを面倒くさがってもいたのです。それでも心温まる瞬間もあって、共依存の関係が切なく浮かび上がります。
思いが迷走し、勝手に死んだマリコが許せなくなったシイノは、自らも岬から飛び込んで死のうとしたとき、マキオがまたまた偶然現れて、シイノにさりげなく手を差し伸べるのです。シイノの迷いを晴らすのは、素っ気ないが親切な彼が示すシンプルな真理でした。「死んじゃダメ」と。
岬近くでのマキオとシイノの距離感を保った会話は胸に刺さる言葉があふれていました。切れ味鋭く人の弱さや悲しさを射抜く言葉があり、人の気持ちを穏やかに包むセリフも良かったです。シイノの鬱屈と激情が増すほどに優しさが際立ち、ふたりの静かな語り口の背後にのぞく切なさや強さが心に染みました。
タナダ監督は、世界はどうしようもないことばかりだと残酷な真実を告げ、いくら心配しても届かないことがあると切り捨てながら、それでも生を肯定するのです。「いない人に会うには生きてるしかない」のだと。その点がなんだかよくわからない『LOVE LIFE』の深田晃司監督とは大きく違うところでしょう。
永野が、たばこをふかし鼻水を垂らして泣き叫ぶ、粗野で直情のシイノを好演。マリコのはかなさと危うさを体現した奈緒とともに、映画に血肉を与えました。この岬の場面は過剰な演出を感じましたが、どっぷりと感情移入できたのは、ぶれない脚本とそれを生かした演出の力だと思います。
【ここからネタバレあり】
終盤、岬でマリコの遺骨が快晴の空に舞うのを見るときのシイノのアップ。背景を光るススキで埋めています。この場面、ロケハンでタナダ監督は逆光のススキに魅了され「撮る」と決めていたそうなんですが、季節が移ってしまい、現地で集めたそうです。
旅の終わり、駅でマキオに「ご恩は一生忘れませ」と神妙なシイノは、電車に乗るとマキオが用意してくれた弁当にかぶりつきます。そのマキオが別れを惜しんでいるというのに、弁当にがっつり集中。やっと電車が動き出してから、シイノは手をちょっと振ってあいさつしたことでなんとか救われた気分になりました。これがシイノの愛想なんて無関係な持ち昧なんですね。
あえて苦言
原作カバーと同ポジの永野芽郁が不貞腐れたフライヤー。見に行かないわけに行かない期待感。残念ながら星2つに。何が気にいらなかったか。永野芽郁が語り過ぎなのだ。独り言もしくは遺骨に向けて語る心の声が全て口から外部に発せられている。居酒屋のおっちゃんたちもいい迷惑だ。あのキャラが実在したとしたら無言で無視して別の展開になるだろう。バスで後で出てくる女の子に手を振ったり降りたあとのバスに手を降ったり、そんなことするか?漫画と映画では許される表現のタイプが違って当然なのだが、原作の呪い?と、斯様にところどころの違和感に最後まで乗れず。
と言っても役者になんの問題もない。永野芽郁や奈緒には相変わらず惹かれています。
とっ散らかってる
会社員のシイノトモヨは、親友のイカガワマリコが亡くなったことをラーメン屋のテレビで知った。マリコは幼い頃から、実の父親に虐待され、レイプまでされていた。そんなマリコの魂を救おうと、シイノはマリコの父親のもとを訪ね、遺骨を奪って逃走した。マリコの遺骨を抱き、マリコが行きたがってた岬に連れて行こうと旅に出て、もうすぐ目的地の岬に着く、という時にひったくりに遭い、携帯や財布、マリコからの手紙など盗まれてしまった。さてどうなる、という話。
伏線撒き散らして回収せず、とっ散らかってる感じを受けた。
シイノとマリコのキャストは逆の方が良いと思えたし、
シイノはしょっちゅうタバコ吸ってるが、金魚なのが見え見えだし、
靴は予備にカビ靴しか持ってないのか?とか、
マリコの自死の理由も最後までよくわからなかったし、
シイノには彼氏作ったら死ぬと脅しといて、自分は彼氏作ってるのはなぜ?とか、
窪田正孝は結局優しいお兄さんで終わり?
もう、支離滅裂でツッコミどころだらけだった。
シイノの子役の佐々木告はタバコの消し方も含め上手かった。
殻は破れず
原作はいまいちハマらなかったが、永野芽郁がどう演じるかに興味があり、鑑賞。
結果、やはり永野芽郁ではかわいすぎた。
頑張ってはいたと思う。
足を広げて座ったり、煙草をふかして煙を鼻から出したり、引きの画での雰囲気は悪くない。
でも、やはり上品さやおっとり感などが消えていない。
演技が下手とは思わないが、滲み出るものがキャラクターと乖離しているせいで『演じてる』感が出てしまっている。
あとずっと顔が綺麗。
中学から喫煙してても、ブラック企業に勤めても、崖から落ちても、ず〜っと顔も肌も綺麗なのは如何なものか。
これなら、ヤサグレ設定は無くてよかったんじゃないかな。
他の演者さんに関しては、棒読み感が強い中学時代のマリコ以外は良かった。
奈緒のヤンデレは素晴らしかったし、中学時代のトモヨも上手かった。
個人的には、親父を詰る吉田羊の演技がハイライト。
また、テンポが良いとは言えないながら、逆にその『時間』が、喪失感や無力感などトモヨの感情を際立たせていた。
あれは漫画の『時間』では感じられなかったモノ。
原作以上に感じるものがあったという意味では、映画化の価値はあったと思う。
そ、そ、それ、俳句からは遠過ぎるだすw
今年の邦画のダークホース来た!w
タナダユキ監督が好きなんだと思います。と言うか、直近3作が「浜の朝日の嘘つきどもと」「ロマンスドール」「お父さんと伊藤さん」です。全部好きですもん。4打席連続長打、と言うか4試合連続ゴール、的な当たり感。だから、好きだと思います、じゃなくて好き、大好きw
堪らんなぁ。泥臭い人物設定。熱血でもなく、ニヒルでもなく。隣に住んでそうな女子とか、隣のビルで店を開いてそうな会社とか。男女が不必要にベタベタしないし、上から目線の説教もないし。なんと言っても、歯磨きするしw
いやー、映画の中で、歯磨きしませんよね、皆さん。結構w
要するに、まさに現在、日本のどっかで繰り広げられてる、どっかの誰かさんの物語であるよ、って素直に受け容れてしまえるんです。
でもって、リアルに泥臭くて、綺麗事にも無駄な感動話にもしないって言う。
やっぱり好きw
それと永野芽郁さんですよ。コレは来た。来ました。二皮くらいは剥けた感あり。長回しにたじろぎません。1人で物語を、難なく背負ってます。余裕で背負ってます。ラストシーンなんて、手紙の内容なんかどーでも良くなるくらいに演技だけでココロ持ってかれます。いや、彼女の中学生時代役の女の子も凄く良かったですけど。伊藤沙莉ちゃんを思い浮かべてしまいましたw
そうかぁ。タナダユキ監督作品って、どれも主演女優がめちゃくちゃ良い芝居してるんだ、そう言えば。あー、タナダユキ監督作品が好きな理由は、これかw
自分自身、今、スッキリ腹落ちしましたw
良かった。
とっても。
エンディングがベストマッチ!!
ガリレオを観に行った際の予告で、タイトルに惹かれて観に行きました。
結論から言うと、ものすごく良い作品です。
キャストの方々の演技がとても上手だし、話も面白いし、なによりもタイトルが本当に秀逸でオシャレだと思います。
最後の手紙の内容は原作同様明かされませんが、エンディングの『生きのばし』がそのヒントになってるのではと勝手に思っています。
ここまで作品とマッチしたエンディングを選んでいる時点で、原作へのリスペクトや作品への愛を感じます。
本当に見てよかったです。
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