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(C)聾宝手話映画

映画レビュー

4.0「口話法」に駆逐されかけた「手話」をただひとり守った校長さん

2023年9月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

「ヒゲの校長」は一般の映画とは少し違う映画です。(配給とかで、よく知りませんが)

映画館というより大から小までさまざまな文化ホールで上映される映画で、たいていは事前申込、そして値段もまちまち。
上映予定はこちらで確認できます。

映画「ヒゲの校長」上映予定 というサイトで確認できます。

観客にろう者が多いことが予想されるので、日本語ですが字幕付きです。
手話の文化を描いた映画です。

ろう者であっても健聴者と同じ国語を使用することで、一般社会への参入を促す口話法というのが昭和の初期、教育方針として強く勧められました。
手話はその教育方針からは邪魔モノ扱いされて「手まね」と蔑まれました。
しかし口話法の習得は難しく苦渋で、かつ努力したとて修められる者は一握りのものだけでした。
そのような教育方針に疑問を感じたのは、大阪の一校のみ。適性をみて一人ひとりにあった教育が必要だと、孤塁を守って異議を唱え続け、今の時代のろう者と手話の文化の礎を築いたのが、映画のタイトル『ヒゲの校長』こと高橋潔氏です。
本作は、高橋潔氏と上記の流れを描いた映画です。

原作と言える書籍をあげるとすれば
『高橋潔と大阪市立聾唖学校: 手話を守り抜いた教育者たち』川渕依子著
川渕さんは高橋潔氏の娘さんです。

また『わが指のオーケストラ』山本おさむ著というマンガも、口話法に駆逐されかけた手話の文化を描いた作品です。

という概要はここまでにして。
私は2023/09/03に海遊館ホールで観賞しました。
特筆すべきは、この上映会では終了後に、主演髙橋潔役を演じた尾中友哉氏が作品について1時間弱も熱く語っていただけたことです。
昨今、映画は3Dになったり4Dになったりしていますが、この講演会付きによって一気に「9D」ぐらいの厚みをもって記憶にとどまるようになりました。
すばらしい映画をみさせていただき、ありがとうございました。

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