マイ・ブロークン・マリコのレビュー・感想・評価
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痛々しいマリコの人生のストーリーを、全力で演じきった永野芽郁と奈緒の瑞々しい表現力に感嘆!
とにかく、永野芽郁、奈緒の演技力が期待以上にスゴかった!
シイノにとっても、自分の孤独を癒し、
生きがいのような存在だったマリコの突然の死
ぶっ壊れるしかなかったマリコとマリコの人生に
言葉にできない怒りを爆発させ、暴走するシイノを
永野芽郁が好演
正直、ここまでできるとは驚きだった
シイノのがさつな荒っぽさと、繊細で温かいところを巧みに表現していた
奈緒も、
つかみどころのあるようなないような
難しい役どころのマリコを
バカっぽくなりすぎず、暗くなりすぎず、
ビミョーに可愛らしさを加えながら、
これもまた、巧みに演じていた
ここに、アクセントの窪塚正孝!
通りすがりの人物でありながら
マリコを失った喪失感に打ちのめされる
シイノの心に「生きる」という気持ちを
再び思い起こさせる
その、出すぎず、引きすぎずの演技は
さすがの一言だった
見ていて気が滅入るようなマリコの人生も
この3人が演じることで、
ただ暗くて、救いようがない話で終わらず
生を実感し、日常生活があるささやかなありがたさ
を感じさせる、
希望をにおわせるラストへうまく繋がったと思う
原作読んだ人限定かも
ワイルドだろ〜!! 永野ちゃんが!!(笑)
マイ・ベスト・ナガノメイ
何故マリコだけだったのかは分からないけど。
マリコちゃんの不幸体質が見ていて痛々しかった。
愛情をちゃんと注がれないと、我慢するし自分が悪いと思い、そこにつけ込むヤツにまた狙われて悪いループに入る。
嫌なら嫌だと言えない関係性は本当の恋人同士じゃないんだけど、途中で本人も分かっててもそういう主従っぽい恋人関係を続けてしまう。で、苦しくなる。そこから逃げる手段の1つに、命を断つことを選択肢の1つに加えてしまう。悲しい。
シイちゃんは吹っ切れてる演技で、さすがブラック企業に居られてしまう強い女子で良かったです!
こんなに無断欠勤を数日続けて大丈夫なのか?と思ったら想像以上に会社のほうが普通じゃないのでお咎めなし。
「迷惑かけたと思うなら辞めずに働け!」
「あ、そこまで迷惑かけたと本気で思ったか?と言われれば。。そーでもなかったかもっす。」
「何ー!仕事しろー2件は取ってこーい!!」
。。もう上司とのやり取りがほぼコント(笑)
最後のマリコちゃんからの手紙、もう少し具体的に内容知りたいな〜というところは少し残念でしたが、シイちゃんは笑顔にもなっていたので、何かしら納得出来る内容が書かれてあったのだろうとは思いました。
あと、マリコにはシイちゃんしかいなかったのはよく分かるけど、シイちゃんにもマリコだけだった理由がよく分からなかったのでそこの脚本は残念でしたが。。
行動力のある強い主人公を演じ、『地獄の花園』『そして、バトン〜』でも見ていた永野芽郁ちゃん、かっこ良い社会人女性で良い演技でした!!お弁当を頬張る時、口で割りばしをくわえたまま箸を割るところが何かカッコ良かったです!(笑)
役柄への没入感に感服
理解不能の狂気じみた"愛"が、牙を剥く
「俺たちに明日はないッス」のタッグ、タナダユキ監督と脚本•向井康介氏の作品と聞いたら黙っちゃいられない。
たまたま去年死んだ母の墓参り後に導かれるように鑑賞。
内容はとにかくやさぐれた主人公、永野芽郁が演じるシイノ。俺が初めて永野芽郁をスクリーンで観た時は「俺物語!!」のヒロインの時だったから、そのギャップと怪演っぷりに圧倒された。
あと、窪田正孝がいい味出してた。正直今まで好きじゃなかったけど、こんな渋さを出せる俳優さんだったんですね。すいませんでした。
正直、映画のキモとしては、死んだマリコをどこまで愛すか、なんだと思います。脚本はいい塩梅でそこを重視していた。距離感で一気に違和感を生み出してしまい物語に集中出来ないという懸念は、さすが安定の向井康介氏が払拭してくれた。
しかし愛がお互いに狂気に満ちていた。
牙を剥く狂気具合が湊かなえを彷彿とさせるほど。
理解出来ないほどに依存体質のマリコを庇うシイノは、強がっている性格とは裏腹なお人好し要素が見えていた。
だけど、特別なマリコにしかそれがなかった。
本当の「暴力的な愛」だった。
あと、こっからネタバレ…というか内容はもちろん話さないですが、オチに賛否両論があるかもしれない。俺は「ありがとう」と思ったけど、鑑賞した女性2人組は「あのオチか…」と言っていました。どんなオチかは観て判断すれば良いと思います。
マリコサイドのストーリーも観たいかな。「マイラブリーシィちゃん」。ちゃんとしたジャパニーズホラー映画になりそうだ。
構成完璧でした。最高の映画体験をありがとう。
タイトルなし(ネタバレ)
ブラック企業の7営業で、日々、鬱屈した時間を過ごしているシイノ(永野芽郁)。
いつもの中華料理屋でざっかけない昼食をしながら観ていたテレビのニュースに流れたのは、親友マリコ(奈緒)の自殺報道。
どうにもいたたれなくなったシイノは、マリコの遺骨をマリコの父親から奪うと、遅まきながら弔いの旅に出た。
それは、シイノとマリコの過去を辿る旅であると同時に、マリコとの道行の旅でもあった・・・
といったところからはじまる物語で、原作は同名のコミックスらしい。
たしかに、コミックス原作らしい過剰さはあるのだけれど、その過剰さは監督のタナダユキ本人がそもそも持っている情熱のようなものだろう。
シイノが回想する様子から、幼いころからマリコは父親から虐待を受け(それも口に出せないほどヒドイもの)ていた。
シイノはマリコのたったひとりの理解者。
いや、理解者というのではなくて、分身のような存在。
でも、うざったいことはうざったい。
ほかのみんなと一緒に、マリコをいじめる側に回ればことは簡単なのだろうが、それはできない。
映画では直接描かれないが、シイノもマリコの側に近い立場だから(幼いころのセリフから伺える)。
そんなマリコを、遺骨という姿になったといえども取返し・・・よく言えないが、マリコと自身の存在証明を、改めて確認したい、そういう旅が綴られる。
シイノ演じる永野芽郁のやさぐれぶりはすさまじく、ま、近寄りたくない感じだが、それに輪をかけてマリコの自己否定ぶりは観ていて憂鬱になる。
そうなのね、これほどまでに現代の若い女性は病んでいるのね。
自分の居場所をみつけることが、こんなにも困難なのね。
マリコの遺骨とともに辿りついたのは、青森県の南部地方、まりがおか岬というところ。
岬にたどり着く寸前でシイノはひったくりに遭って行き場をなくしてしまう。
助けてくれたのは、見ず知らずの青年マキオ(窪田正孝)。
彼の無償の親切は、彼自身が半年ほど前に自殺し損ねたことに由来する。
「ここじゃ、簡単に、死ねません」という彼の言葉が可笑しい。
ひとは簡単には死ねない。
けれど、マリコは簡単に死んでしまった。
理不尽で不条理だ。
そんな不条理な世の中、最後にたどり着いた岬で、シイノは人助けをする。
人助けの道具になったのは、マリコの骨壺と遺骨。
ははは、可笑しいね。笑えるね。そんなもんだよ。ちょっといい話だよ。
ってところで映画は終わらない。
ここいらあたりがタナダユキ監督の、なんというかパンクでロックなところ。
もとのブラック企業へ戻ったシイノは、課長に「ブラック企業」と言わせて、そして、顧客のひとりから認めてもらえるような手紙をもらう。
手紙の中身は写されないが、シイノは居場所を見つけたような気がしたのだろう。
それまで、マリコとふたりだけだった世界での、別の居場所。
優しいといえば優しいラストなんだけれど、それぐらの優しさはあってもいいよね。
そう思える映画でした。
ねぇ、マリコ
マリコの気持ちに共感するよ、
ツラいよね。
いちばん信頼する人には
なぜか
手首切って見せちゃう気持ちわかるよ、
そんなの見せたら
嫌われちゃうかもしれんし、
でも信頼してるから
見せたい気持ちもあるし。
マリコは
骨になって
宙を舞ったけど
きっとこの映画は
私のように
誰かの胸に刺さるよ、きっと。
大丈夫
二度目の「大丈夫に見えますよ」が良いんですよね。
シイノの未来に対して言っている様な感じで。
シイノは変わらない日常に戻っていくのだけど、それでも日常が少し違って見える様になったんじゃないかな。
そして、手紙って受け手の状況も大事なんだなと気付かされました。
同じ手紙でも、読むタイミングで内容が違って感じるかも。
最後のシーン、手紙の内容は観ている人には分かりません。
だけど私は思ったの、この手紙を遺骨との逃避行の前に読んだとしたら、あの笑顔は溢れなかったかもしれないと。
この旅を通して成長した彼女だからこそ、あの手紙をしっかり受け止められたんじゃないかと思うのです。
綺麗な記憶が残るっていうのは、嫌な部分の記憶が薄れるだけじゃなく、人の成長が記憶を綺麗にしていのかもしれませんね。
あとから地味にジワジワくるこの感覚。
原作未読。予告の期待を裏切らない作品って、実はなかなか少ないです。
永野芽郁さん、アカデミー獲ると思いますが、漫画原作だと難しいのかなぁ。昔読んだ漫画『降っても晴れても』を思い出した。女の友情をよくここまでリアルに繊細に描いたなという印象。最後のエンドロールで女性監督なんだー‼︎って感動しました。描き方がとにかくめちゃくちゃカッコイイ。
今のところ、今年ダントツの邦画。
『余命10年』と迷うけれど。
かなりリアルな内容。
疲れた日に観ることはオススメしません。
ロマンシスストーリーの傑作、これぞ見たかった実写化
これぞ見たかった実写化。
原作漫画(web連載)をリアルタイムで追っていた勢です。
当時センセーショナルさと画力の高さで話題になっていました。
実写化が決まった時、登場人物のデザインが再現性が高くしやすいくらいリアルなのと、1巻完結の短期集中連載だったから映画に向いてそうと思う反面、「これ真剣に取り組まないとファンに何してんねんって言われるよね…」と、どうかこの作品に真剣な人たちがメガホンを取ってくれ!と祈るばかりでした。なぜなら「漫画作品の実写化は作り手の真剣さがダイレクトに出る」がセオリーだから…
うまくいけば絶対楽しみリストに加えられるはず!!とハラハラしながら待機しました。
それから公開された予告映像やあまり前情報を入れない派の自分でもちょいちょいうかがうタナダユキ監督の真剣な取り組み姿勢に「これは信頼していいやつかも…!」と安心しました。
マリコの泣きボクロまで取り入れていたのも「行き届いてる…!」と感じていました。
(マリコの両親など特に外見完全再現の必要性が無いキャラもいつつも、それゆえにその分マリコ達の再現度が光る)
あの時の感動がよみがえりました。
かつ、原作漫画を読むと百発百中で泣いてしまうので、緊張していましたが、単行本で書き下ろされていたまだ希望にあふれていたあの頃の二人の姿まで映画の中に入れてくれたので、「この映画は信頼できる!見に来てよかった!」と嬉しい気持ちになりました。
また、忠実な映像化を見た事によって、不思議と以前より原作漫画も平常心で読める気がしました。
そして、漫画の演出を丁寧に再現しつつ、
少し加えられたオリジナルシーンは映像化した時の流れの潤滑油になり、まるで最初からあったようにとても自然でした。
オリジナルシーンだと、例えば痴漢引ったくりに襲われていた女の子がバスの時にシイノに少し会っていたり、観客の目線でもなんとなくマリコに似ていると感じさせられつつ(きっと観客が似てると感じた分だけシイノも感じていたはず)、マリコの可愛い丸文字とこの子の端正で綺麗な字の対比がシイノを日常に戻していく始まりのようにも感じられてなんだか素敵でした。
パンフレットも購入しました。
上映中にこのレビューを読んでるみなさん!!おすすめです!!映画館でしか買えないので是非!!
まず、表紙が原作の平庫ワカ先生の美麗な描きおろし。
そして文の中の情報も濃厚。
印象的な部分のほんの一部を述べてみると、
原作のマリコの丸文字まで完全再現したマリコの手紙はマリコ役の奈緒さん自身が書いたとか、
それから作中ではひたすら酷かったマリコ父役の人は、ドアの向こうのぶつ音は実は自分の体を叩くという体を張った方法で出していたり、それでも衝撃的な場面だから、その分その場にいた子役さんのフォローをしていたり等の、プロフェッショナルな裏話などが書かれていたのが印象的です。(マリコの父親とは大違いだ…)
この映画に関わった全ての方、ありがとうございました。
ダイナミック散骨
マリコがトモヨに依存していて、酷い家庭(というか父親)から
死んでしまったけど遺骨だけでもマリコを救う
という映画だと予告だけを見て思っていた
しかしそうではなくて・・・確かにマリコはトモヨに依存していて
トモヨに恋人が出来て自分をほっとかれたら死んでしまうと『宣告』していた
当のマリコはクズ男を恋人にてマリコに連絡しない日々もあった
こんな面倒臭い女・・・と普通の人なら思ってしまうが
実はトモヨも唯一自分を慕ってくれているマリコに依存していた共依存のような関係だった
しかしながらその遺骨を奪ってとある場所まで行くまでの道中というか
目的地にたどり着いてからのそんな偶然ありますかい?みたいな展開に
ちょっと笑ってしまった自分がいました(見方によれば良いシーンなんですけど)
最後のアレは実はそれを残していたって事が分かっただけで良しなんじゃないでしょうか?
評価 3.5
あぁ奈緒さんは良かったなぁ
永野芽郁、喫煙!…いや熱演!
にわかにタバコを吸っても、なかなか板につくものではない。
言葉遣いもなかなか難しいところだ。
まあ、無理はせず、普通の言葉遣いで、タバコを吸わずやった方がよかったかもしれない。
でも、熱演してるし、頑張っているのはわかるので、よしとしないといけないだろう。
しかし、ペランダから飛び降りて、左足からマットの上に着地して(いるがわかって…)、河原の上をゴロゴロと転がって、川に転げ落ちた。これはどんな場所なんだろう?河川敷に家が立っているのだろうか?
まあでも、映画だから骨折もしないし、誰も困る人はいないので、好きにつくってもいいといえばいい。
永野芽郁、熱演!そして喫煙!これにつきますね。
肌が荒れるのでタバコはやめて、また、輝いた役をやっていただければと思います。
【追記】たばこはネオシーダらしいです。昔一度吸ったことがありますが、まずくて吸えたものではありません。
#162
遺骨パンチ。
タナダ作品「浜の朝日の、、、」は見た。
永野芽郁は初めて。
原作漫画も未読。
父親から虐待を受け自死した友人の遺骨と逃避行。
話はシンプルだが、時々思い出す友人の記憶のはさみ方が上手く飽きずに観れた。
椎野が骨持って出かける前あたり、、深刻になり過ぎないように作ろうとしてるのは分かるけど、、にしても、、明るい台詞にももう少しニュアンス入れられたんじゃないかと思う。いつもこういう映画で思うけど深刻なシーンはいいけど、明るくおちゃらけてる部分がなんか白々しく思う、なぜだ?
椎野の喋り方、、たぶん永野芽郁はこんなハスっぱな喋り方ふだんしないんだろうな、少し無理を感じた。
しかし涙鼻水入り混じっての好演、なかなか粗暴な中にも純粋さや色気もあり、そこを撮影部も頑張って切りとっている。脚本時に膨らんだらしいラストは長過ぎたとおもう、、スパッと切ったほうがカッコ良い。
菜緒は「草の響き」で好印象だったが今回も安定。
吉田羊のこんな役が観たかった。
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