「家族に向けた愛」この子は邪悪 サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
家族に向けた愛
出ましたよ、TSUTAYAクリエーターズプログラム。最近よく見ますよね。にしても、系統同じすぎんか?審査に偏りあるくないか?絶望ばかりじゃん。ま、確かにこの手のストーリーはどれも面白いんだけどさ笑 本作は同じTSUTAYAクリエーターズプログラムである、「哀愁しんでれら」という作品と似た、一風変わった家族を描いた物語。面白そうな雰囲気が予告から、ポスターから漂っていたため、「ブレットトレイン」「さかなのこ」を押し退けて鑑賞。
想像を遥かに上回る気持ち悪さ。
しかしながら、「哀愁しんでれら」のような残虐さ、胸糞の悪さは無く、骨太かつ続きが気になるストーリー展開で、非常に構成がお上手なサスペンス映画。この作品が描きたいことは一貫して、「家族を愛し、守れ」。それが例え、どんなかたちになろうとも。かなり奥深いテーマで、色々と考え込んじゃいました。これだって、愛。〈母性〉ならぬ〈父性〉みたいな?
導入には思わず興味津々になってしまう。ただ、作品の基盤は超王道なサスペンスって感じ。不穏な音楽、明かされる真実、光っていた過去、お先真っ暗な未来。それでも、先が読めない緊張感に圧倒され、あまり安っぽさを感じさせない。妹の...のシーンは心臓バクバク。ホラー的な怖さもあります。日本の映画でビビったの久々笑
ちゃっちくみえないようにはしているんだけど、少々作り込みが粗い。そして、見せ方が下手くそ。そこに至るまでの煽りはいいのに、中身は衝撃的なのに、驚けない。爆弾の爆発する瞬間があっさり。回収されていない問題も多く、モヤモヤ。ラストもちょっとガッカリかな...。脚本は良くても演出がダサい。こんな感じの、あと一歩なのに的な邦画、最近よく見かける気が。もったいないなぁ。
でも、南沙良と玉木宏の存在感と演技力は一級品で、2人目当てに見る価値は大いにあるかと。大西流星は...あまりパッとしなかったかな笑 ハマる人はハマるであろう、好みが別れそうな王道サスペンス。ツッコミどころはあるが、愛のかたちに考えさせられる、なかなか面白い作品です。虐待へと向かうか、行き過ぎた愛へと陥るか。興味がある方は是非。