劇場公開日 2022年9月1日

「ナントか村よりずっと良い。」この子は邪悪 kwmdさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ナントか村よりずっと良い。

2022年9月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

『志乃ちゃん…』がとっても気に入ったので、南沙良さんが主演なので見に行きました。

ホラーらしいです。怖い映像で見せるホラーの出来は、たぶん予算で決まってしまうので、邦画は不利になります。(職人技の手作り感のあるばればれのやつはそれはそれで楽しい。)なので、本作はそこに頼っておらず、居心地の悪さに注力しており、そこが凄く良かったと思います。

若い女性が多く観賞していたのは、ジャニーズのコが出演しているからでしょうか?見た目に似つかわしい少年役はとっても好感が持てます。(金髪の王子様見たいのは勘弁。)

もちろん、南沙良はバッチリです。助けてあげたくなります。

主な舞台は古い建物ですが、内装も含めてわざとらしさがなく、怪しくてよかったです。昔の、金田一耕助シリーズみたいです。

劇判も、微妙な効果音が入っていたり、ピアノの演奏や、メリーゴーランドの曲は少し外して残念な感じになっているのが良かったです。

食べ物も、何だかおいしそうです。ただ、今のこどもなあまりジュース飲みません。

で、お話ですが、結末はいいと思いますよ。タイトルの回収。でも、やはり後半からがいまいちです。おそらく、細かいところが間違っているので、登場人物の行動がおかしくなっています。

ジョーダンピールの『Get Out』と『Us』を参考にしていて、そこはいいのですが詰めが甘いです。

玉木宏はどんな約でもうさんくささがあります(ほめも含めて)。役柄はぴったりです。しかし、初めから終わりまで同じ調子でおかしいので、どこから怖がっていいのかがわかりません。『Get Out』のBetty Gbrielを見て下さい(黒人のメイド)。居るだけで怖いじゃないですが。アレが欲しいです。

『Get Out』の種明かしははっきりしており、現実には不可能ですが、一応理屈は通ります。逆に『Us』『Nope』は、シャマランと同じで不思議なモノはありのままで放っておきます。このため、話の整合性は取れるのです。本作は無理に理屈をつけたせいで、それは絶対無理だよと思ってしまいます。

『チリン』だけで、とうやって膨大なデーターを転送するのでしょうか。拉致した人間ならともかく、小動物は無理だよねとか。空にしておいて、移せるとしても、双方向は出来ないよとか。

『チリン』を音をさせずにポケットに入れとくのも無理そうです。
玉木さん、いつもポケットから取り出すの苦労していました。もうちょっと、小さくてもいいのに。

映像表現としては、目玉がありますが、前述の通りそこが一番ダメに見えます。やらない方が良かった。こどもが踊っているときに、指で指揮しているのは、良かったです。

デジコンは出てきますが、スマホはありそうなので、いくれでも連絡は取れそうですが。

病院や役所で調べる何てだれでも思いつきそう。マスコミも嗅ぎつけるよね。

医師(国家資格)か臨床心理士(民間資格)かはっきりして下さい。後者は正確には、診断も治療もできません。また、あの仕事ぶりだと法外な相談料とらないと生活できませんね。

死亡診断書は、要らないところはちゃんと二重線で消しましょう。『検案書』のところとか。夜勤師長に怒られます。

『ばあさん』は怪しいことに、気付いているはずなので、家に上げないでしょう。引き戸の裏で、待っているのもおかしい。高齢者なので重い石より、刃物でしょう。

クライマックスのみんなの行動がおかしい。お父さんを指示したり、逆らったりする、心情の変化を起こすきっかけが不明。あまり、叫んだり、びっくりしたりしないし、警察や救急を呼ばないし、止めもしない。そもそも、正気の状態であのこはあんなことしないよ。逃げるか泣き崩れるよ。

うまく話をまとめるための提案としては、信頼できない語り手を使うしかないと思います。むしと、使っていると思わせてさえいないのがびっくりです。まともだって、保証はないでしょ?

ラストがなければ、星二つにするところでした。(映像的には残念だけれど)

Lhowon