劇場公開日 2022年6月3日

  • 予告編を見る

「C級感が漂うのは覚悟の上だが…」きさらぎ駅 Minaさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5C級感が漂うのは覚悟の上だが…

2025年1月26日
iPhoneアプリから投稿

赤江監督の前作、「FPS」で培った一人称視点の映像は健在。いわゆるPOV形式の手法と何ら変わらないものだ。もう流石にPOV作品が乱発される事は無くなったが、日本でこのスタイルは何故か目新しく感じる。
この「きさらぎ駅」は2004年に2ちゃんねる上での書き込みが生んだ都市伝説であるが、真意はともかくリアルタイムで投稿された"体感型"都市伝説として今だに議論されている。最近テレビ番組でも取り上げられた事で再びその物語が話題となったタイミングでの映画化である。
何となくC級感が漂う予告だったが、案の定の完成度で思わず笑ってしまった。投稿主である"はすみ"も登場するのだが、主人公が彼女にインタビューをする所から物語が始まり、語っていく上で当時の体験談が一人称視点で進んでいく。これで30分以上尺を使い、今度は主人公が自ら異世界へと足を運んでいくという構成だ。流石に主人公の際には通常の撮影だったが、同じ展開がループする様で、基本的には同じ事が起きるだけで微塵も怖いと思う事なく終了したイメージである。

82分という短い本編を効率的に使えていないのか、間延びしている様にも思えて非常に勿体無い。予算の都合はもちろん厳しいだろうがチープな映像が輪をかけて低クオリティさを演出してしまっているのは残念だ。
だが、主人公以外にも迷い込んだのであろう他の5人の登場人物の中にラスボスでもいるんじゃ…と勝手にオチを想像してぼーっと観ていたのだが、終盤の展開は意外な人物が絡んでおり、一応しっかりと着地した様に思える。あくまでも「きさらぎ駅」の2ちゃんねるのやりとりに脚色した物語の為、リアリティさは無いが、この手の話に興味がある方はぜひ。

Mina