劇場公開日 2022年9月30日

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「原作を知らなかったので、それも少し確認してみた」マイ・ブロークン・マリコ SHさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0原作を知らなかったので、それも少し確認してみた

2023年1月31日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

映画としてのこの作品、少し現実離れした印象を持ってしまいました。確かに漫画をみると、多少ファンタジックな印象。悲しい物語が土台になっているので敢えてそういう雰囲気になっているのかなということは理解できます。でも、人が実際に演じるとなると、物語が物語なだけに結構リアルさを求めてしまうわけで、文字通り絵で描かれたような演出は極力切り捨てて欲しかったと、個人的には思います。例えフィクションであっても、内容は現実世界の写しだと知らしめるべきではと─。でもそれだと悲惨すぎる作品に仕上がってしまうのかも・・・とまぁなかなか難しいテーマを扱っているのだなぁとまじまじと思ってしまいます。そのテーマこそが何気に魅力的だったりするのですが。
色んなわだかまりはあったものの、基本的にはかなり興味をそそられました。それでもなお、永野芽郁の台詞回しとか演出にはどうも違和感を覚えてしまい、それがリアルさを感じない最大の要因であったりしたわけです。永野芽郁と奈緒の絡み合い─確かにそれだけでも見たくなります。だから、決して永野芽郁がミスキャストだとも思わないし、ラストのシーンなんて素晴らしいパフォーマンスで、あの部分だけでも泣けます。この作品の役は彼女にとってはかなりのチャレンジだったのでは─。正直、本当の永野芽郁さんはどんな人なのか分かるわけないのですが、明らかに役柄と彼女の人柄が全く乖離しているように思うわけで、それ故に相当頑張っている永野芽郁さんをそこに見いだしてしまって、作品に馴染んでいるようには見えませんでした。別に原作のキャラに寄せなくても・・・台詞にしてももっと自然でいいのに・・・たばこもあんまり似合わないな・・・なんて、色々と勝手な不満を持ちながら─。
漫画原作の作品が実写の映画になるまでには、想像以上の難しさがあるのでしょうねぇ

SH