劇場公開日 2023年6月23日

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「青春という名の不眠症」君は放課後インソムニア R41さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0青春という名の不眠症

2024年7月2日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

寝られる

タイトルの意味は不眠症
「君」とは、お互いがお互いのことを言いあってっているのだと思う。
少しからかうようなこの言い方に、この青春物語のイメージが秘められているようだ。
青春と恋は切っても切れない。生きる、乗り越えていく原動力。
起きてしまった過去も、ハンディキャップを抱える体も、この原動力で乗り越えてゆく。
わがままひとつ言わないのは、言えばまたいなくなってしまうから。
そんな心の傷を持つナカミガンタ 中味丸太 七尾市に多い苗字なのだろうか?
ぼっち感と他人との隔たり
「どうしてオレだけが変なのか?」
オレという主観 それしかない それ以外ない だから、悩む。
抑え込まれた感情
誰にも言えないのは、全部オレの所為だから。
中二病だが、そう言い切れない現実性がある。
ある日母が去った。朝食だけが用意されていた。それからずっと父子家庭
朝食は丸太が作っている。眠れないのは、寝ているうちに母がいなくなったから。
おそらく父も似たような理由で毎晩ソファで寝ている。
丸太が自分にかけた呪い
「オレがいるといっつもダメになってしまう」
昔父にクリスマスプレゼントで買ってもらったカメラのお礼を今さら言ったのは、過去との決別の意志。当時はゲーム機が欲しくて、それがだめだと言われるのが怖くて、結局もらえたのがカメラだった。そのカメラの力で写真が入選した。
「ありがとう」は呪いから覚める魔法の言葉。
天文部を復活させるために観望会を主催したが大雨で中止になった。部活許可が遠のいた。
合宿もあんなことになってしまった。
そんな中でもお互い好きになってゆく。
マガリイサキ 曲伊咲 七尾市に多い苗字なのか? 二人とも変な名前
いつ心臓が止まってもおかしくないハンディキャップを持つ。
心音を聞き続けて眠れない。
叔母の家に行くのは、何らかの事情で亡くなった従弟の焼香だが、「本当は来たくない」
伊咲は叔母に褒められることで「みんなに迷惑をかけている」贖罪を認識していた。
それを打ち明けることがようやくできた。
伊咲がバスの中でラジオトークするが、「私の願い」を言わない。言えばそこで失格となることを思い出したのだろう。
彼女の再入院とコンテスト入選、そして10月に再挑戦する観望会の案内。
伊咲が「ずっと一緒 大好き」
おそらく伊咲は、夜中に家を抜け出し「七つの橋」の願掛けをして成功したのだと思われる。
彼女は「掛け」に勝ったのだ。それが二階から窓の下を見下ろしたときの笑顔と力強い言葉に表れている。
伏線は端然と回収されているのだ。
最後は協力者と一緒に観望会の準備シ-ン。
青春
物語は、すべてを明確にせず視聴者に想像させることが必要だ。この作品にもそれらがちらほら仕組まれている。
この作品の対象は、主人公らと同世代。彼らが作品を思い返しながら想像することが狙いでもある。
そして「ユーレイ」は不穏さをにじませたミスリード。
不眠症が出会わせた青春の1ページ
二人とみんなの大きな成長を描いた学園ドラマ。
この爽やかさ。

R41
りかさんのコメント
2024年7月12日

私もお世話になっております。
本作もうすぐ観ようと思います。
⭐️評価5なので観る気満々になりました。

りか
kossyさんのコメント
2024年7月2日

いつもお世話になっております。
登場人物の名前は能登の地名に由来している人が多いようです。
色々調べてみたのですが、中見だけはよくわかりませんでしたが、曲は七尾市能登島町曲、穴水はそのまま鳳珠郡穴水町、白丸は能登町白丸、野々は金沢市の隣の野々市町等々・・・

kossy